平成15年の文部科学省のデーターでは、裸眼視力1.0未満のものは、小学生で25%、中学生で50%、高校生で60%と言われています。
これらのほとんどは近視で、近年のパソコンやゲームなどの近くを見る時間が長くなってきている日常生活が影響しているようです。
それでは、パソコンやゲームなどの長時間の近業作業が、どの程度、影響しているのかを調べたデーターがありますので紹介させていただきます
従来は、近視の進行は 25歳くらいまでというのが通説でした。
しかし、松本眼科の診察室でも、30歳を過ぎた方でも、
「それまでは目は良かったが、勤務が変わりパソコンでの仕事が増えてから、急に遠くのものが見えにくくなった」
と言って来院される方が多くなってきました。
そのことについて、調べられたデーターがあります。
20歳から69歳までのパソコン従事者300名の600眼について、2年間追跡調査したものです
(所敬:日本の眼科75、2004より)
0.5D以上の近視化がおこったかたは、
20歳代・・・51%(47/92眼)
30歳代・・・29%(19/66眼)
40歳代・・・38%(82/214眼)
50歳代・・・24%(47/194眼)
60歳代・・・15%(5/34眼)
このように、高年齢の方でもパソコン作業により近視になることがわかりました。
しかし、パソコン作業で近視化するのは、若い人ほどその傾向は顕著で、なんと20歳代では、約半分の人がパソコン作業で近視化することがわかりました。
学童期のデーターはありませんが、上の20歳代のパソコンによる近視化の影響をみれば、より若い学童期のゲームは近視化の原因になることは明らかでしょう。
やはり、昨今のIT化が眼球にも悪影響をしているようです。
では、その予防法については、次のブログにて記したいと思います。
家庭用視力表はこちら(PDFファイル。印刷してお使いください)
最新の近視進行抑制治療はこちら
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