子供写真

よく松本眼科の外来で、

「子供にオルソケラトロジーをさせたいのですが、扱ってられませんか?」

と聞かれることがあります。



一部のマスコミでよい部分だけが誇大広告・宣伝され、一般的に浸透してきているようです。

ここでは、オルソケラトロジーレンズのリスクについて書いてみたいと思います。

 


 

cl2オルソケラトロジーレンズとは、夜間に専用のコンタクトレンズを装用し、角膜を一過性に平坦化することで、日中に近視を矯正することを目的としてつくられたものです。




子供に眼鏡をさせたくない方、野球やサッカーを行っている一部の子供さんに普及しているようです。


以前、このブログで日本眼科医会が行った「全国の小中高校に対して行ったCLアンケート調査」の結果について記しましたが、その中で小学生のコンタクト使用者は全児童の0.1%

これは、小学生の近視の割合からするとかなり低い数字で、眼科医の立場からも、安心できます。

しかしながら、小学生のコンタクト使用者の11%がオルソケラトロジーレンズを使用しているという報告がありました。

 

ここでは、オルソケラトロジーレンズの危険性について述べたいと思います。

^汰汗の問題

コンタクトレンズは日中装用するよりも、夜間、特に就寝中に装用する方が、角膜が低酸素状態になり、負担が強くなります(就寝時にコンタクトをつけることの危険性を書いたブログはこちら

さらに、角膜を圧迫して、角膜の形状を変えることを目的に作られたコンタクトレンズですから、角膜への負担はさらに強くなります


オルソケラトロジーの感染症で多いのが緑膿菌とアカントアメーバーと言われています。


緑膿菌は低酸素を好む菌で、アカントアメーバーはそれらの菌を栄養として増殖します。


どちらも角膜に侵入すると重症化しやすい感染症で、そうなると、視力の後遺症を残してしまいます。

日本コンタクトレンズ学会によるオルソケラトロジーのガイドラインでは「オロソケラトロジーの適応は20歳以上」

2009年に日本コンタクトレンズ学会はオルソケラトロジーによる治療を安全に使うための指針として「オルソケラトロジーのガイドライン」を発表しました。その中で適応年齢として20歳以上としました。

一部のオルソケラトロジーを扱っているところでは、アメリカでは許可されているということで説明しているところもあるようですが、それは、比較的軽度の近視に使用してもよいという許可が出ているもので、アメリカでは小学生に使ったデーターはほとんどありません。


にもかかわらず、日本では、主に小学生に積極的に使われているところもあるようです。


9盂曚兵N堵顱効果が十分でないことも

治療費やレンズの貸し出し代金として15〜30万円の高額な治療費を請求されて、トラブルになることもあります。

それで効果が十分に出ればよいのですが、夕方から夜間にかけての視力低下、コントラストの低下で満足されないこともあるようです。

さらに、オルソケラトロジーレンズを中止したあとに、裸眼視力が低下してしまったということもあるようです。


じ蹐辰神訶訴法

オルソケラトロジーレンズの使用で、近視の進行が止まると言ってすすめられることがあるようですが、それは実証されたデーターではありません。

それだけではなく、かえって、裸眼視力が低下することもあるのです。

さらには、トラブルを起こすと、眼鏡での視力も低下することもあり、将来、後遺症として残ることもあるのです。

以上のような点から、個人的には、小学生に対するオルソケラトロジーレンズの使用はおすすめいたしません。

使うのであれば、そのような危険性があることも理解したうえで、熟練した眼科専門医の指導のもと使われることをおすすめいたします。

 



関連ブログ

子供のコンタクトレンズはいつから可能?





 

参考文献:日本の眼科79「子供のコンタクトレンズを考える」宮浦徹より

参考サイト:日本コンタクトレンズ学会「オルソケラトロジーに対する警告」

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