時々、治ると思っていた病気が治らなくて困ることがあります。

ある日の外来にて

「先生にドライアイと診断されて点眼を頑張って使いましたが、あまり眼球のくしゃつきや違和感は改善してきません」(患者)

「まだ眼球に傷がありますね。矢印の先の白くなっているのが角膜の傷です。もう一度頑張って点眼を使ってお薬を使っていってください」(医師)

 

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「わかりました。もう一度頑張ってお薬を使って眼球をできるだけ乾燥させないようにします」(患者)

☆数週間後

「どうですか」(医師)

「まだ違和感がとれません」(患者)

「まだ傷が残っています。むしろ前回よりも傷が増えています。この通り角膜の傷に相当する部分が増えています」(医師)

 

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「(不満げな声で)えー。こんなに頑張って点眼をしていたのに」(患者)

「ちょっちょっと待ってくださいね」(医師)

「もしかしたら点眼の防腐剤が原因かもしれません。下の図のとおり、前回も今回も点眼をして点眼の最もたまるところに傷が付いていますので、点眼の防腐剤により眼球に傷ができた可能性があります。

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一度、防腐剤のない人工涙液に変えてみてようすをみてみましょう」(医師)

「(少し暗い声で)わかりました。今度も頑張って使ってみてみます。」(患者)

 

☆再度、数週間後に

「どうですか」(医師)

「(明るい声で)ずいぶんと楽になりました」(患者)

「あっ。本当に傷が治っています。このとおり、もう角膜の傷に相当する白くなっているところはありませんよね」(医師)

防腐剤治癒

 

 

 

 

 

 

 

「何が原因だったのですか」(患者)

頑張って点眼をしたのがいけなかったようです」(医師)

「(意外な声で)えー」(患者)


防腐剤は点眼の成分をいつもきれいに使えるようにほとんどの点眼に入っている成分なのです。

バイ菌をやっつけるために入っているのですが角膜の上皮に傷をつけてしまうことがあります。普段は点眼の防腐剤もすぐに涙で流されて影響することはほとんどないのですが、この方の場合は乾燥している目だったので長く防腐剤が角膜を刺激したものと思われます。

また、頑張って点眼するように指示したために、何度も点眼を行いさらに防腐剤の影響が強くなってしまい眼球の傷を悪化させたようです。

すなわち、皮肉にも頑張って点眼を行ったのが悪かったという結果になってしまいました。

上の写真のように点眼のたまるところに一致して傷ができていたので気がついて点眼をすぐに変えて早く治りましたがそのまま使い続けているともっとひどくなっていたのかもしれません。

点眼を使って違和感が改善しないとき、あるいは点眼を使っても症状がさらに悪化しているときにはこのようなケースも考えられますので、再度眼科を受診されてみてはいかがでしょうか。

特に、今回のようなドライアイの患者さんや、長く点眼をつづけられている緑内障の患者さんにもこのようなケースが多いようです

 

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