昔は、
『ハードコンタクトレンズはソフトコンタクトレンズよりも安全である』
と言われていましたし、自分もそう信じていましたので40歳くらいまではハードコンタクトレンズを愛用していました。


しかし、「日本コンタクトレンズ学会」と「日本眼感染症学会」が共同で行った調査では
『ハードコンタクトレンズは、重度の視力障害を残す危険性が高い』
という結果が発表されました。


それはコンタクトレンズが原因で角膜感染症を起こして入院された方の調査で、治療開始後3ヶ月たっても眼鏡やコンタクトレンズで視力矯正した視力が0.3よりも上がらない症例、すなわち重度の視力障害を残してしまった方には統計的にどのような傾向があるかを調べたものです。


その結果、統計的に『30歳以上』、『アカントアメーバー陽性』、『ソフトコンタクト使用者で消毒不良』の方が重度の視力障害を残した傾向が強いとのことで、さらに
『従来安全だと思われていたハードコンタクトレンズ装用者は、2週間交換の使い捨てソフトコンタクトレンズよりも7.33倍、重度の視力障害を残す危険性が高い』
という結果になったのです。


ただし、その結果からハードコンタクトレンズは性能的に劣っているというものではありません。
ハードコンタクトレンズは、今でこそソフトコンタクトレンズにシリコーンハイドロゲルが登場してからは酸素透過性も同じくらいになってきましたが、それでもグレードの上のものはさらに高い酸素透過性をもっています。

また、ハードコンタクトレンズは眼球にキズがつくと痛くて付けてられないため、我慢して使い続けることができないため重症になりにくいと言われてました。


しかし、使い捨てコンタクトはコンタクトを全部使い切れば眼科を受診して診察を受けて新しいコンタクトを購入するのに比べ、ハードコンタクトレンズは寿命が過ぎてもまだ使っていることがあり、定期検診を受けずコンタクトの調子が悪くなって初めて眼科を受診される方が多いようです

そのため、コンタクトレンズの劣化や眼球のわずかな異常も気付かず、症状が進行し治療が遅れて重い視力障害を残してしまったのが今回の結果の主な原因のようです。

ただし、ハードコンタクトレンズ使用者はもともと視力の出にくい円錐角膜や強い乱視の方が含まれているのも一因のようです。


ハードコンタクトレンズ使用者の方は、ソフトコンタクトレンズに比べるとより安全と思われ使ってられている方も多いかと思います。同時に行われた入院にまで至った患者の調査では頻度的には他のコンタクトレンズよりも少なかった報告され、これは従来から言われているハードコンタクトのほうが性能的には優れ、トラブルになりにくいことの裏付けであると思います。

それだけに油断して定期検査を受けてられない方も多いかと思います。


なくなれば眼科を受診して新しいコンタクトを購入する使い捨てのソフトコンタクトレンズと違い、何もなければハードコンタクトレンズの方は眼科へは自ら進んで受診する気持ちにならないかもしれません。しかし、今回の結果からもこのような重い視力障害を残さないよう、安心せず何もなくても定期的な眼科検診をお願いいたします。

コンタクトを買い取って使うのではなく、定額制のシステムを利用した方がより安全に使用できるといわれており、最近は定額制で利用する方が増えてきています(詳細はこちら)。


それ以外の項目の実態調査の結果はこちら


(以上、稲葉昌丸他、重症コンタクトレンズ関連角膜感染症調査からみた危険因子の解析. 日本コンタクトレンズ学会誌52:25-30、2010を参考に書きました)


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