「うちの子供はいつも暗い所で本を読んでいるので目が悪くなったんだと思います」 (お母さま)
ということをよく聞きます。
また、一方、
「うちの職場は照明が明るすぎて目が疲れて困っています」 (患者さま)
あるいは
「ショッピングセンターに行くとあそこは照明が明るすぎていつも目が疲れてしまいます」 (患者さま)
という患者さまもよくいらっしゃいます。
それでは暗い所で見るのと明るいところで見るのではどちらが目にとって悪いのでしょうか。
その要因には瞳孔の大きさが関係しているのです。
瞳孔には、ピンホール効果と言って瞳孔がある程度小さくなるとピントの合う幅が拡がりピントが合いやすくなる機能があります。その効果が維持できているとピントを合わせるための筋肉の負担が減り、目は楽にピント合わせができるのです。
これは小さな穴を通して物を見るとピントの合いやすくなることから実感できるでしょう。
しかし、暗いところでは瞳孔は大きくなり、このピンホール効果が得られないためピントを合わせる筋肉に負担がかかり疲れやすくなってしまうのです。
暗い所で本を読むと目が疲れるのはこのためです。さらにはこの筋肉が過剰に働くため人によっては近視の進行させる原因になります。お母さまの言われていることはこのことを言われているのです。
照明の位置が悪く手暗がりになったり、自分の頭で照明がさえぎられているときも瞳孔が大きくなり筋肉に負担がかかり、疲れや人によっていは近視を進行させる原因にもなります。
一方、明るすぎるのも目に悪いのです。
今度は明るなると瞳孔が小さくなります。これはピンホール効果にはよいのですが、光の回折がでて光がにじんで見えるのです。
光の解析とは光源に小さなを開けたものを通して光を投影すると周辺の光がにじんでうつることから実感できると思います。
そのときにも光のにじみを改善するためピントを合わせる筋肉が働いて、疲れや人によっては近視の進行させる原因となり、暗い所で見るのと同じ結果になってしまうのです。
それではどれくらいの明るさがよいかというとこれには個人差があります。
明るい職場で疲れやすい人でも同僚の方には何ともない人もいると思います。
その理由は、この症状は瞳孔の大きさに関係するためで、理想の瞳孔の大きさは回折が起こらない程度の大きさで、ピンホール効果が得られる程度の小ささがよく、それは瞳孔径3ミリくらいがよいと言われているのですが、照明の明るさと瞳孔の大きさは個人差があるためです。
そのため人によって理想の明るさが違います。
その明るさとは、まぶしくもなく見えにくくもない明るさです。これはご自身で試してみてください。
ただし、少なくとも、真っ暗な中で本を読んだりパソコンを行ったりはダメで、照明に自分の頭や手の影がうつっているのも疲れ目や人により近視を進行させる原因となります。
最後に、
「映画は真っ暗なところで何時間も集中しているですが、目にとっては大丈夫なのか?」
と聞かれることがあります。
それは大丈夫で、映画では遠くのほうにあるスクリーンを見ているので何時間見ても疲れないのです。
しかし、ご自宅でテレビやビデオを照明を暗くして見ている人がいますが、それがテレビまでの距離が近い環境で見ているときにはよくはありませんので、その場合にはお部屋の照明を明るくして見られたほうがよいと思います。 映画館でも最前列で見ると少し疲れた感じがするのもそのためかもしれません。
また暗いところで本を読むと近視の進行する原因となることが言われています。
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