花粉症の時期にはまぶたを腫らして来院される方が多くなります。

あるいは、アトピー性皮膚炎でまぶたの炎症が強くなり来院される方もいらっしゃいます。


アレルギー











まぶたの皮膚炎とステロイド眼軟膏について、文献によると次のような症例が報告されています。


●症例1:21歳男性。

症状時よりアトピー性皮膚炎にて近医皮膚科にてステロイドの軟膏を処方される。

中学生より皮膚症状が悪化し、全身に及んだため大量のステロイド外用剤を顔面を含む全身の皮膚に使用するようになった。

まぶたには途中からプレドニゾロン眼軟膏を使用。


皮膚炎加療中、右目が見えにくくなったと眼科を受診。

初診時

右視力=0.02(矯正不能)

左視力=0.02(矯正視力0.2


右眼圧=64mmHg

左眼圧=59mmHg

(眼圧正常値 21mmHg以下)



(以上、伊藤正ほか:ステロイド皮膚軟膏による緑内障.あたらしい眼科17(8)1101、2000 より)




●症例2:24歳男性。

視力低下と飛蚊症を主訴として受診。

右眼圧=38mmHg

左眼圧=35mmHg



原因不明の全身掻痒感のため、キンダベートを顔面に、ジフルプレドナート軟膏を体に、ともにステロイド軟膏1年間使用していた。


その後、眼圧を下げる点眼で、眼圧は正常化するものの、視野では、進行した後期の緑内障と診断される。


(西野和明先生。2015年日本緑内障学会抄録集より)


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以前もこのブログでも書きましたがステロイドの点眼で緑内障を発症することがあります(詳しくはこちら)。



しかし、まぶたに塗ったステロイドの軟膏も涙に溶けると目の中に入り緑内障を生じることがあるのです。

ある調査では、慢性皮膚疾患に対し、まぶたにステロイド軟こうを6カ月以上にわたり使用していた72例中4例(5.6%)に緑内障を発症していたと言われています。

上のような重篤なケースはまれではありますが、長期ステロイド軟膏を使用中の5.6%に緑内障が発症していたという頻度は決して無視できない数字です。


アトピー性皮膚炎やまぶたの湿疹を生じた方は皮膚科を受診することが多いと思います。


その時にステロイドの眼軟膏を処方されることも多いかと思いますが、皮膚科では眼圧のチェックを行うことができませんので、長期にわたりステロイドの軟膏を使用中の方は一度眼科で眼圧のチェックをされたほうがよいと思います。

進行した緑内障は決して元に戻ることはありません。ステロイドで眼圧が上がった場合、早期にステロイドを中止すれば眼圧は正常値に戻ると言われています。


以下はステロイドの主な眼軟膏です。

プレドニン眼軟膏、プレドニゾロン眼軟膏、リンデロンA眼軟膏、サンテゾーン眼軟膏、ネオメドロールEE眼軟膏、キンダベートなど



(関連ブログ)

花粉症の点眼薬で失明? 実際に起こりえる話です (ステロイド緑内障)

まぶたがカサカサしてかゆい。眼瞼湿疹でステロイドの軟膏で治らない時には、こんな時にはこんな治療も。


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