よく聞かれる質問に

『目はめればよいのですか? やせばよいのですか?』


湿布にも温湿布と冷湿布があるように状況に応じて使い分ければよいのですが、目はめたほうが良いことが多いようです。


昔、眼科の治療法のひとつに温罨法というものがあったくらいで、多くの眼科に目を温める器械があったと聞いています。


それでは、個々の目を温めたほうが良いケースについて説明させていただきます。



●ドライアイ

瞼のまつげの生え際の内側にマイボーム腺という油の出る分泌腺があります(青い矢印)。

マイボーム腺から出る油は、涙の表面に油層を作って涙の蒸発を抑えてくれています

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しかし、そこから出る油の少ない人は、涙の蒸発が増えてドライアイとなってしまいます。


特に、油の分泌が少なくなるのは女性中高年者です。




油の出る分泌は男性ホルモンが関与していますので、女性は油が不足しがちになりドライアイになります
女性がドライアイになりやすい詳しい理由はこちら)。

心配








一方、中高年者では徐々にマイボーム腺の油の出る開口部が狭くなり、分泌されるべき油が中で滞るため、中でどろどろとなった油が下の写真のようにまぶたの縁にくっついてしまいます。このどろどろとした油は眼球の表面に広がらずドライアイとなるのです(詳しくはこちら)。


マイボーム腺機能不全症

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そのため、油の出る分泌が悪い女性と、中高年の方でもよく瞼の縁で油が固まってくっつっく方は、目をめることでドライアイの治療の効果が上がるものと思われます。




●ものもらい(関西では:めばちこ)

ものもらいは、上のマイボーム腺などの油の分泌腺への感染や固くなったものです。

ドライアイの治療と同じで、このマイボーム腺を温めることで油の分泌が促され自然吸収しやすくなります。

自分が大学時代に使っていた時の眼科の教科書を改めて見てみると、霰粒腫の治療のところに温罨法というのが書かれてありました。

当時は、ものもらいの治療に専用の器械で目を温めて治療していたようです。

目を温めるのは、特別な器械を使わないとできないものではなく、ご自宅で入浴中にでも5分くらいものもらいの箇所を温めてもらうと同様の効果が期待できます。


いまでも、切開できない小さな子供さんにものもらいが残った時には、目をめることで吸収を早めています。

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●結膜下出血

sch6結膜の毛細血管が切れて内出血が起こることがあります(詳しくはこちら

このように目が真っ赤になってしまいます。

通常は、1-2週間で自然に吸収することが多いのですが、外見上を気になさる方が多く、早く吸収させたい方には出血直後は目を冷やして出血を止め、その後目を温めることを勧めています。


温めることで血流が促進され、出血の吸収が早くなります。


病院でも、注射や点滴の時に注射で刺した後の腕に内出血がでることがあります。その時にもまず冷やし、出血が止まっていることが確認できれば、その後は腕の部分に温かいタオルを当てて吸収を早くさせることを行っており、結膜下出血の治療でも原理は同じです。

結膜下出血で眼科を受診された時には、毛細血管が切れて数時間以上が経過していることが多く、出血はすでに止まっており目を温めることを推奨してます。



●老眼、目の疲れ

老眼は加齢によるピント合わせの調節力の低下ですが、温めることで血流が増えたり自律神経の副交感神経の働きが活発になり、今まで見えになかった近くのものにピントが合いやすくなります(詳しくはこちら)。 

ピント合わせの調節力の衰えは目の疲れの原因ともなり、目を温めることで疲れ目も改善します。

老視












2013安心1月号
●以上のことを、安心2013年1月号に詳しく書きました。また他の専門の先生も温めることでのメリットを書いています。

詳しいことをお知りになりたい方はご一読ください。











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