厚労省は2025年には、65歳以上の5人に1人に相当する高齢者が認知症になると予想しています。

今後、ますます緑内障を患っている認知症患者さんを治療する機会が増えてくると思われますが、その場合に、どのようにして正しく診察、治療できるかということを考えていかなければなりません。

説明1

小山田記念温泉病院の宇治幸隆先生たちは、緑内障と診断されている認知症患者さんについて調査を行いました。

その結果、施設に入所している認知症患者さんの約半数が視力検査をできず、同じく約半数が目の表面の細かい状態を診せてもらうことがができず、眼圧は全員測定できましたが、31名中14名が眼圧が正しく測定されませんでした。


緑内障の診察は、眼圧、眼底、視野検査が中心で、これらの結果からも、緑内障の検査が十分にできない現状で、ある程度の所見から緑内障が進行してきていると診断されれば、とにかくお薬で眼圧を下げておく必要があります。

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しかし、せっかく点眼を処方しても正しく点眼がされていないかもしれないという問題があります

同じ調査では、施設に入所している方31名中、27名が医療従事者(主に看護師)によって行われているようで、1名が家族が点眼をしている結果でした。

残り3名は患者さん本人に任せていましたが、点眼の時刻、回数などを理解されておらず、2名が眼圧の変動が大きく、看護師による点眼に変更されていました。

点眼の自己管理が難しく、誰かに点眼をお願いしなければならない現状で、処方する医師の側としては、合剤などのできるだけ介護するものの負担を減らす必要があります。

(以上、宇治幸隆ほか:緑内障患者における緑内障診療の状況.日本の眼科88:2017 を参考に書きました)

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