ある奈良県の眼科医が目について書いたブログ

眼科診療をしながら気がついたこと、最近気になったことを書いてみました

目の病気-花粉症、アレルギー性結膜炎

新型コロナウイルスCOVID-19により花粉症患者、ウイルス性結膜炎患者は減少?

2月15日から3月19日までの松本眼科に来院された、花粉症(アレルギー性結膜炎)とウイルス性結膜炎の1日の患者数を2020年と2019年で比較してみました。



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●花粉症(アレルギー性結膜炎)患者数

2020年・・・18人/日(前年比9人減
2019年・・・27人/日

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●ウイルス性結膜炎患者数

2020年・・・0.1人/日(前年比0.9人減
2019年・・・0.8人/日

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新型コロナウイルスCOVID-19の感染拡大により、外出自粛、手指の手洗い・消毒、マスクの装用、眼鏡使用(新型コロナウイルスCOVID-19は目からもうつると言われているため)で生活してられる方も多いかと思います。

新型コロナウイルスCOVID-19の目からの感染予防についてはこちら

新型コロナウイルスCOVID-19の目からの感染についてはこちら



これらの生活制限でつらい日々が続いていますが、一転、アレルギー性結膜炎(花粉症)、ウイルス性結膜炎の患者数は、これらの対策が幸いして前年比で減少していました。



社会不安で来院を控える患者様も多く、花粉飛散量も前年よりも少ないのはありますが(詳しくはこちら)、

マスクの装用率、コンタクトレンズから眼鏡への使用率が増え手洗い・消毒の敢行人ごみの多いところや、遠出を避けていることが、これらの病気が減ってきている原因である思います。

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眼科犬、アニーからのもうひとこと:今回の新型コロナウイルスCOVID-19の騒動でわかったこと:マスク、眼鏡は花粉症の症状の緩和に役立つワン!  手洗い・手指の消毒は、ウイルス性結膜炎の予防にもなるワンコ!




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新型コロナウイルスCOVID19になると結膜炎を発症する。しかしWHOのデータを見るとその割合は決して多くはありません

新型コロナウイルスCOVID19がわが国でも患者数が増え、マスコミは連日いろいろな情報を提供しますので、情報に過敏になりパニックになっている人もいるようです。

感染した患者さんが結膜炎を発症することをマスコミが報道し、結膜炎を発症するだけで、自分は新型コロナウイルに感染したのではないかと不安になり眼科を受診される方もいらっしゃいます。


それでは、新型コロナウイルス→結膜炎はどれくらいの頻度なのでしょうか?



2020
228日 WHOと中国の共同研究として新型コロナウイルスCOVID19についての緊急レポートが出されました 原文はこちら(p12に詳細):(英語)



その中で、
55924名の新型コロナウイルスCOVID19に感染した患者さんの症状についての最新のデータです(2020220日現在)




発熱87.6

18.6

のどの痛み13.9

頭痛13.6

筋肉痛・関節痛14.8

寒気11.4

悪心・嘔吐5.0

鼻詰まり4.8

下痢3.7

喀血0.9

結膜充血0.8




武漢に調査に入った感染の専門家が、北京に戻った後に結膜炎を発症し、そこから新型コロナウイルに感染していることが分かったという事例が報告され、新型コロナウイルスCOVID19の症状の一つとしての結膜炎がすごく有名になりましたが、全患者中、結膜炎を発症するのはわずか0.8です。


しかも、別の研究では新型コロナウイルスCOVID19を発症した人の中で、結膜にウイルスが存在したのは4.4で、それらの患者さんはすべて結膜炎を発症していなかったとのことです(原文はこちら:英語)


多くの方が混乱している理由は、アデノウイルスが原因となっている流行性角結膜炎、咽頭結膜熱(プール熱)は発熱を合併することがあり、インフルエンザも結膜炎を合併することがあります

症状が同じで非常に紛らわしいのですが、現在のところ、わが国に蔓延しているアデノウイルス、インフルエンザウイルスに比べると新型コロナウイルス
COVID19はまだまだ少なく、結膜炎を合併するのも0.8%とごくわずかですから、新型ウイルスに感染している可能性は非常に少ないと考えてよいでしょう。


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(流行性角結膜炎)




また、今は花粉症の季節で、結膜炎の症状が強く出ている方が多い時期です。

結膜炎を発症するだけで、まさか自分は新型コロナウイルス
COVID19に感染しているのではと不安になって眼科を受診される方が多く、2020227日日本眼科学会は「結膜炎の症状があるだけでは新型コロナウイルスCOVID19の診断はできません、肺炎がある場合に対応してください」と国民向けに声明を出しました(詳しくはこちら


確かに新型コロナウイルス
COVID19は恐ろしい病気で、過敏になる気持ちはわかりますが、ほぼ毎週のようにWHOや中国から科学的なデータが出されています。


先日も新型コロナウイルスCOVID19が結膜炎を発症するというニュースがネットで配信されていて、コメントを見ると

「結膜炎になって熱が出てきた。新型コロナウイルスか心配」

「結膜炎になったけれども、新型コロナウイルスかどうかを検査すべきでしょうか?」

とありました。


正しいでデータからマスコミに迷わされず、客観的に判断して、「正しく恐れる」「無駄に恐れない」で早くこの厄介な病気が終息するのを待ちましょう。





新型コロナウイルスCOVID-19と目について書いたブログ

新型コロナウイルスCOVID-19に接する医療従事者は目からの感染があり、ゴーグルでの予防が必要です


新型コロナウイルスCOVID-19は目からうつる?


新型コロナウイルスCOVID-19に対する眼科の院内感染に対する取り組み



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過去のデータから見た花粉症の傾向と対策:最も危険な日は? 年により程度に差は?

●花粉症の最も危険な日は? 


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過去7年間、松本眼科(奈良県大和郡山市)で記録している花粉症シーズンの花粉症患者数です。


各年の最も花粉症患者数が多かったピークの日です。

2013年:3月22日
2014年:3月8日
2015年:3月8日
2016年:3月4日
2017年:3月8日
2018年:3月9日
2019年:3月7日

(過去7年間の患者値からは最も危険な日は3月9日となります)

2020年の最新データはこちら



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環境省花粉測定システムより2017年、2018年、2019年の奈良市(奈良県産業振興総合センター)の花粉の実測値です

各年の最も花粉の飛散量が多かった日です。
2016年:3月8日 
2017年:3月23日
2018年:3月5日
2019年:3月5日  (2016年は当院の駐車場での実測値です)

3月後半にもピークがあるのは、ヒノキ花粉と思われます。

(過去4年間の飛散量からは最も花粉の飛散量の多いのは3月10日となりました。花粉症患者の最も多く来院する3月9日とほぼ一致します)






●年によって楽な時もあればつらい時もある?


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過去7年間、松本眼科で記録している年別の花粉症患者数です。


2014年と2019年は患者様にとってはつらい年となったようです。




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また、花粉の飛散量も2019年は多かったようで、花粉症患者の来院数の多かった年と一致します


多い年もあり、少ない年もあり、今後もこのような傾向が予想されます。


花粉症


今年は花粉症がひどい年なのか?

あるいは今はもうピークは越えたのか?まだなのか?

松本眼科では、つらいつらい花粉症で困っている患者様に少しでもお役に立てるよう、「奈良県の花粉症の状況と対策」のサイトを立ち上げ、リアルタイムでの情報を毎日更新しています







●科学的根拠に基づいた10の花粉症の新しい知見と治療2020



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眼科犬、アニーからのもうひとこと:これらの情報を生かしてくれると嬉しいワン!!




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科学的根拠に基づいた10の花粉症の新しい知見と治療2020

1.花粉症を根治させる唯一の治療は舌下免疫療法

現在のアレルギー治療は所詮は対症療法なのです!

お薬服用中はよいけれど、やめると症状が出て、毎年毎年、症状を抑えるためにお薬を使用する必要があります


しかも、抗ヒスタミン薬には眠気が出る、ステロイド点眼には眼圧を上げる、といった副作用があります(ステロイドの副作用についてはこちら)。


眠たくて集中できない、小さな子供にステロイドの点眼を使うのが心配。できたらお薬をやめたい。


そんなかたには花粉症の根治療法。舌下免疫療法があります。



毎日、花粉のエキスを服用して、花粉に負けない体質を作り、お薬を使わなくても症状が出なくするのが目的です。

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適応は5歳の小児から65歳の方までで、子供でも使用でき、症状が強く、強いお薬を使わなければならない子供さんにもよい適応と思います


治療開始後1年半での評価

完治した・・・10%
症状が半分になった・・・50%
症状が軽くなった・・・20%
変化なし、改善が見られなかった・・・20%


○通常は3〜5年治療を続けますが・・・

1年目に効果のあった方のさらに治療継続した時の評価

さらに症状が改善した・・・70-80%
症状が全くでなくなった・・・30-40%


舌下免疫療法の詳細はこちら








2.花粉症のお薬は症状が出てから使うよりも出る前から使った方が効果があります


飲み薬や点眼薬(抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬)の効果は使い続けていくとより効果が発揮されます。

お薬の効果のピークを花粉症の強い時期に持ってくる方法です(花粉症の初期治療)


「花粉が本格的に飛散する前から花粉症のお薬を使うと花粉症の季節が楽にすごせる」のです



東京女子医大のデータでも、抗ヒスタミンの点眼を花粉飛散開始2週間前から使っている人と花粉が飛散してから使った人を比べてみると、かゆみ、涙目、異物感、目やに、充血などのすべての症状で、花粉飛散開始2週間前から使っている人の方が花粉が飛び始めてから使った人に比べて症状が軽くすむという調査結果がでています

花粉症




花粉症の初期療法についてはこちら










3.花粉症の点眼薬で失明? 実際に起こりえる話です


平成13年10月26日朝日新聞からの医療裁判についての記事を抜粋したものです。

「訴状などによると、男性は高校生だった97年1月ごろから、結膜炎の治療のため、○○会が経営する△△病院に通院。処方されたステロイド剤の点眼薬によって緑内障となり、両目の視力が低下、視野の大半を失ったと訴えていた」


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これらのステロイドの点眼は、内科や小児科、耳鼻科でも、目のかゆみをとめるお薬として処方されていることがあります。また花粉症からくる瞼の湿疹には皮膚科の方でステロイドの軟こうが処方されることもあります。

眼圧が上がっていることを気が付かないで使っていると、視力を失うことがありますので、長期使われているのであれば、一度、眼科で調べてもらうことをお勧めいたします

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(眼科学会から眼科以外の科に出された注意喚起)



ステロイド緑内障についてはこちら









4.花粉症の症状の悪化させるのは、花粉だけではない。黄砂、PM2.5、ディーゼル、光化学オキシダントが悪化させる。そのため、洗眼とうがいが効果


東京女子医科大学の調査では、PM2.5と光化学オキシダントの多い日にアレルギー性結膜炎の患者数が増えると報告されています。

黄砂が多い日もアレルギー性結膜炎の患者さんが増えると多くの研究機関からも発表されています。


花粉情報だけではなく、黄砂、PM2.5などの状況も調べる必要があります


それに対して、東京歯科大学の調査ではアイボンによる洗眼が効果があると発表しています













5.倍の濃度の点眼薬が発売され、持続時間が倍になったと報告されています



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以前からあるアレジオン点眼液0.05%に対し、アレジオンLX点眼液0.1%が新しく発売されました。濃度が倍になり、効果の持続時間も倍になるので、点眼回数が1日2回に減り、点眼を嫌がる子供さんや忙しい方にお勧めです。

しかも、使用後調査の結果、効果は従来のものと同等にかゆみを止めてくれて、副作用もほとんどなかったとのことです。








6.スギ花粉症の方がスギの時期だけで終わるのはわずか19%


スギ花粉だけに感受性のあった方は、全体のわずか19%


ヒノキ花粉に対する感受性も持っていた方が、全体の65%


多くのスギ花粉症の方は、ヒノキ花粉の時期5月(関西)くらいまでは続くようです


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7.目やにでわかる目やにの原因。花粉症との鑑別


細菌性結膜炎

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(子供が風邪をひいたときに多い結膜炎です膿性の黄色や緑色の目やにが出れば細菌感染がおこっている証拠と考えて良い兆候です。ただしアレルギー性結膜炎やウイルス性結膜炎でも、二次感染が起こると黄色い目やにが出ることがあり注意が必要です)




アレルギー性結膜炎

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(花粉症に代表される病気で、かゆみを伴うことの多い結膜炎です。涙が多く、粘液性の目やにが出ます。細菌性と違い通常はこのように無色で粘液性の目やにです)




ウイルス性結膜炎

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(人に伝染する結膜炎です。このような線維素性の目やにが出ます。症状がひどくなると偽膜を形成するのもこの結膜炎の特徴です)









8.花粉症の時にコンタクトレンズユーザーにおこる巨大乳頭結膜炎

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コンタクトレンズユーザが、花粉症の時に、コンタクトレンズがすぐに汚れる、目がかゆい、目ヤニ、コンタクトレンズが上に上がる。

といった症状があれば、上の写真のようになっている可能性があり、眼科受診が必要です


お薬による治療だけではなく、コンタクトレンズの種類を変更、あるいは中止が必要な場合もあります








9.花粉症で目がかゆい、飲み薬には効果はあまり期待できない


抗ヒスタミン薬の飲み薬の主な適応症は、

  • アレルギー性鼻炎
  • 湿疹
  • 皮膚炎
  • じんましん
  • 皮膚掻痒症
  • 気管支ぜんそく

目がかゆくなるのはアレルギー性結膜炎で、抗ヒスタミン薬の飲み薬の適応症には入っていません。

アレルギー性結膜炎について適応症があるのは、目薬のみになります。


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10. 子供の花粉症は低年齢化の傾向


●気象情報会社ウェザーニュースによると、1万3947名の保護者の方に

『自分の子供や周りの子供の花粉症の発症年齢』を質問しました。


その結果、

0-3歳:17.4%

4-6歳:27.4%

7-9歳:17.5%



平均7.4歳となりました。



●また、京都市の7歳〜15歳までのアレルギー疾患の有病率は、

1996年:13.3% 
から

2002年:25.2%

へと著しく増加していました 



子供は花粉症にならない、という言葉は今や迷信になりつつあります。




子供写真


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眼科犬、アニーからのもうひとこと:犬でも花粉症になって、つらいワン!!




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体質改善によって花粉症を根治させる舌下免疫療法が5歳から可能になりました

毎年、春になると多くの花粉症患者さんが来院されます。

特に2019年は6年ぶりの花粉症の当たり年で(詳しくはこちら)、多くの患者さまが来院されました

特に子供さんはかゆくなると思いっきり強く目を書きますので程度の強くなる方も多く、まぶたを腫らして真っ赤な目をして来院される子供さんを多く診察します

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もちろんお薬を処方しますが、副作用の少ない抗ヒスタミン薬では改善しないことが多く、ステロイド点眼の投与をせざるをえないことがたびたびです(ステロイドの副作用についてはこちら)


未熟な子供さんに強いお薬を使わなければならないジレンマです




たとえ治っても、毎年繰り返します。


現在のアレルギー治療は所詮は対症療法なのです!





そこで、
「その時の症状の軽減から、最終的にお薬を使わなくても花粉症にならないようにする」根治治療を目指したのが、舌下免疫療法なのです(詳しくはこちら


すでに2014年から舌下免疫療法を行いすでに何名かの方が治療を終了しましたが、2019年のようにひどい花粉症の年でも誰も受診をされませんでした。 


お薬を使わなくてもよい花粉症に強い体質に変わったようです!



しかし、それまでの適応が12歳から65歳で、小児には行うことができず、毎年、掻きすぎてまぶたを腫らして来院される子供さんの治療に困っていました。



ところが、2018年からスプレー式から錠剤に変わり、5歳以上からの適応になりました



そして、ついに2019年5月から1回で1か月分の処方ができるようになりました
(それまでは2週間のみ)


また、スギ花粉だけではなく、ダニアレルギーに対しても舌下免疫療法が適応になっています


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眼科犬、アニーからのもうひとこと:


かゆさに苦しんでいる子どもを見るのがつらいワン!


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花粉症を悪化させるもの。そこからわかる花粉症の予防法

花粉だけではアレルギーをおこしません。

花粉の膜がいろいろな要因によって破け、アレルギー物質が出てきてアレルギーをおこすのです。 
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郊外の方が花粉が多いにもかかわらず花粉症が発症しにくいのは、郊外の花粉は膜が破けていないものが多いからで、それが都市部に移行すると、大気汚染物質によって膜が破けて多くの人にアレルギーをおこすのです。

地上の花粉が車で踏まれて破れるケースもあるので、都市部の方がアレルギーが強くなりやすくいのです


鼻もアレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を起こしますが、黄砂などの大きな物質は鼻毛でとらえられて未然に反応を抑えられますが、目の方はすべての物質が目の中に入ってくるのでより影響を受けやすくなります。


いろいろな要因がアレルギーをおこすものと考えられています

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(三村達哉:大気汚染物質とアレルギー性結膜炎.日本の眼科88(3):2017より抜粋)



以下は、アレルギー反応を強くする代表的なものです。



●黄砂

黄砂についている花粉が、黄砂の汚染物質により膜が破られてアレルギー物質が出てきます。

黄砂の飛来時期に結膜炎と診断された方を調べてみると、すべての方から黄砂が発見され、黄砂の量が多い方ほど、症状が強くなっていることがわかりました。




●PM2.5

黄砂よりも粒子が小さく、直接の損傷は少ないが、ディーゼル成分や化学物質を多く含むので、化学的に、結膜を障害しています。



●ディーゼル

成分が入ると結膜にアレルギー物質を増やすことが言われており、PM2.5の大部分がディーゼルが関係しているとされています。
東京や大阪などの大都市で、ディーゼル車排ガス規制が定められ、20年間で1/20以下と大幅に減少してきています。



●光化学オキシダント

窒素酸化物と炭化水素が紫外線により光化学反応をおこした汚染物質。

酸化作用が強く、花粉の膜を破り、さらに結膜が直接障害されて、アレルギーが強くなります。

低分子なので、マスクでの予防は難しい。



●予防法

東京女子医科大学の調査では、PM2.5と光化学オキシダントの多い日にアレルギー性結膜炎の患者数が増えると報告されています。

黄砂が多い日もアレルギー性結膜炎の患者さんが増えるという報告もあります。


ニュースやインターネットでPM2.5や大気汚染、黄砂の状況を判断して、マスクやゴーグルなどの予防の措置を取りましょう。

にもかかわらずアレルギー反応が強ければ、洗眼をすれば症状が改善すると言われており、うがいとともに行ってみてください。



(以上、三村達哉:大気汚染物質とアレルギー性結膜炎.日本の眼科88(3):2017を参考に書きました)

松本眼科の花粉シーズンの患者数(速報値)はこちら




高齢者の方のまぶたの皮膚が赤くなる:治療が不必要なのに、治療をしてかえって悪くしてしまっていることがあります

高齢者の方が、まぶたが赤くなったと言って来院されることがあります。

しかし、その中には治療しなくてもいいのに治療をしてしまってかえって悪くしてしまっているケースがあるので、要注意です。



●治療が必要なケース


多いのは湿疹で、その中でも皮脂欠乏性皮膚炎といって皮脂の欠乏によってまぶたがカサカサになってかゆみを生じ、そして湿疹へと発展していくケースが多いのです。



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このように、若いうちは皮膚の表面にある健康な角質が外からの刺激から守っています。




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しかし、加齢とともに皮脂の減少とともに、角質の脂が不足してかさかさしてきます(若い時のようにお肌がみずみずしさを失ってきますよね)。そうすると角質でブロックできずに抗原が皮下まで侵入し血管や知覚神経に作用し、かゆみを起こしてしまいます。

かゆいので思いっきり掻いてしまい、湿疹へと発展してしまいます。


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すなわち!!

皮脂の減少⇒ 角質の傷み⇒ 抗原の皮下まで侵入⇒ 血管や知覚神経への刺激⇒ かゆい⇒ 掻く ⇒ 湿疹⇒ さらなる角質の傷み⇒ 湿疹がさらにひどくなる 

といった、悪循環が起こってしまうので、すぐに治療をする必要があるのです。




一方、
●治療が不要なケース


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このような健康な角質も



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加齢とともに皮膚が延びて薄くなってきたため、皮下の毛細血管が透けて赤く見えることがあります。

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これらの写真は、他の医院でまぶたの湿疹と診断され、治療をしても治らないため受診された方のものです。


いずれも、皮膚がたるんで薄くなったため皮下の毛細血管が透けて見えているだけなので、治療をしても治ることはありません。

そればかりか、湿疹で使うステロイドの軟膏は長期使用で皮膚の色素沈着を起こすことがあり、かえって悪くさせることもあるのです。


湿疹との違いはかゆみや違和感があるかどうかです。

かゆみなどの違和感がなく、軟膏を使っても全く改善傾向がないのであれば、治療を中断して、改めて医師に相談されることをお勧めいたします。





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何度も結膜下出血を繰り返す生活習慣。目を酷使する作業や夜更かしなど

真っ赤な目をしてびっくりして来院される病気に結膜下出血があります。

実はあまり心配のない病気で、通常は1−2週間で吸収しますので放置しておいてもかまいません。

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結膜下出血の主な原因はこちら

結膜下出血の年齢別頻度はこちら



しかし、その間、目が真っ赤になりますので外見上が気になります。

できればおこしたくはありませんが、何度も繰り返すことがあります。


そこで、どういう方が結膜下出血を繰り返すのかを調べるため、3回以上結膜下出血を起こした方にアンケート調査を行いました。


その結果、


目を酷使する作業についている (40.5%)

夜更かし、寝不足  (23.8%)

肩こり  (9.5%)

過度の飲酒  (2.4%)




昔は飲みすぎが原因と言われた時がありましたが、じつは目を酷使することで出血がおこりやすくなるようです。


その理由はパソコンやスマホはドライアイの原因となり、目が乾燥している時に瞬きをするとまぶたと結膜がこすれることで血管が切れるようです。


そのためパソコンやスマホなど目を酷使する時には、点眼で目に潤いを与えながらするのが予防となるようです。



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目頭が痛くてかゆい、目がしらのピンク色の部分が腫れて赤くなっている。それは花粉症かもしれません。

花粉症の季節には、目頭が痛くてかゆいと言って来院される方がいらっしゃいます

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最初の写真がこの方の写真です。


次の写真はほかの方の写真。


比べてみると、目がしらのピンク色の部分が赤くて腫れているのがわかります。


ここの部分は涙丘といって、ここが腫れてくることが多いのはアレルギー性結膜炎。


花粉症の季節には一部の花粉症の患者さんで涙丘が腫れてきます。


そうすると、目がしらの部分に痛みやかゆみの症状が出てくるのです。


花粉症になっている方が、目がしらの部分にかゆみや痛みが出てくるのは涙丘に炎症が起こっているのが原因です。


特に小さい子供さんが、花粉症の季節には目がしらの痛みを訴えて来院されるケースが多いのです。


多くの場合は、目を強くこするのが原因です。

花粉症



目を強くこすることで、まつ毛が目の中に入り込んだり抜けたまつ毛が目の奥に入り込んだり白目が腫れてくることもありますので、目がかゆくなれば、早い目にお薬をお使って症状を抑えることをお勧めいたします。


これらの症状は、アレルギー性結膜炎の治療で改善しますのでご安心ください。



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目に出る花粉症の原因を調べるには、血液検査で抗体検査を調べるよりも、涙から調べた方がより正確にわかるようです

ある患者様が3月のスギ花粉の飛散の強いシーズンに目を真っ赤にして来院されました。


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「花粉症ですか?」


「そうだと思います」


「何の花粉ですか?」


「今はスギ花粉でしょう。血液検査を行いますか?」


「はい、お願いします」

・・・20分後・・・

「結果が出ました。スギの抗体は陰性でした」


「私はスギ花粉症ではないんですか?」



というケースが時々あります。


花粉症


東京女子医科大学東医療センター眼科の三村達哉先生は、

春に来院された季節性アレルギー性結膜炎の患者さまの血清の抗体の検査の結果、


スギ(68.8%)、ヒノキ(59.4%)の方が陽性反応を示しました。


一方、涙の中の抗体を調べてみると、

スギ(100%)、ヤケヒョウヒダニ(97.1%)、カモガヤ(88.2%)


で、必ずしも血液検査でスギの抗体が出ないからと言って、必ずしもスギ花粉症ではないとは言えないようです。


中には、目だけ花粉症の症状が出て、鼻やのどには症状が出ない方もいらっしゃいます。


目のアレルギーの原因を調べるには、血液から調べるよりも涙から調べるほうがより正確にわかるようです。


ただし、涙からアレルギーの原因を特定する検査は、すべての眼科で行っている検査ではありません。






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Takuya Matsumoto

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