ある奈良県の眼科医が目について書いたブログ

眼科診療をしながら気がついたこと、最近気になったことを書いてみました

目の病気-花粉症、アレルギー性結膜炎

体質改善によって花粉症を根治させる舌下免疫療法が5歳から可能になりました

毎年、春になると多くの花粉症患者さんが来院されます。

特に2019年は6年ぶりの花粉症の当たり年で(詳しくはこちら)、多くの患者さまが来院されました

特に子供さんはかゆくなると思いっきり強く目を書きますので程度の強くなる方も多く、まぶたを腫らして真っ赤な目をして来院される子供さんを多く診察します

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もちろんお薬を処方しますが、副作用の少ない抗ヒスタミン薬では改善しないことが多く、ステロイド点眼の投与をせざるをえないことがたびたびです(ステロイドの副作用についてはこちら)


未熟な子供さんに強いお薬を使わなければならないジレンマです




たとえ治っても、毎年繰り返します。


現在のアレルギー治療は所詮は対症療法なのです!





そこで、
「その時の症状の軽減から、最終的にお薬を使わなくても花粉症にならないようにする」根治治療を目指したのが、舌下免疫療法なのです(詳しくはこちら


すでに2014年から舌下免疫療法を行いすでに何名かの方が治療を終了しましたが、2019年のようにひどい花粉症の年でも誰も受診をされませんでした。 


お薬を使わなくてもよい花粉症に強い体質に変わったようです!



しかし、それまでの適応が12歳から65歳で、小児には行うことができず、毎年、掻きすぎてまぶたを腫らして来院される子供さんの治療に困っていました。



ところが、2018年からスプレー式から錠剤に変わり、5歳以上からの適応になりました



そして、ついに2019年5月から1回で1か月分の処方ができるようになりました
(それまでは2週間のみ)


また、スギ花粉だけではなく、ダニアレルギーに対しても舌下免疫療法が適応になっています


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眼科犬、アニーからのもうひとこと:


かゆさに苦しんでいる子どもを見るのがつらいワン!


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花粉症を悪化させるもの。そこからわかる花粉症の予防法

花粉だけではアレルギーをおこしません。

花粉の膜がいろいろな要因によって破け、アレルギー物質が出てきてアレルギーをおこすのです。 
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郊外の方が花粉が多いにもかかわらず花粉症が発症しにくいのは、郊外の花粉は膜が破けていないものが多いからで、それが都市部に移行すると、大気汚染物質によって膜が破けて多くの人にアレルギーをおこすのです。

地上の花粉が車で踏まれて破れるケースもあるので、都市部の方がアレルギーが強くなりやすくいのです


鼻もアレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を起こしますが、黄砂などの大きな物質は鼻毛でとらえられて未然に反応を抑えられますが、目の方はすべての物質が目の中に入ってくるのでより影響を受けやすくなります。


いろいろな要因がアレルギーをおこすものと考えられています

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(三村達哉:大気汚染物質とアレルギー性結膜炎.日本の眼科88(3):2017より抜粋)



以下は、アレルギー反応を強くする代表的なものです。



●黄砂

黄砂についている花粉が、黄砂の汚染物質により膜が破られてアレルギー物質が出てきます。

黄砂の飛来時期に結膜炎と診断された方を調べてみると、すべての方から黄砂が発見され、黄砂の量が多い方ほど、症状が強くなっていることがわかりました。




●PM2.5

黄砂よりも粒子が小さく、直接の損傷は少ないが、ディーゼル成分や化学物質を多く含むので、化学的に、結膜を障害しています。



●ディーゼル

成分が入ると結膜にアレルギー物質を増やすことが言われており、PM2.5の大部分がディーゼルが関係しているとされています。
東京や大阪などの大都市で、ディーゼル車排ガス規制が定められ、20年間で1/20以下と大幅に減少してきています。



●光化学オキシダント

窒素酸化物と炭化水素が紫外線により光化学反応をおこした汚染物質。

酸化作用が強く、花粉の膜を破り、さらに結膜が直接障害されて、アレルギーが強くなります。

低分子なので、マスクでの予防は難しい。



●予防法

東京女子医科大学の調査では、PM2.5と光化学オキシダントの多い日にアレルギー性結膜炎の患者数が増えると報告されています。

黄砂が多い日もアレルギー性結膜炎の患者さんが増えるという報告もあります。


ニュースやインターネットでPM2.5や大気汚染、黄砂の状況を判断して、マスクやゴーグルなどの予防の措置を取りましょう。

にもかかわらずアレルギー反応が強ければ、洗眼をすれば症状が改善すると言われており、うがいとともに行ってみてください。



(以上、三村達哉:大気汚染物質とアレルギー性結膜炎.日本の眼科88(3):2017を参考に書きました)

松本眼科の花粉シーズンの患者数(速報値)はこちら




高齢者の方のまぶたの皮膚が赤くなる:治療が不必要なのに、治療をしてかえって悪くしてしまっていることがあります

高齢者の方が、まぶたが赤くなったと言って来院されることがあります。

しかし、その中には治療しなくてもいいのに治療をしてしまってかえって悪くしてしまっているケースがあるので、要注意です。



●治療が必要なケース


多いのは湿疹で、その中でも皮脂欠乏性皮膚炎といって皮脂の欠乏によってまぶたがカサカサになってかゆみを生じ、そして湿疹へと発展していくケースが多いのです。



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このように、若いうちは皮膚の表面にある健康な角質が外からの刺激から守っています。




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しかし、加齢とともに皮脂の減少とともに、角質の脂が不足してかさかさしてきます(若い時のようにお肌がみずみずしさを失ってきますよね)。そうすると角質でブロックできずに抗原が皮下まで侵入し血管や知覚神経に作用し、かゆみを起こしてしまいます。

かゆいので思いっきり掻いてしまい、湿疹へと発展してしまいます。


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すなわち!!

皮脂の減少⇒ 角質の傷み⇒ 抗原の皮下まで侵入⇒ 血管や知覚神経への刺激⇒ かゆい⇒ 掻く ⇒ 湿疹⇒ さらなる角質の傷み⇒ 湿疹がさらにひどくなる 

といった、悪循環が起こってしまうので、すぐに治療をする必要があるのです。




一方、
●治療が不要なケース


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このような健康な角質も



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加齢とともに皮膚が延びて薄くなってきたため、皮下の毛細血管が透けて赤く見えることがあります。

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これらの写真は、他の医院でまぶたの湿疹と診断され、治療をしても治らないため受診された方のものです。


いずれも、皮膚がたるんで薄くなったため皮下の毛細血管が透けて見えているだけなので、治療をしても治ることはありません。

そればかりか、湿疹で使うステロイドの軟膏は長期使用で皮膚の色素沈着を起こすことがあり、かえって悪くさせることもあるのです。


湿疹との違いはかゆみや違和感があるかどうかです。

かゆみなどの違和感がなく、軟膏を使っても全く改善傾向がないのであれば、治療を中断して、改めて医師に相談されることをお勧めいたします。





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何度も結膜下出血を繰り返す生活習慣。目を酷使する作業や夜更かしなど

真っ赤な目をしてびっくりして来院される病気に結膜下出血があります。

実はあまり心配のない病気で、通常は1−2週間で吸収しますので放置しておいてもかまいません。

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結膜下出血の主な原因はこちら

結膜下出血の年齢別頻度はこちら



しかし、その間、目が真っ赤になりますので外見上が気になります。

できればおこしたくはありませんが、何度も繰り返すことがあります。


そこで、どういう方が結膜下出血を繰り返すのかを調べるため、3回以上結膜下出血を起こした方にアンケート調査を行いました。


その結果、


目を酷使する作業についている (40.5%)

夜更かし、寝不足  (23.8%)

肩こり  (9.5%)

過度の飲酒  (2.4%)




昔は飲みすぎが原因と言われた時がありましたが、じつは目を酷使することで出血がおこりやすくなるようです。


その理由はパソコンやスマホはドライアイの原因となり、目が乾燥している時に瞬きをするとまぶたと結膜がこすれることで血管が切れるようです。


そのためパソコンやスマホなど目を酷使する時には、点眼で目に潤いを与えながらするのが予防となるようです。



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目頭が痛くてかゆい、目がしらのピンク色の部分が腫れて赤くなっている。それは花粉症かもしれません。

花粉症の季節には、目頭が痛くてかゆいと言って来院される方がいらっしゃいます

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最初の写真がこの方の写真です。


次の写真はほかの方の写真。


比べてみると、目がしらのピンク色の部分が赤くて腫れているのがわかります。


ここの部分は涙丘といって、ここが腫れてくることが多いのはアレルギー性結膜炎。


花粉症の季節には一部の花粉症の患者さんで涙丘が腫れてきます。


そうすると、目がしらの部分に痛みやかゆみの症状が出てくるのです。


花粉症になっている方が、目がしらの部分にかゆみや痛みが出てくるのは涙丘に炎症が起こっているのが原因です。


特に小さい子供さんが、花粉症の季節には目がしらの痛みを訴えて来院されるケースが多いのです。


多くの場合は、目を強くこするのが原因です。

花粉症



目を強くこすることで、まつ毛が目の中に入り込んだり抜けたまつ毛が目の奥に入り込んだり白目が腫れてくることもありますので、目がかゆくなれば、早い目にお薬をお使って症状を抑えることをお勧めいたします。


これらの症状は、アレルギー性結膜炎の治療で改善しますのでご安心ください。



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目に出る花粉症の原因を調べるには、血液検査で抗体検査を調べるよりも、涙から調べた方がより正確にわかるようです

ある患者様が3月のスギ花粉の飛散の強いシーズンに目を真っ赤にして来院されました。


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「花粉症ですか?」


「そうだと思います」


「何の花粉ですか?」


「今はスギ花粉でしょう。血液検査を行いますか?」


「はい、お願いします」

・・・20分後・・・

「結果が出ました。スギの抗体は陰性でした」


「私はスギ花粉症ではないんですか?」



というケースが時々あります。


花粉症


東京女子医科大学東医療センター眼科の三村達哉先生は、

春に来院された季節性アレルギー性結膜炎の患者さまの血清の抗体の検査の結果、


スギ(68.8%)、ヒノキ(59.4%)の方が陽性反応を示しました。


一方、涙の中の抗体を調べてみると、

スギ(100%)、ヤケヒョウヒダニ(97.1%)、カモガヤ(88.2%)


で、必ずしも血液検査でスギの抗体が出ないからと言って、必ずしもスギ花粉症ではないとは言えないようです。


中には、目だけ花粉症の症状が出て、鼻やのどには症状が出ない方もいらっしゃいます。


目のアレルギーの原因を調べるには、血液から調べるよりも涙から調べるほうがより正確にわかるようです。


ただし、涙からアレルギーの原因を特定する検査は、すべての眼科で行っている検査ではありません。






花粉症で目をこすりすぎるとまつ毛が抜けて瞼の裏側に入ることがあります。その他、アレルギー性結膜炎の方が目をこするといろいろなことがおこります


下の写真は、花粉症で目がかゆいと言って来院された方の写真です。


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かゆくて目をこすると、こする力でまつ毛をまぶたの裏側に入れてしまうことがあります。


花粉症で来院された患者さまの多くに、このように抜けたまつ毛が発見されます。

当院である一定の期間で調べてみると、花粉症で来院された方の患者さまの中で、42%の患者さまの瞼の裏側に抜けたまつ毛が入っていました。



花粉症で目をこするのはよくありません。

●白目の粘膜が腫れてきたり・・・

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●まつ毛が内側に入り込んだり・・・

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●まぶたが腫れたり・・・

アレルギー


かゆくなればこうなる前にお薬でかゆみをとってあげましょう


(関連ブログ)

 


白目にできた水ぶくれ:リンパ管拡張症、結膜嚢腫、結膜嚢胞の治療法

白目にできた水ぶくれを訴え、受診されることがあります。

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これは、リンパ管拡張症(結膜嚢腫)といって、白目の表面の組織が中に入り込み液体がたまった状態です。


放置しておいても問題はありませんが、外見上や異物感を訴えるときには治療します。




治療は、


●点眼治療:


まずは炎症を抑えてみて症状が改善するかをみてみます。

これで治るケースもありますが、治らないことのほうが多いかもしれません。



●穿刺治療:


しかし、それでも治らない時には、針で嚢を突いて液を出します。


下の写真のように、針で突くと出血が起こり、目が赤くなりびっくりされますが、

1週間くらいは赤くなりますが、自然に吸収しますので心配はありません。


逆に出血した方がその部分の癒着が進むため、出血が多いほど再発しにくいとも言われています。



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●外科的治療

しかし、針で突いて一時的によくなってもすぐに再発される方がいらっしゃいます。



この方もリンパ管拡張症(結膜嚢腫)で当院を受診されました。

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針で何度か穿刺をして治療を試みましたが、場所が変わっただけですぐに再発しました。

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結局は、充血を強くさせただけでしたので、外科的に嚢ごと除去することにしました。

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このように嚢ごと取ってしまえば、再発することはありませんが、この方は大きかったのであと吸収する糸で縫いましたので、数週間充血が残りました。


結膜という視力には関係のないところを手術をしますので、視力には影響することはありません。


何度も穿刺をしてもすぐに再発される方、思い切って嚢ごと取ってしまった方がよいかもしれません。


  
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スギ花粉症を根本的に治す舌下免疫療法の治療開始1年目の結果報告

スギ花粉舌下免疫療法が2014年10月に発売され1年が経過しました。

舌下免疫療法についてはこちら



そこで1シーズン目終了時点で、主に大学病院にてその途中経過についてアンケート調査が実施されました。

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その結果、

とても効いた26%、

効いた33%、

やや効いた19%、

効かなかった4%、

わからない18%


でした。


通常、舌下免疫療法は1年目は効果がない、2シーズン目から効果が出るといわれていましたので、「とても効いた」「効いた」が治療開始1年目で半分以上あった結果は驚きです。



一方、舌下免疫療法を毎日できたか?

毎日できた84%

週に1回くらい忘れた14%

週に2回くらい忘れた2%




連日の舌下療法について

まったく負担ではなかった33%

それほど負担ではなかった54%

やや負担だった7%

負担だった6%




第64回日本アレルギー学会学術大会教育セミナーより


ただいま、松本眼科通院中の舌下免疫療法治療中の方は全員継続中です。

毎日の継続が大変だと思いますが、みなさん花粉症を根本的に治したいという強い意志があるようです。

  



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黄砂が目の中に入ると起こる主な目の症状ー目のかゆみ、充血

毎年、黄砂の季節になると目の不調を訴えて来院される方がいらっしゃいます。


それでは黄砂は目にはどのような症状をおこすのでしょうか?


ごろごろ?

充血?

かゆみ?

めやに?


花粉症

福岡大学の高良太先生たちのグループは、


結膜炎と診断された患者様の目の中の黄砂の量を測定。


黄砂が目の中に多く入っている方ほど、


目のかゆみ充血を訴えていることを発表されました。



異物感やめやにの訴えは、黄砂の少ないグループと差がなかったようです。



以上から、かゆみや充血を起こしている黄砂の関係する結膜炎は、アレルギー性の反応が関係していると説明されています。


そのため、黄砂が目の中に入ってもなんともない人がいる一方、少しでも入ると症状が出る方がいるようです。

 

 

PM2.5は花粉症の症状に影響を及ぼすか?

 
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