ある奈良県の眼科医が目について書いたブログ

眼科診療をしながら気がついたこと、最近気になったことを書いてみました

目の病気-白内障

白内障による睡眠障害、手術をすると改善するが半年で元に戻る。その原因と対策は

睡眠の質が悪くなる目の病気

1位:ドライアイ

2位:目の外傷

3位:白内障、白内障術後


vdt45


1位のドライアイは目がカラカラになるから、2位の目の外傷はやはり痛くて眠られないのでわかるような気がします。


しかし、白内障と白内障術後がどちらも同じくらいに不眠症の原因となったのには驚きです。


そこで、もう少し調べてみると、白内障手術をすると2か月くらいは睡眠の質がよくなるようで、そのころには平均20分も睡眠時間が増えるようです。しかし、半年くらいで手術をする前の状態に戻ってしまいます。

bed


睡眠をおこす要因の一つが目に入るブルーライト量の変化で、朝に太陽光のブルーライトが目の中に入ると目が覚めて、太陽が沈んでブルーライトが減弱すると眠たくなって睡眠が起こるのです。

スマホのブルーライトによる睡眠障害はこちら


しかし、白内障になると濁った水晶体でブルーライトがカットされ、その変化が少なくなり睡眠障害がおこります。

一方、白内障手術でブルーライトが目の中に入るようになって睡眠障害が改善されるのです。


にもかかわらず、半年で睡眠がまた悪くなってしまうのは、白内障手術によりドライアイになるためといわれており、ある調査では白内障手術をすると41%の方がドライアイになっていると言われています。


手術から数か月は術後の感染予防で点眼を使っている方が多くドライアイになりにくく、手術後安定して点眼をやめてからドライアイが顕在化して睡眠障害になってしまうようです。

点眼



ということは、手術をしてからよく眠れなくなった方は、点眼を使いドライアイを改善させることでよい睡眠が戻ってくると思います

 *****************************************************


ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら

 




緑内障患者さんが白内障手術をすると眼圧が上がるのか、下がるのか。

緑内障で通院中の方から、

「緑内障でも白内障の手術ができますか?」

と聞かれることがあります。 



もちろん緑内障の方でも白内障が進行してきて視力が低下してきたときには白内障の手術が必要になってきます。

9d12668f.jpg

東京医大の丸山勝彦先生たちは、点眼でコントロールされている16例25眼の白内障手術した後の眼圧とその後の点眼の継続の有無を調べました。


その結果、

緑内障治療前の眼圧が16.2mmHg

緑内障点眼により白内障手術前の平均眼圧13.3mmHg とよくコントロールができている、

16例25眼の方が白内障手術を受けた結果・・・



●白内障は手術で治り、おまけに眼圧も下がり緑内障の点眼を中止できた方:5眼/25眼


●白内障手術で白内障は治ったものの、また眼圧が上がりいったん中止した点眼を再開した方:20眼/25眼

(そのうち4眼が20mmHg以上の眼圧上昇)

点眼を再開した結果の眼圧13.3mmHg




これらのように白内障手術をして、眼圧が20mmHg異常まで上がった方が4眼/25眼いらっしゃいましたが、一方で、5眼/25眼の方が白内障手術後眼圧が下がって点眼が中止できました。


白内障手術は緑内障の方にとっても恐れることのない手術です。


白内障の手術を行って眼圧が手術前よりも下がることはよくあることです。


術後の炎症と眼圧を管理しておけば、眼圧がさらに下がって点眼を中止できる可能性もあるのです。



ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら


















 

白内障手術前後の精神状態の変化。手術により認知機能や抑うつ状態が改善する

済生会新潟第二病院眼科の安藤伸朗先生は

白内障の手術を受けた患者様の精神状態を調査し、

手術の前後での

  • 認知機能と
  • 抑うつ状態

について調べました。

blind


その結果、

白内障手術直後から視力と認知機能が改善し、抑うつ状態は1か月後に改善することがわかりました。




具体的には


術後1週目では

「近くが見えるようになっての行動力」

「遠くの見え方もよくなってきての活動性」

「心の健康」

「周辺視力」

「運転」

「色覚」

「社会生活機能」


が改善し、



術後1か月では

さらに

「健康観」

「自立性」

「社会生活機能」

「役割機能」

が改善したという結果となりました。

説明1


一方、抑うつ状態が改善しなかった方を調べてみると

糖尿病、悪性腫瘍、喘息や関節リウマチの慢性疾患、抗精神病薬使用者が多いという結果でした。



全身状態に何らかの不安を持っている方は、白内障手術を行っても抑うつ状態が改善しなかったという結果となりました。


白内障手術には、視力以外に様々な生活機能を改善する効果があることが証明されました。



(安藤伸朗:白内障手術の効果をQOLからみる.日本の眼科85:1273-1277.2014より) 


*****************************************************


ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら

 

 


 

レーシック(LASIK)手術を受けられた方は白内障手術が早期に必要になるかもしれません

白内障は主に加齢変化ですが、白内障が進行してきて見えにくくなってくると手術を受けます。


そこで、2014年 日本眼科学会総会にて 北里大学の 飯島敬先生たちは


LASIKは白内障にどれくらい影響するのか?


LASIKを受けると白内障が進行してきて手術をうける年齢が早くなるのかどうかを調べ、発表されました


白内障瞳孔


その結果、


LASIK手術を受けられている方の白内障手術年齢: 54.4才


全体の白内障手術年齢:71.2才


近視が強い方の白内障手術年齢:64.2才



という結果となりました。





なんと、LASIK手術を受けられた方は、17歳も早く白内障手術を受けられている結果となりました。




その原因として、


近視の強い方も7歳も早く白内障手術を受けられており、


近視の強い方は眼球の軸が長いために白内障になりやすいといわれています。


もともとLASIK手術を受ける前は近視があったわけで、それも一つの要因になります。



しかし、LASIKを受けられた方は、近視の強い方の手術年齢よりもさらに早くなっています。


その理由は、LASIKを受けられた方は、もともと眼鏡で矯正できない屈折の異常である高次収差が増加しているといわれています。


そこに加齢で白内障による高次収差が増えてくると、もともとあったLASIKによる高次収差がさらに強くなってきて、他の方よりもより早く見え方に影響したものと考えられています。



LASIKを受けられた50歳以上の方で、最近見えにくくなってきている方。


それは白内障かもしれません。


気になればお近くの眼科で診てもらった方が良いかもしれません。

LASIK(レーシック)手術によるドライアイ。ドライアイのある患者さまが手術を受ける時に注意すること


レーシック後のドライアイをあきらめないで! まだまだ治る可能性があります。それがジクアス点眼。

 


中高年の方のレーシック手術やコンタクトレンズ装用は要注意。眼精疲労や老眼の進行した症状を感じやすくなるからです。その理由は。



レーシック難民が苦しんでいる主な症状とその原因

実際にあったレーシック術後不調の症例



ブログのトップページはこちら 


松本眼科のホームページはこちら









日帰り白内障手術? それとも入院白内障手術? 入院の場合は何日くらい入院が必要? 最近の白内障手術の傾向

白内障手術を希望されている患者様からよく聞かれる質問があります

●白内障手術は日帰りが良いのですか?       入院が良いのですか?



●また入院であれば何日くらい入院が必要ですか?





患者様の体調や環境によって決めてもらえればよいのですが、最近の傾向として我が国のデータから紹介しますと、


白内障手術における日帰り手術の割合は、

平成14年度・・・31.7%

平成23年度・・・44.7%



この10年で日帰りで手術を受けられる方の割合が増えてきているのです。

正常瞳孔白内障瞳孔

 

 

 

 

 




日帰り白内障手術が増えてきた理由

手術技術の進歩が挙げられます。



●昔に比べると白内障手術は非常に短時間で終了

●切開する量も数ミリで済むため糸も使わず手術後の炎症も軽く、手術後に痛みを感じることはほとんどない

●手術後に使うお薬の量も期間も少なくなる傾向

●麻酔も多くの場合で注射から点眼へ



というふうに、

手術後はすごく楽になってきているので日帰りで手術を受けられる方が増えているのです。




しかし、日帰り手術した後は翌日から何日間は続けて通院する必要があります。


そのため入院を選ばれる方もいらっしゃいます。




入院手術を選ばれる理由は、


●体に重い病気がある (内科などの管理が必要)

●一人暮らしである (手術をした日に食事の用意など眼帯をした目で家事をするのが大変)

頻繁の通院が難しい (車を運転しないと通院が難しい、満員電車での通院が不安など)

家族が入院を希望している (家庭内に他にも介護の必要な方がいるなど)

手術をしないほうの目があまり見えていないので手術後の良いほうの目を眼帯した生活に不安がある (手術した当日は眼帯をする必要があります)

手術後の感染が怖い (手術後で一番怖い合併症は感染です)

かなり進行した白内障で手術時間が長くなると予想される (進行した白内障では切開を大きくする方法に変更されることがあります)




しかし、入院での白内障手術も入院日数が短くなってきています。

厚労省の患者調査によると

白内障患者の平均入院日数は

平成14年・・・8.0日

平成17年・・・8.3日

平成20年・・・6.5日

平成23年・・・4.0日


と白内障手術の進歩とともに短くなってきているのです。


患者さまの今おかれている環境で選べれてはいかがでしょうか。


日帰りでも入院でも白内障手術はすごく楽になっているのですからご安心ください。


(以上 山岸直矢ほか:白内障の医療費と眼内レンズ挿入手術件数 第2報.日本の眼科84:1467-1469.2013を参考にしました)

白内障と認知症の関係

白内障と交通事故

白内障手術をした後に色の感覚がおかしくなる原因

白内障の手術をせずに我慢すると眼底のほかの病気の発見が遅れることが

全世界の失明原因。 我が国では手術で治る白内障が、発展途上国では失明原因の1位。その理由は。

白内障の主な原因は老化。しかし、高齢なのに白内障が強くない人もいます。白内障が進行するタイプは?

視力は良いのに白内障が進行している?

お酒は目に良い? 悪い? 糖尿病や高血圧だけではなく、緑内障や白内障にも影響

白内障手術はいつする?  もしも我慢しすぎておいておくとこんなことが

白内障に良い食べ物? 厚生労働省研究班の調査結果です



ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら

 

まぶしいと感じる原因、 潜んでるいるまぶしいと感じる病気、まぶしさを感じる状況、自律神経、疲労、白内障や緑内障、ぶどう膜炎が原因のことも

●そもそも、人がまぶしいと感じるのは・・・


過度の光が瞳孔に入ると、瞳孔を縮める筋肉(瞳孔括約筋)が働きます。


われわれは瞳孔括約筋が急激に収縮したときに 『まぶしさ』 を感じます。



その瞳孔括約筋は自律神経に支配されている筋肉なので、自律神経の影響もうけます。


BlogPaint











●どのような時に人はまぶしさを感じるのか?


太陽の光を見た時:

太陽の光は通常の光よりも過剰に光量が多く、太陽の光を見ると急激な瞳孔括約筋の収縮が働き、はげしいまぶしさを感じます。
太陽








暗い映画館から明るい外に出たとき:

映画館のように暗いところでは瞳孔括約筋は完全に休んで瞳孔が散大し、その後明るい外に出ると、その反動でより強い瞳孔括約筋の収縮が起こり、普段以上のまぶしさを感じるのです。


夏の海岸に長くいてもまぶしさを感じない人が、食事が終わって再度海岸に戻ったときにまぶしさを感じるのはこのためで、周囲の明るさよりも、瞳孔括約筋がより動く、暗いところから明るいところへという環境の変化がまぶしい原因となります。




朝に家から外に出たとき:

また瞳孔括約筋は、自律神経の交感神経が働くときに休みますので交感神経が働く朝は瞳孔括約筋は休んでいるため、光を見るとより反動で強い収縮が働き、朝にはまぶしさを感じるのです。


光量が増える昼間よりも、太陽に高さが同じになる夕方よりも、朝にまぶしさを感じるのはこの交感神経の働きによるものです。




飲酒したとき:

飲酒をすると交感神経が働きますので、瞳孔括約筋が休んで瞳孔が散大しています。

アルコールが残っている朝には、特にまぶしさを感じるのはこのためです。
飲酒










パソコン、ゲーム、スマホを見て疲れた後:

近くを見ている時には副交感神経が働き、瞳孔括約筋を働かせます。

しかし、それが長時間続くと瞳孔括約筋も筋肉ですから働きが弱まって瞳孔が散大します。

目が疲れたときに、明るいところに出ると異常にまぶしさを感じるのはそのためです。

vdt45











中程度に視力が低下しているとき:

網膜にまで光が入らず、瞳孔括約筋は働きをやめて、瞳孔が散大しています。

この時に強い光が入ると、瞳孔括約筋にさらに強い収縮が働いてまぶしさを感じるのです。

ただし、逆に視力低下がさらに強くなると、強い光が入っても網膜にまで十分に光が届かないため、瞳孔括約筋に収縮が起こらずまぶしさを感じにくくなります。






ドライアイ、眼球の傷、汚れて傷んでいるコンタクトレンズや白内障:

ドライアイになると、目の表面に涙の載っているところと載っていないところに凹凸ができます。

また眼球に傷ができても目の表面に凹凸ができ、

汚れているコンタクトレンズや白内障も濁っている部分と濁っていない部分ができます。


そうすると目の中に入ってきた光が散乱します。

網膜の視細胞は中心にあって普段は明るい映像を見る錐体と、周辺部にあって暗い映像を見る杆体がありますが、


散乱した光は本来は暗いところで映像を見るべき杆体に届きます。


その杆体に、普段は感じることのない散乱した明るい光が届くと、瞳孔括約筋が過剰な収縮が働きまぶしさの原因となるのです。


BlogPaint















緑内障、ぶどう膜炎:

眼圧が異常に上がったり、ぶどう膜炎が生じると瞳孔括約筋の機能が低下しますので、瞳孔が散大して強いまぶしさを感じてしまいます。


特に小さい子供さんが異様にまぶしがるときには先天性緑内障の可能性がありますので、そのようなときには一度眼科を受診されることをお勧めいたします。


サングラスを選びときの注意点:詳しくはこちら




ブログのトップページはこちら


松本眼科のホームページはこちら





認知症に対する視力と白内障の影響

眼科の診察をしていると、ご高齢の方が白内障手術を受けたとたんにすっかり体調も回復し、


元気になっていかれる姿をよく経験いたします。


blind

淀川キリスト教病院の福嶋葉子先生たちは、認知症の患者様の手術をし、

その、日常生活の動作の状態が改善したケースを報告をされています。









患者様は85歳女性。

『難聴のため意思疎通も難しく、かつ視力障害もあるため日常生活動作にかなりの制限があった。


認知症もあり、手術時の安静の保持が困難と判断され、全身麻酔にて両目同時の手術が行われる。


術後から対面する医師の顔と性別を判断できるようになり、


術後3日目から車いすの移動は不要になり自立歩行で外来受診するようになった。


施設では、他人との会話や歌詞を見て歌を歌うことが可能となり、


食事・トイレも自立できるようになった。


家族からは手術前より笑顔が多くなり、補聴器を使っての会話が可能なことや、


服装にも気を配るようになったと喜ばれた。


と報告されています』

(以上、福嶋葉子 他:白内障手術の認知症の変化と手術時期の考察.淀川キリスト教病院学術雑誌25:23-25,2008より)





また、筑波大学の石井先生たちは、


白内障手術により、


高齢者の視覚に関係のある日常生活動作が改善するとともに、


認知症や抑うつ状態も改善した
と報告されています。


(以上、Ishii K, el al: The impact of cataract surgery on cognitive impairment and depressive mental status in elderly patients. Am J Ophthalmol 146, 404-409, 2008より)





このように高齢者の視力障害は、日常生活の動作を制限し、介護者の負担も大きくなります。



また認知症を有する場合、視力障害を意識せずに自ら訴えない場合もあり、


時々眼科を受診され白内障が進行していないかを調べられたほうが良いと思います。



視力障害の原因が白内障であれば、手術で高齢者の日常生活の動作の制限が緩和される可能性があります。



ただし、高齢者では多くの場合、全身疾患を持っているために、体力面からすべての患者様が手術ができるとも限りません。。



そのようなことを考えると、高齢者の方は体調が悪くなる前に 

進行した白内障があれば手術を積極的に受けておかれたほうが良いように思います。


(白内障手術適応についてはこちら)


そのほうが、今後なるかもしれない認知症を予防できるかもしれません。

(白内障手術は入院手術が良いのか? 日帰り手術が良いのか? 詳しくはこちら)




松本眼科のホームページはこちら

ブログのトップページはこちら







白内障と交通事故

以前、緑内障と交通事故について書きました。

緑内障の方で大きな視野欠損があっても、視力さえよければ免許が更新ができるため、

視野欠損を自覚せずに運転し、

大きな事故へとつながってしまうことがあります。

(詳しくはこちら)

運転










一方、白内障の方も免許更新ができても安心はできません。


白内障のあるドライバーは交通事故を起こす危険性が増すと言われています。



ある調査では、白内障患者さんは白内障のない人に比べ、

5年の間に過失による交通事故の経験が2.5倍多いことがわかりました。




白内障が出始めるとまぶしさ(グレア)を訴える方が多くなります。


そのため、白内障の方は部屋の中よりも明るい屋外のほうが見えにくくなる人が多いようです。




免許更新時の視力検査は室内で行いますので、


強い白内障でなければ、


免許は更新できます。




しかし、安心はできません。


実際の運転ではまぶしさのため十分に見えていないケースがあるのです。


BlogPaint












交通事故を起こした高齢者では事故を起こしていない人に比べ、

コントラスト感度が約8倍低下していると言われています。

(高齢者の色覚は?)





しかし、白内障の方が白内障の手術を受けると


交通事故を起こす危険性が0.47倍に減少すると言われています。


catope(白内障は白く濁った瞳。手術をすると黒い澄んだ瞳に変わる)













白内障のある方は運転免許更新できたからと言って

安全に運転できる保証はありません。



自らの身は自らで守らなければなりません。



特に長時間運転をされる高齢者の方で、

運転時に見えにくさを感じていれば

早いうちに白内障手術を考えてもよいと思います。

(白内障手術適応についてはこちら)



また高齢者の場合、白内障の進行は認知症にも影響があると言われています(詳しくはこちら)

(白内障手術は入院手術が良いのか? 日帰り手術が良いのか? 詳しくはこちら)


ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら




瞳孔の縁が白いと、20〜60%の確率で緑内障(落屑緑内障)になったり、白内障手術が難しくなります。これは高齢者に多く、コーヒーの愛好家に多いという報告が。

時々、このように瞳の縁が白くなっている患者様をみることがあります(下の2枚の写真)。



BlogPaintBlogPaint















下が白くない方の写真。


normal














その違いが判らない方のため、瞳孔の部分を拡大した写真です。pe1












瞳の縁だけではなく、瞳の中にも白い沈着物があるのがお分かりになると思います。


この白くしている沈着物質は落屑物質で、眼球の中で作られた老廃物です。

高齢者に多く70歳以上の5%にあると言われています。



この落屑物質は眼球の中の水の流出を悪くするため眼圧が上がり、落屑物質を持つ方の20〜60%に緑内障があります。



またこの落屑物質は白内障手術にも影響します。


落屑物質のため瞳孔が十分開かず術者は狭い範囲で手術を行わなければならず、さらに落屑物質は水晶体の支えにも影響して手術中にその支えがはずれてしまうと、人工水晶体の挿入が困難になってしまい白内障手術がうまくいかなくなってしまうのです。



ある研究では、この落屑物質は1日3杯以上コーヒーを飲む方は全く飲まない方に比べると1.66倍危険性が上がることをアメリカのLouis R.P先生が発表されてます。

(Louis R P et al:The Relationship between Caffeine and Coffee Consumption and Exfoliation Glaucoma or Glaucoma Suspect: A Prospective Study in Two Cohorts. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.53 6427-6433)


1日3杯以上はかなりのコーヒー愛好家のようですが、もしも患者様が70歳以上では注意が必要のようです。



ブログのトップページはこちら


松本眼科のホームページはこちら






白内障手術をした後、色覚がおかしい。青く見える。その原因は

白内障手術をした直後の患者様からの訴えに

●「よく見えるようになったが手術する前と比べると青く見える」


●「赤っぽく見える」


●「手術をした直後には鮮やかに見えたが、だんだんと普通になってきた」


というものがあります。

説明1








実際のデータでも、白内障手術をした方の17.2%の方が、手術をした後、『青色に見える』 『赤色に見える』 と訴えています  (市川一夫:色視症.眼科手術5:249-257,1992より)



●青く見える原因は?


水晶体老若











このような色覚の異常は、白内障が進行するとこの写真のように水晶体が黄色く濁ってきますが、人間が色を認識するときに青色と黄色は反対色の関係で、黄色の識別が抑制されるとそれを補うため目は青色の感度を上げて見ようとします。



また逆に青色の感度が抑制されると黄色の感度が上がるようにできているのです。

サングラス装用直後に景色が色がついて見えるのはそのためです。



白内障が進行した方が黄色くなった水晶体を通して白いものを見ても黄色に見えると言わないのは、自動的に青色の感度を上げることで黄色の感度の低下を補っているのです。



そこで白内障の手術をして透明な人工水晶体に置き換えると、黄色いフィルターが急にはずされるため、青色の感度が上がったままで見るので青く見えるのです。

しかし、約80%の方は手術をして2週間程度でこの色感度の異常は自然に消失しますが、デザイナーなどの色を扱う職業についてられる方が色の感覚が戻らなければ死活問題です。



そのため、そうならないよう最初から黄色の着色した人工水晶体で色の変化を抑える工夫もされています。

(以上、植田俊彦:眼のサイエンス 視覚の不思議.文光堂.東京.114-116, 2011 を参考にしました)


視力は良好なのに「手術をした直後鮮やかに見えたものが、日数がたって元に戻った」と感じる方がいるのは、手術直後に鮮やかに青く見えた見え方が本来の色覚に戻ったのが原因かもしれません。



改善しないときのサングラスを選びときの注意点:詳しくはこちら



(白内障手術は入院手術が良いのか? 日帰り手術が良いのか? 詳しくはこちら)


ブログのトップページはこちら

松本眼科のホームページはこちら


 

Profile

Takuya Matsumoto

訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

多くの方にご覧いただきありがとうございます