ある奈良県の眼科医が目について書いたブログ

眼科診療をしながら気がついたこと、最近気になったことを書いてみました

目の病気-成人の目

草刈り機使用中の目の事故。最悪失明することもあります

草刈り機の使用中に急に目の痛みを訴えて来院される方が増えています。


国民生活センターによると、刈払機(エンジン式・4枚刃の刈刃)を使用して約2~3cmの小石を接触させると、

小石は最速130km/hで、最長67.8mの距離


まで飛散するようです。

それが眼球に当たると、最悪、眼球を穿孔して失明することも考えられます。




3



それでは、草刈中のトラブルにはどのようなものがあったのか。

実際に松本眼科を受診された方の症状です。



症例1

草刈り中、左目に異物が入ったと来院。

矯正視力がが(0.1)に低下

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治療にて、3日後には(1.5)に回復







症例2

右眼に草刈り中に石が入ったと来院。

角膜に傷がついて感染がおこっていた。

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症例3

右目に草刈器の石が当たり痛みがあると来院


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症例4

左眼に草刈りで石が入って調子が悪い

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幸いに、視力の後遺症を残した方はいらっしゃいませんでしたが、最悪、失明することもあります。


対策

必ず、保護眼鏡をつけましょう。

近くに人がいる場所では、十分に飛散防止対策(距離を十分にとる、小石のある部分の草刈りを控える、特に目の位置が低い子供さんには注意)を行いましょう。


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飛蚊症を治すことができるようになりました。新しいレーザー治療(ビトレオライシス)が我が国でも。しかし、すべての飛蚊症が治るわけではありません

飛蚊症を治すレーザー治療(ビトレオライシスと言います)を紹介いたします。

我が国でも最近になって導入された新しい治療法です。

そのメカニズムを紹介する前に・・・


●そもそも飛蚊症の原因は?

(←若いうちの硝子体)


眼球の中にある硝子体が、加齢とともに縮んできます






その時にできた液体の空間に濁りが入ってきて網膜に影を作り、浮遊物が液体の中を浮遊するために、まるで虫が飛んで見えるのです



(ただし、網膜剥離の前兆であったり、ぶどう膜炎を併発していることもあり、飛蚊症を感じたならまずは眼科を受診されることをお勧めいたします)




●飛蚊症のレーザー治療(ビトレオライシス)のメカニズムは?

この濁りをレーザーで散らすのです。入院は必要はなく通常は20分くらいの治療です。数回治療が必要な場合もあります。


●費用は?

保険診療はできませんので、自由診療で約10万円くらいのところが多いようです。


●すべての飛蚊症が治る?

weiss ring と言って比較的大きな濁りのある方が対象になりますので、すべての方が対象になるわけではありません。


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●どこでやっているの?

まだ日本では一部の医療機関でしか行われていません。

遠方であって行きにくい時には、weiss ring がないと適応になりませんので、まず地元の眼科でweiss ring が存在するかどうかを聞いて見られても良いと思います。

ビトレオライシスを行っている医療機関

https://laser-vitreolysis.net/physician/




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ドライアイの点眼で、点眼後に一時的に見えにくくなるものがあります

ドライアイの中には、点眼後一時的にかすむものがあり要注意です。

それは、0.3%ヒアルロン酸点眼とムコスタ点眼です。


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muco



0.3%ヒアルロン酸点眼は従来の0.1%のものに比べると粘度が高く、そのために一時的に涙液層の分布を不均一にして、目の中に入ってきた映像を散乱させてかすみが出るようです。

ただし、従来の0.1%ヒアルロン酸の方はそのようなことは起こりにくいようです。

また、ムコスタ点眼は懸濁性で白濁しており、これが涙液と混ざって眼表面上に存在すると、散乱が起こって見えにくくなるようです。


ともに5分でかすみは改善しますので心配はありませんが、運転前や仕事中に使うときには注意が必要です。


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市販されている目のサプリメント。どんなサプリが良い? 医学的に実証されているデーターから自分に合ったサプリを選んでみては?

体に良い食べ物、だけど1日の必要量は毎日は食べてられません。

そこでサプリメントに頼るのですが、いろいろな目のサプリメントが発売されていますが、はたして本当に効果があるのでしょうか。

過大広告?

そこで、いろいろな目のサプリメントに対して医学的に実証されたデーターから、本当のサプリの効果、注意点を紹介させていただきます。



●アントシアニン

【特色】ポリフェノールの一種、いわゆるブルーベリー、ビルベリーに代表されるもの

【薬理作用】 々鎧晴什醉僂砲茲蟠い光を見た後の網膜の毒性を緩和  ▲團鵐板汗甬’修硫善

【医学的に実証されている効果】.灰鵐肇薀好抜凝戮上昇  ¬椶糧莽感、眼痛、目が重い感じ、不快感、異物感といった症状が改善

【注意点】 ビタミンCと一緒に服用すると効果が低下する

【主な商品名】ブルーベリーアイ(わかさ生活)、ブルーベリー(小林製薬)、ブルーベリーエキス(DHC)、ルテイン&ビルベリー(マルマン)など

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●アスタキサンチン

【特色】魚の赤身

【薬理作用】〆挧Δ鮓酸化から保護する(サプリメントの中では最高レベル) 抗炎症作用(プレドニン10mgに匹敵する) ピント調節の回復 つ名錣離汽廛蠅惑召泙任脇呂にくいが脳血液関門を通過  Ψ賣を改善

【医学的に実証されている効果】〔椶疲れやすい、目がかすむ、目の奥が痛い、しょぼしょぼする、肩がこる、腰が痛い、いらいらしやすい の項目で改善、 
【主な商品名】アスタリールACT(アルタリール)など

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●ルテイン

【特色】マリーゴールドなどの花やホウレンソウなど緑黄色野菜に多く含まれる

【薬理作用】ヾ稍譴硫斑色素を生成 ⇒害光線から黄斑を守る ブルーライトを吸収し、視細胞に過度のブルーライトが到達させない

【医学的に実証されている効果】_知霎黄斑変性症の予防(発症率65%に軽減:浸出型)白内障 コントラスト感度の上昇 い泙屬靴気侶攜

【注意点】効果には個人差がある。数か月ルテインを服用しても、血中濃度が上昇しないことや、黄斑の色素が増えないことがある(元々黄斑の色素が多い人には無効)。


【主な商品名】オキュバイトプリザービジョン(ボシュロム)、サンテルタックス(参天製薬)、ルテイン(小林製薬)など

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DHA、EPA


【特色】イワシやサバなど青魚など脂ののった魚に多く含まれる

【薬理作用】々咳蠑漂醉僉´⊃契厳豐蛭生の抑制作用 心血管保護作用 で梢牲亰亙欷邵醉
 
【医学的に実証されている効果】_知霎黄斑変性症(38%)の抑制効果がある △屬匹λ豈衢淦効果

【注意点】酸化、日光、湿度により変化しやすく製品によって効果が減弱していることがある

【主な商品名】オキュバイト50プラス(ボシュロム)、サンテルタックス20+DHA(参天製薬)、オプティエイドDE(わかもと)など





カシス

【特色】ベリー系のフルーツでビタミンCやアントシアニンが豊富

【薬理作用】緑内障で障害の起こる視神経乳頭への血流改善効果

【医学的に実証されている効果】緑内障で欠損した視野の改善効果

【主な商品名】カシス-i(明治)、クロセチン+カシス(DHC)、カシスa(わかさ生活)など

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松樹皮


【特色】松の樹皮から抽出した成分

【薬理作用】眼圧下降

【医学的に実証されている効果】緑内障(服用4週間目くらいから下がり始めます。さらに現在、緑内障点眼使用中の方でも眼圧が下がります)

【主な商品名】グラジェノックス(参天)

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熱中症で失明? 網膜静脈閉塞症はヘマトクリット値が上がると発症しやすい。ストレスやたばこ、血圧の高い人も要注意

ある日、急に見えなくなったと受診されました。

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この写真のように、広範囲に眼底出血が起こり、視力は低下していました。

病名は網膜静脈閉塞症。40歳以上の日本人の2.3%に発症する病気で、けっして珍しい病気ではありません。

医学書には、網膜の静脈が閉塞する病気で、主に高血圧が原因で50歳以上の方に生じやすいと書かれてあります。


しかし、この方は40歳代で高血圧もありません。


あれっ?


診察時に、病気の説明と今後の生活についてご説明しているときに

「今後、マラソンを続けて行ってもいいですか?」 

とお尋ねになられました。


あっ。これだっ!


実は、2007年福岡県久山町の疫学調査により、高血圧以外に、高いヘマトクリット値網膜静脈閉塞症の発症に関与することが示されました。



ヘマトクリット値は赤血球の濃度で、ヘマトクリット値が高い人は血液がドロドロしており、血の塊ができやすくなって血管の閉塞を起こしやすくなります。



この方は暑い中、連日ジョギングをして脱水をおこし、体内の水分量が減って相対的に血液の濃度が上がって眼底出血を生じたようです。

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ヘマトクリット値が上がるとその他の血管にも障害を生じ、70歳以上の高齢者がヘマトクリット値が52%を超えると脳卒中の発症が100%というデータもあります。同様に血管の病気である心筋梗塞の原因にもなります。


寒いところに起こるイメージのある脳梗塞や心筋梗塞も、実際のピークは6月から8月にあるようです。


夏場には発汗で血液の粘度が上がります。
太陽


ヘマトクリット値があがるのは、脱水以外にストレスやたばこも原因と言われています。


血液とは、血+液 です。液体成分が少なくなってくると血が濃くなってきます。

健康診断などでヘマトクリット値が52%を超えている方は、汗をかくとさらに血がどろどろになり、血管が閉塞しやすくなります。

夏の暑い時だけではなく、年中しっかりと水分補給を取りましょう。

健康のためにやっているスポーツも、この方のようにかえって健康を害することがあり要注意です。

ラグビー


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何度も結膜下出血を繰り返す生活習慣。目を酷使する作業や夜更かしなど

真っ赤な目をしてびっくりして来院される病気に結膜下出血があります。

実はあまり心配のない病気で、通常は1−2週間で吸収しますので放置しておいてもかまいません。

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結膜下出血の主な原因はこちら

結膜下出血の年齢別頻度はこちら



しかし、その間、目が真っ赤になりますので外見上が気になります。

できればおこしたくはありませんが、何度も繰り返すことがあります。


そこで、どういう方が結膜下出血を繰り返すのかを調べるため、3回以上結膜下出血を起こした方にアンケート調査を行いました。


その結果、


目を酷使する作業についている (40.5%)

夜更かし、寝不足  (23.8%)

肩こり  (9.5%)

過度の飲酒  (2.4%)




昔は飲みすぎが原因と言われた時がありましたが、じつは目を酷使することで出血がおこりやすくなるようです。


その理由はパソコンやスマホはドライアイの原因となり、目が乾燥している時に瞬きをするとまぶたと結膜がこすれることで血管が切れるようです。


そのためパソコンやスマホなど目を酷使する時には、点眼で目に潤いを与えながらするのが予防となるようです。



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レーシック手術は長期にわたって視力が維持できるのか?近視の戻り

レーシック手術が行われてから約20年近くが経過し、


「レーシック手術は、はたして長期にわたって視力を維持できるのか?」 


「レーシック手術をした直後はよいけれども、後から徐々に近視が戻ってくるのではないか?」


といった疑問が出てきています。




そこで、レーシック手術後の近視の戻りについて調べたデーターを紹介させていただきます。 


ある海外のデーターによると、手術前の平均近視度数が-7.27Dという強度近視97眼の手術直後に対する10年後の近視の戻りを調べたところ、10年間で-1.04Dの近視が戻ってきているとのことです。

0.25Dが眼鏡やコンタクトレンズの1段階ですから、10年間の間に約4段階もの近視が戻ってきているという結果でした。



宮田眼科の森洋斉先生は、レーシック手術を行って調子が良い方はその後眼科には通院しない。

そのため、主に調子の悪い方が多く含まれている可能性があり、統計上修正する必要があると考えました。


そこで宮田眼科で行ったレーシック症例579例1127眼で、データーの補正を行って解析を行いました。


その結果、10年間で-0.63Dの近視の戻りがあったとのことです。眼鏡の度数にして約2-3段階近視が戻るようです。


さらにその経過は術後6か月で近視化を認め、術後9年までは徐々に近視化する傾向があったとのことです。


(以上、森洋斉:レーシック後長期の視機能.あたらしい眼科33.1601-1602.2016を参考に書きました)

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レーシック手術後、徐々に近視が戻る原因はいまだはっきりとはされていませんが、術直後のようには見えなくなったと感じられている方は、近視が戻っている可能性があります。



●当院に実際に受診されたレーシック手術後の不調例

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飛蚊症を自覚しやすい季節

気温が上がってくると飛蚊症で来院される方が増えてきます。


当院でのこの一年の飛蚊症で来院される患者さまの月ごとの人数を調べてみました。


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その結果、やはり気温の上昇とともに飛蚊症で来院される方が増える傾向がありました。




その原因を考えてみます。

飛蚊症の原因についてはこちら



‐忙丗里留娉修気温の上昇とともに進行するから


 
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一般的な飛蚊症の原因は眼球の中に入っている硝子体というゼリー状の物質にあります。

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硝子体が縮んできてその液体の部分に生じた濁りが、多くの飛蚊症の本質なのです。



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さらに硝子体が牽引して網膜に穴をあけてしまうと網膜剥離へと発展するのです。





総合病院国保旭中央病院眼科の竹渓友佳子先生たちのグループは、季節ごとの網膜剥離の発症数を調べ、日照時間の長い季節に網膜剥離が発生する傾向があることを発表しています。


この結果からも、日照時間とともに硝子体の変化が進むようです。


また、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東などの海外のデータでも網膜剥離は夏に発症しやすい報告があり、日に当たると硝子体が変化しやすいという結論を裏付けるものでありました。


(竹渓友佳子ほか:裂孔原性網膜剥離症例数の季節変動と関連する気候因子の検討.あたらしい眼科31:1403-1406.2014より)




日差しが強くなると飛蚊症をより感じやすくなる

飛蚊症の本質は眼球の中の濁りが網膜に映る影です。


日差しが強くなれば、当然網膜に映る影も目立つようになってきます。

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飛蚊症は室内にいるときよりも、屋外にいる方が感じやすくなります。

暖かくなると外にいる時間が長くなるので、飛蚊症を感じやすくなっているのかもしれません。




網膜剥離に発展しないためにも飛蚊症を感じた時には眼科を受診されることをお勧めいたします。



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就寝時の姿勢で緑内障が進行することがあり、横になって寝る方は要注意

緑内障は視野のかけてくる病気ですが、その視野欠損の程度が右目と左目で違いのある方が体の姿勢を変えた時に、より視野が欠けているほうの目の眼圧が変動することが報告されています。

 
以前もヨガで頭を下げるポーズで緑内障が進行した方の症例報告がありましたが(詳しくはこちら) 、うつむいたときなど、姿勢を変えたときに眼圧が上がることは以前から言われています。


そこで、1日のうちでもっとも姿勢を変えている時間が長いのは、寝ているときです。


ある調査では、正常眼圧緑内障の方のうち、32.4%の方が横を向いて就寝しており、そのうち66.0%の方が視野障害が進行している悪いほうの目を下に向けて寝ているようです。


(以上、澤田明:緑内障進行と体位による眼圧変動.日本の眼科86:1584-1585、2015 を参考にしました)


このように、寝ているときの姿勢によっても緑内障が進行することがあり、もしも悪いほうの目を下にして寝ている方は、考えてみられてはいかがでしょうか

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(最低血圧が低い方ほど緑内障になりやすいといわれています:詳しくはこちら
(肥満な方ほど緑内障になりにくい:詳しくはこちら

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みんなが知っている目の病気は? 1位 老眼、2位 白内障、3位 緑内障だそうです

yahooニュースが40歳以上の男女312名に調査した結果、



聞いたことのある目の病気


1位:老眼 89.1%

老眼は調節力の低下とともに出現してきて、40歳くらいからそろそろピントが合いにくくなり、45歳を過ぎるとほぼ全員が、近くのものの見えにくさにこまっていると思われます。

40歳以上のアンケート調査では、最も話題になることのある目の病気なのでしょう。



2位:白内障 73.7%

40歳代でも白内障の発症率が40%があると言われており、年齢とともに

50歳代:65%

60歳代:75%

70歳代:85%

80歳代以上:100%

と、発症率が上がります。

当然、話題になることの多い病気でしょう



3位:緑内障 67.3% 

失明原因の第一位です。

40歳代2.3%、50歳代3.0%、60歳代7.9%、70歳代13.1%と年齢とともに増加し、最終的には失明に至る病気ですので、話題になることが多いのでしょう。



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