「地球温暖化は嘘」等の論理を東大(他)がアカデミックに批判する文書、無料公開

東京大学サステイナビリティ学連携研究機構が「地球温暖化懐疑論批判」を無料公開中です。
東京大学サステイナビリティ学連携研究機構は、東京大学を含む参加5大学と企画運営本部(IR3S)、および協力機関から構成されている組織。

そして「地球温暖化懐疑論批判」とは何なのかというと
人為起源の二酸化炭素排出を主な原因として地球規模で気候が温暖化するという、いわゆる人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的あるいは否定的な見解をとる議論が日本国内でも存在している。
<中略>
本稿ではこれらの議論から主な論点を拾い上げ、一方的な、あるいは間違った認識に基づくものに対して具体的な反論を行う。

と説明されている。更に目的として
様々な論点を整理し、 新たな知見や現在の状況などを紹介することによって、温暖化問題に関する建設的な議論を推進することの重要性は高いと思われる

と述べている。

確かに「温暖化の原因は人間の作り出す二酸化炭素じゃない」とか「実は温暖化しているのは一部で、世界全体として見ると気温は下がっている」などの話を見聞きした事がある。(誰がどこで言ってたとすぐに出てこないんだけど)
そういった「地球温暖化懐疑論」に対して、間違っている部分を明らかにして、地球温暖化の議論における基礎を固めるのが目的なんだろう。
かつて似非科学、疑似科学に対して菊池誠が立ち上がったのに似た責任感のようなものもあるのかもしれない。

この文書の中で扱われている事例には
「過去約2000年間の気温変動に比べれば、過去約100年間の温暖化は異常なものではない。」
「最近の温暖化は自然変動にすぎない」
「二酸化炭素の温室効果による地球温暖化はなく、気温上昇が二酸化炭素濃度上昇の原因である」

なんていう、どこかで聞いたような地球温暖化懐疑論がたくさん出てくる。

専門に研究している人達にとってはいくら基本的な事でも、私たちのような素人にはどの話を信用していいのか分かりにくい。
本格的に知りたい場合は論文をあたるのが確実だが、そこまではなかなか出来ない。

そんな素人にとって分かりやすい形で間違いを正して論点を整理してもらえるのは、とてもありがたい。
まだ少ししか読んでいないが、専門的な知識が無くても理解できるレベルで非常に分かりやすく書かれている。しかもこれが無料。
こういった議論を目に見える形で出してくれてるんだから、一般教養として読んでおくべきかも。
まあ無料なんだからとりあえずダウンロードしておいて、時間のある時に読めば良い。

地球環境問題関連書籍


関連リンク
IR3S/TIGS叢書No.1「地球温暖化懐疑論批判」
http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/sosho
東京大学サステイナビリティ学連携研究機構
http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/
明日香壽川・吉村純のパワーポイント発表資料(「地球温暖化に関する公開討論会」)
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/

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