孤独と孤高の狭間 其処に羆

カテゴリ: 森きらら

2018年7月21日撮影

森きらら のオスのニホンツキノワグマ 「豪詩(つよし)」 推定11歳
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12歳という話もありつつ・・・
平成19年6月11日、福島県猪苗代町で孤児として保護。
そのときの体重が 7.1Kgというので0歳ですね。
よって11歳ですね~、美海ちゃんと同い年。
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森きららには、平成21年6月17日に来たとのこと。
元気くんと入れ替わりだったんですね。

今回の訪問の第一目的は美海ちゃんでしたが
実は、この豪詩くんの印象が非常に良かった (*^^*)
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美海ちゃんと違ってプールに頻繁に入ります。
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ストレートに 「暑いから」 なのでしょうか?
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不思議な形のプールで、浸かって突っ伏せる設えがあり
このウトウトしている姿が何とも微笑ましい。
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美海ちゃんのプールと違ってコンパクトなサイズながら
深さや水嵩はドップリ肩まで浸かれるようです。
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プールに入るととても寛いでいるのが分かるのですが
行動にはパターンがあり、プールから出ると・・・
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美海ちゃんの運動場が見える格子窓へ直行!
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真剣! (笑)
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この窓のところで少し常同するんですけど
(ブレブレですみませぬ。)
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常同かぁ・・・なんて、しばらく見ていると、そのうちまたプールへ。
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プールに入ると寛いでいる感が濃い。
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けれど、そこは動物ですから、お耳は休まないんですね~。
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寝ていたお耳がミッキーマウス状態に。
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そして上がると窓へ一直線。迂回とか寄り道とか、しません。
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「美海~♪」
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左耳が美海ちゃん側に出てますよね (笑) 
そうまでしているのだから、美海ちゃんが見えているのかと思うでしょ?
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美海ちゃんは発情でもないようで、あんまり寄ってこないみたいです (笑)
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私は、肩まで伸びた月の輪の形が凄い!と思いながら見ていました。

でもね。
あるとき、格子窓の近くで座り込んでいる豪詩くん
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ピン! ときて、美海ちゃんを確認してみると・・・
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隙間からコンタクト取っていたみたいです。
私が気付いたのが遅かったので動画には映っていませんが
両側から同じ場所を引っ掻いていました。


ここ数年は同居させていないのだそうです。
生まれる仔グマを引き取れる施設の当てがないと同居もさせてあげられないと。
かと言って、発情期ではない季節に同居させ、発情期だけ別々にするのも
オスが、ずっと一緒にいたはずのメスが発情期に居なくなることで
むしろ荒ぶってしまうことがあるそうで、却って可哀想なのだと伺いました。

少し園内を回って戻ってくると、豪詩くんに人だかりがありました。
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朝からずっと動いていましたが、プールより前に出てきていたのはこの時だけ。
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嬉しそうな笑顔のわけは、関わりの深いヒトたちが来ていたからのようです。
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どういう関わりか推測の域を出ませんが
この笑顔は普通じゃありません、保護施設のスタッフさんたちかもしれませんね。
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豪詩くんの嬉しい気持ちが伝わってきて、見ているだけで幸せを感じます。
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これを見逃したら勿体なかった。いいタイミングで戻ってきた自分に拍手!!
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昼下がりを過ぎると、たまに姿が見えなくなることがありました。
探していると、一番奥の斜面を上ってくるではありませんか。
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何度か姿が無くなり、待っていると上ってくる・・・
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どうやら、この斜面の奥が出入り口のようでした。
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(3つとも違う場面です。)

上ってくると、写真が無いのですが実は中央に大きな岩があり、その陰で一度立つ、
そして、格子窓へ行くのでした (^^)
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窓際に立つ姿を美海ちゃん側から見ると、こんなです。
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そして、またプール。
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派手に水遊びしているわけでもなし、プールに浸かっているだけの姿なんて
どれも同じだろうと思うことなかれ。
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どのプールインも、どの写真も捨てがたい表情をしているでしょう?
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豪詩くんも、美海ちゃんと同じで、キズや禿げのない綺麗な熊です。
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女の子のように可愛いかも・・・ (笑)

行動には本当にパターンがあって、その繰り返しで一日が終わる感じ。
プールから出たら窓です、必ずです。
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プール → 格子窓 → 少し常同 → プール → 格子窓 
→ 奥の坂の下 → 格子窓 → プール → 奥の坂下 → 格子窓 →・・・
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玩具などは見当たりませんでした。

赤ちゃんの頃から、縫いぐるみや毛布などの人工物には興味を示さなかったそうです。
今でも、消防ホースより枝などのほうが喜ぶそうですが
決まったルーチンを乱すほどインパクトのある玩具となると難しそう。
エンリッチメントの給餌が軌道に乗れば、いろいろ違ってくるのかな。
秋以降、何か変化が起きるのか、知りたいものです。

そんなわけで、気持ちの優先順位は美海ちゃんが第一だったのに
逢ってみたらすっかり惹き付けられた豪詩くん。
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同居できないのは切ないけれど、頗る良かった表情が頭から離れません。

美海ちゃんも豪詩くんも笑顔、笑顔の森きららでした。


この日の美海ちゃんは、こちら 
   やはり!人懐こさが分かりました ~美海~


2018年7月21日撮影

佐世保の森きららに初めて行ってきました。
逢いたかったのはメスのニホンツキノワグマ 「美海 (みみ)」 11歳
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ご存じの方も多いとは思いますが
私は初対面なので紹介的覚書をしておきます。

美海ちゃんは、今は福岡市動植物園に居るオスの元気くんと双子です。
平成19年2月11日に、生後推定10日で保護、
旧いしだけ動植物園 (現 森きらら) に生後1か月で引き取られました。
保護地は長野県ですが長野の何処かはイマイチよく分からない(?)
母熊は、度々住宅街に現れ、山へ戻しても繰り返し出てきてしまい、敢無く駆除に。
巣穴を調べると目も開いていない仔グマが居た、それが美海と元気。
母熊は、子育てをするのにどうしても食べなければならなかったのでしょうね。
本当に、ヒトって何様なんだ?!と思います。

しばらく以前に 児童書「やんちゃ子グマがやって来た!」を読む機会があり
福岡の元気くんに双子が居ることを知りました。
なかなか行かれず、ようやく対面が叶ったという感じ。
どうしても逢いたかった美海ちゃんに逢いに、酷暑のさなか行ってきました。
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通常、ツキノワグマは4歳ぐらいから繁殖可能と言われますが
人工哺育で育つと成熟が早く、3歳ぐらいでも繁殖可能になるケースがあるそうです。
ふたりは雌雄の双子ですから、いつまでも一緒にしておくことはできず、
元気くんは平成21年6月17日、2歳4か月ほどで福岡市動植物園へ異動となりました。
今回の訪問では福岡市動植物園にも行きましたので、元気くんは別途更新します。

ちなみに。
多分、平成24年ごろだったと思うのですが
福岡市動植物園に 「誕生日2月2日」 の掲示が出ていたことがありました。
生憎写真に撮らなかったので証拠を挙げられないのですが
保護個体なのに誕生日が分かっているの? と大きな謎でした。
今回お話を伺って、2月11日に推定10日で保護ということから
引き算して2月2日を誕生日と考えたのではないか? という決着がつきまして
長年のモヤモヤがスッキリしました。

暑い日でした。
エンリッチメント的な試みもなく、昼間におやつもなく、
正直言ってブログにして映えるような楽しい行動は見られませんでした。
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聞けば、この秋から、昼間におやつをエンリッチメントとして
飼育員の解説つきで (土日のみか?) 実施するそうです。
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体調などには僅かな変化でも検査・診療を怠らず、展示せず休養させたり
他の動物たちも施設の定期的な消毒の実施、水を新鮮に保つ等々しているそうで
病気で亡くなる個体がとても少ないとのこと、素晴らしい。

ただ、ツキノワグマに関して感じたのは
児童書と当時の担当さんのお話から、仔グマ時代の手厚い飼育は分かるのですが
今は、ちょっと放っておかれているように見えました。
もう少しやりようがあるのでは?というのが率直な実感です。
美海ちゃんは人工物でも遊ぶそうですから、何か玩具の一つでも、
もう一頭いるオスの豪詩くんは人工物では遊ばないそうですから、太い枝の1本でも。
美海ちゃんのところにはタイヤが一つありましたが
「与えても遊ばない」 ではなく、「遊ぶような工夫」 をしてあげればいいのに。
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ま、初めて行った園で1日だけ見てとやかく言うのはよくありません。
秋にエンリッチメントの実施が始まれば様子も変わってくることでしょう。

暑いし、暇そうな割には、寝てしまうことがなかったですね。
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地面はコンクリートですが、夏の今でも、どの時間帯でも必ず日陰はあります。
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全く休まない状態を見るのもつらいので、これはこれで良かった。
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この時は寝ちゃうのかな?と思ったんですが
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寝入ってしまう様子は無く、短時間で起き上がっていました。
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他にも、出入口になっている岩穴で休むことも夏は多いんですって。
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この場所は天井の通気がよく、終日陽が射さないので地面も冷たいって。
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とても奥のほうで見え難いながら、薄暗がりで光る瞳はなかなかの感動もの。
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モートに頻繁に降ります。
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必ず後脚から降りるんですって。

どうしても見上げる視線になってしまうけれど
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上目遣いに覗き上げるのではなく、比較的真っ直ぐ上を見ていると思いました。
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ただウロウロと歩いている時間も長いのですが
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こうなると当然の展開として常同行動がみられまして・・・
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常同と言っても周回する円は大きめなのに、ターンでの反り返りは凄まじい (;^_^A
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“頻繁に降りる” ということは即ち “頻繁に上がる” ということ。
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つまり、ジッとしていないんです。
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常同は上でも、もちろん。
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この反り返りを見て、福岡の元気くんが旧運動場に居た頃を思い出しました。
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反り返るのは多くの動物に見られると思いますが
それを踏まえても尚、かつての元気くんの常同の仕方とソックリで驚きました。
 友情出演:福岡の旧運動場時代の元気くん
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夏毛ということもあって、美海ちゃん、結構スリムなんですが
それも以前の痩せていた頃の元気くんとよく似ています。
(元気くん、今はおデブくんです (笑) )
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推定体重80Kgぐらいではないか?とのこと。ちょっと大きいんですね。
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人懐こいことは間違いない。
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飼育さんたちは、担当動物の如何を問わず、通りがかりに声を掛けていきます。
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構ってもらえると思うようで、毎回すごく見つめているのが可愛らしかった。
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おやつを貰えると思っているようには感じませんでした。
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唯一遊んでいるふうだったのが水浴びでしょうか。
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水嵩が低いようで、お顔しか見せてくれなかったのは残念。
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仔グマ時代の担当さんが仰るには、
水は濾過して冷たい状態で循環させている (園全体でそうしている)と。
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けれど今年は濾過が追い付かず、満水に出来ていないというお話でした。
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それは真実なのでしょうが、別の飼育さんに水位の低さを訊いたら
「水は2日に1回入れ替えているだけ、2日目は少ない状態になっていることが多い」
って。う~ん・・・それも事実なんでしょうねぇ、言い方の違いにすぎない?
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お隣りの豪詩くんのプールのほうが満ちてました。
美海ちゃんのプールのほうが大きいから不利かも~!
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あまり水に入らないのかな?
入っているのを撮りたくて、かなり粘って待ちましたから。
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水切りしないのー? お尻に座り禿げ~♪
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プール繋がりで、プールに架けてある丸太を渡るGIF
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(アニメーションにならない場合はタップ・クリックしてください。)

これは何度も渡ってくれて
何故か動画を録らなかったのでyoutubeなのに6秒で終わるスライドショーです。



それにしても、目がキラキラしていますよね。
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絶対退屈だと思います、何か一つでいいから工夫してあげて欲しいけど
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飼育さんが通るたびワクワクしているんじゃないかな・・・。
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決して、遊んでもらえるという具体的な期待とかではなくて
飼育さんが自分に足を止めてくれることが単純に嬉しいんじゃないのかな・・・。
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お隣りにオスの豪詩くんがいて、ふたりの間には美月ちゃんという娘がいます。
美月ちゃんは平成24年1月29日生まれ、自然哺育で美海ちゃんが育てました。
H27年7月15日というから3歳のときですね、沖縄こどもの国 へ行きました。
沖縄こどもの国では、以前飼育していたエゾヒグマ 「ナナ」 が37歳で大往生し、
空いた熊舎に美月ちゃんが迎え入れられたということです。
たしか、美月ちゃんは沖縄で園内脱走したことがあった記憶が・・・(笑)
大事件にはならず、それを機に施設整備ができて結果オーライだったようですが。

豪詩くんは美海ちゃんのことが大好き。
その豪詩くんは、次回の更新でUPします。

毛並みもよく、キズやPetit禿げもない美しい熊です。
福岡で元気くんに初めて逢ったとき
お顔に「ヒトが好き」って書いてあるなぁ、と思ったんですよ。
双子の美海ちゃんも人懐こさが全身から溢れ出ています。

保護されざるを得なかったことは不幸なことだけれど
此処で幸せな仔グマ時代を過ごしたのだと実感できました。
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エンリッチメントが軌道に乗った頃、再訪できれば良いのですが~。


この日の豪詩くんは、こちら
   美海ぃ~!! ~豪詩~

翌日に行った福岡市動植物園の元気くんは、こちら
   どすこい!元気な元気くん
   元気くんに「飼育員特製の氷をプレゼント」


今回、森きららへ行くにあたり
1頭ごとに運動場があることを知らなかったので
交替サイクル(時間交替、日替わり交替など)を園にメールで質問しました。
ご回答で、保護当時の担当飼育さんからお話を伺えることになり
真崎様がお時間を作って下さり、当時の写真なども拝見しました。
田頭様、真崎様、大変お世話になりました。
ありがとうございました。


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