文部科学省の「全国学力テスト」事業を巡って、今年2月の入札説明会で、競争入札への参加を検討している業者が、国費を投じて開発された「採点・集計システム」を見たいと要望したところ、文科省から、このシステムを昨年まで使っていた「内田洋行」(東京都)と「ベネッセコーポレーション」(岡山市)の意向を理由に、断られていたことがわかった。

 24日の入札では、中学校分と小学校分の事業はそれぞれ「1社入札」となり、両社が落札した。文科省の対応が新規参入の障壁になった形で、「落札価格の高止まりを招く」との批判も出ている。

 このシステムは、全国の児童・生徒のテストの点数をコンピューターで集計・管理するプログラムで、中学校分は2008年度に約2億円の国費を、小学校分は07年度、同じく約3億5000万円の国費を使って内田洋行とベネッセがそれぞれ開発した。著作権は文科省に帰属している。

 文科省によると、2月23日の入札説明会では、教育関連企業など7社の担当者計11人が出席し、新規参入を希望する業者が「システムを実際に操作してみたい」などと要望。同省の担当者はこれを受けて、システムが、それぞれ内田洋行とベネッセの社内に設置されていることなどから、両社に他社からの要望があったことを伝えた。

 しかし両社はともに同月25日、施設内にある企業秘密の漏えいや不正アクセスの恐れを理由に「対応できない」と回答し、同省も翌26日、説明会に参加した各業者に対して、システムを操作することは「情報管理上の問題があり、開示できない」などと伝えたという。

 学力テスト事業の入札は、価格の比較だけでなく、技術審査も加えた「総合評価落札方式」で決まり、システムの運用を含めた「技術点」ですべての必須項目(基礎点)を満たさないと落札の資格がない。

 同省によると、2月の説明会でも、新規参入を希望する複数の業者から「システムを見られないと具体的な技術提案書が書けない」という声があがったという。

 実際、3月24日午後に実施された2010年度の学力テスト事業(予算規模約20億円)の入札では、中学校分が内田洋行、小学校分もベネッセしか参加せず、いずれも両社が落札した(落札価格は24日段階では非公表)。同事業の入札は3年連続で両社が「1社入札」で落札している。

 今回の対応について、文科省は、既存業者と新規参入を希望する業者との間に情報格差があることは認めた上で、「他に代替措置がとれなかったのか検証したい」としている。内田洋行とベネッセは「入札手続きについてお答えする立場にない」としている。

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