民主党政権発足後初の党所属国会議員の逮捕で、鳩山由紀夫首相は18日の通常国会開会を目前に控え、政権発足後最大の危機に直面することとなった。石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=は、予算編成などで政権運営の実権を握る小沢一郎幹事長の元秘書で、しかも小沢氏自身の資金管理団体を巡る逮捕とあって、小沢氏が幹事長職の進退について判断を迫られる事態も予想される。

 鳩山首相は15日夜、石川議員の逮捕について「大変驚いている。捜査の状況が分からないので、事態の推移を見守りたい」とのコメントを出した。報道各社の求めに応じ、秘書官を通じて発表した。

 鳩山政権の実権を握る小沢氏に対し、政府・民主党は批判を控えて「沈黙」を守り、首相は幹事長続投を支持してきた。それでも今夏に参院選を控えて内閣支持率の下落傾向が続くなか「説明責任を果たすことが大事だ」(前原誠司国土交通相)と説明を求める声が上がり、批判的な空気も広がりつつあった。石川議員の逮捕はそんな党内事情を直撃した。

 党内から小沢氏の幹事長辞任を求める声が高まるのは必至だが、検察との「全面対決路線」を貫いてきた小沢氏が辞任にすんなり応じる見通しはない。16日に開かれる民主党大会で、小沢氏がどう説明するか注目される。

 鳩山首相自身の偽装献金問題に対し、世論の風当たりが再び強まる可能性も強い。首相は15日朝には公邸前で記者団に「この問題も私自身の問題も(昨年8月の衆院)総選挙の前から出ていた。にもかかわらず民主党を国民の多くに選んでいただいた」と語っていたが、夕方には「選挙ですべてみそぎが終わったと胸を張るつもりはない。反省すべきところは反省しなければならない」と軌道修正した。

 鳩山政権は「政府は鳩山首相、党務は小沢幹事長」の役割分担で運営されてきた。石川議員逮捕で小沢氏の立場が弱まれば、政権運営の不安定化は避けられない。【上野央絵】

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