時事通信社の政治部記者だった森田一樹さん=当時(36)=が1997年に死亡したのは、過重な労働が原因だったとして、父一久さん(79)=岡山市=が国に労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、死因となった糖尿病合併症との因果関係を認めず、請求を棄却した。
 判決によると、一樹さんは97年3月ごろ糖尿病にかかり、5月25日ごろ合併症の糖尿病性ケトアシドーシスを発症、6月3日に死亡した。死亡まで半年間の時間外労働は月平均で約134時間、直前の1週間は1日平均約5時間だった。
 渡辺弘裁判長は「業務のストレスが発症に関与したことは否定できない」としたものの、「発症とストレスとの関係について、確立した医学的知見があるとは言えない」と判断した。
 多忙で治療機会を失ったとの原告側主張についても、一樹さんが海外出張から帰国した5月には病院で受診できる状況だったと退けた。
 一久さんが99年に労災申請したが、中央労働基準監督署は認めず、遺族補償などの不支給を決定していた。
 原告側の玉木一成弁護士は、判決後の記者会見で「労災が認められる脳・心臓疾患でも、ここまで厳格な医学的知見は求められていない」と批判。一久さんは「無念でたまりません」と話した。
 千葉良樹・中央労働基準監督署長の話 国の主張が認められ、妥当な裁判だ。
 時事通信社社長室の話 社員の死亡を厳粛に受け止めており、今後とも健康管理に十分気を配るよう努める。 

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