奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」で肝臓手術を受けた男性患者(当時51歳)が死亡した事件で、同病院がこの男性だけで少なくとも約300万円の診療報酬を得ていたことが病院関係者への取材で分かった。肝臓手術だけなら約100万円だが、不要な治療を重ねた結果、3倍にふくらんでいた。県警は、業務上過失致死容疑で再逮捕された理事長で医師の山本文夫容疑者(52)らが、男性を診療報酬稼ぎに利用していたとみて調べている。

 捜査関係者によると、男性は06年1月、慢性肝炎の疑いで山本病院に転院。既往症がないのに、カルテには血管を拡張するための心臓カテーテル手術を受けたと記載されていた。男性の遺体は既に火葬されており、実際に手術を受けたか確認できないが、約100万円の診療報酬が請求された。

 男性は06年3月、肝臓に腫瘍(しゅよう)が見つかったが、CT(コンピューター断層撮影)検査で良性と判明した。しかし、血管造影検査など検査約10回、血管にゼラチンスポンジなどを流し込む「肝動脈塞栓(そくせん)療法」(TAE)などをした後、6月16日に摘出手術をした。

 病院関係者によると、診療報酬は肝臓手術の約100万円のほか、検査やTAEで約100万円。男性が転院してからの請求額は少なくとも計約300万円に上った。

 山本容疑者の助手を務めた塚本泰彦容疑者(54)は調べに対し、山本容疑者から「『肝臓がんということにして手術をしようや。もうかるで』と言われた」と供述。山本容疑者は動機などについて供述していないが、捜査関係者は「肝臓手術は、診療報酬を稼ぐ目的に加え、やったことのない手術を成功させて医師として名を上げたかったのかもしれない。そうすれば患者を増やせる」と話している。【上野宏人、高瀬浩平、大森治幸】

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