2005年06月07日

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◆再検討された人権救済法案を眺めてみる

最新の民主案が公開されました。
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案[江田五月 新たな出発]

というわけで見てみますよー。



以前ボロクソに書いた【人権擁護法案】 民主党案はどれくらいヤバいのかも置いておきます。


人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案 2005年6月1日
第三条 何人も、他人に対し、次に掲げる行為その他の人権侵害をしてはならない。

二 次に掲げる不当な差別的言動等
イ 特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動
ロ 特定の者に対し、職務上の地位を利用し、その者の意に反してする性的な言動
前は「特定の者に対し」がついていなかったようでしたが、今回はきちんとついていますね。
というか1条から3条まで自民案と変わらないわけですけど。

変わるところといえば、第二条で定められる「人種等」の定義に、「年齢」、「色覚異常」、「遺伝子構造」の三つが加わっていることでしょうか。
これらがどのような影響を持つのかは分かりませんが、「年齢」はどこかで違いが発生しそうです。



次いで中央人権委員会の人選。

ビフォー
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案大綱
委員長及び委員の任命に当たっては、男女いずれか一方の数が3名未満とならないように努めるとともに、NGOの関係者、人権侵害を受けた経験のある者等を入れるように努めるものとすること。

アフター
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案[江田五月 新たな出発]
第十一条 2 前項(委員長及び委員のこと)の任命に当たっては、委員長及び委員のうち男女のいずれか一方の数が三人未満とならないよう努めるとともに、委員のうちに人権の擁護を目的とし若しくはこれを支持する団体の構成員又は人権侵害による被害を受けたことのある者が含まれるよう努めなければならない。

うはwww露骨になりすぎwwww
とVIP風に煽ってみる。

私は今までずっと言ってたんですよ、「民主党が政権取ったら解同の幹部は委員になると確信している」って。ここまで書いて入んなかったら逆に凄いわ・・・。

なおこれは地方人権委員会においても準用されます(第二十五条)。「準用」として省かれていて勘違いされそうなので念の為。



人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案 2005年6月1日
第二十一条 中央人権委員会は、内閣総理大臣若しくは関係行政機関の長に対し、又は内閣総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し、意見を提出することができる。
2 内閣総理大臣又は関係行政機関の長は、前項の規定により中央人権委員会から意見が提出されたときは、その意見を十分に尊重しなければならない。
解同の案では「60日以内に人権委員会に報告しなければならない」だったので、幾分かやさしくなったでしょうか。



人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案 2005年6月1日
3 市町村長は、地方人権委員会に対し、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
自民案ではなくなった団体条項ですが、こちらにはまだ残っているようです。
なぜ特定団体から推薦されないと駄目なのか相変わらず理解できないのですが…。

なお民主案だと、人権擁護委員の定数は1万人です(第二十九条)。



あと気になったのがこれ。
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案 2005年6月1日
第三十四条 人権擁護委員は、その職責を自覚し、常に人格識見の向上とその職務を行う上に必要な法律上の知識及び技術の修得に努め、積極的態度をもってその職務を遂行しなければならない。
2 人権擁護委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
3 人権擁護委員は、その職務上の地位又はその職務の執行を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
4 人権擁護委員は、その職務を公正に行うのにふさわしくない事業を営み、又はそのような事業を営むことを目的とする会社その他の団体の役職員となってはならない。
自民案だとこういうのはないんです。なぜなら国家公務員法が適用されるから。
しかし民主案だとこうしたことが明記されているので、公務員にはならないということでしょうか?

なお民主案でも相変わらず、人権擁護委員は特別調査・救済には関われません。




噂のマスコミ条項は「自主規制」を求める扱いになっています。
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案 2005年6月1日
第六十九条 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関又は報道機関の報道若しくはその取材の業務に従事する者(以下この条において「報道機関等」という。)は、報道機関等がする次に掲げる人権侵害について、自主的な解決に向けた取組を行うよう努めなければならない。
ここでは、「被害者の私生活とか流すな」「罪を犯した少年の私生活とか流すな」(卒業文集引っ張ってきたりするようなのも含まれるのかな?)「加害者とか被害者の親とか兄弟とかの私生活とか流すな」って辺りです。
あとは「嫌がってる相手に無理矢理取材しようとすんな。待ち伏せとか電話かけるのも禁止」ってとこ。



んー、正直なところ、大して怖い法案ではなくなった気がします。
附則は改正する法律が多すぎてちょっと把握しきれていませんけど。

しかし、人権委員の選定をあそこまで露骨にして良いのかなあという心配が出てきました。
実質そういうことにするとしても、書いたらバレちゃうでしょうにw
それとも民主党は国民に不安になってもらいたいのでしょうか。
Posted by f_117 at 21:37│Comments(16)TrackBack(3)

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消えたはずの人権擁護法が「政権準備党」からいつのまにか提出まずは政府与党案でも問題になった外国人の参加について実際読む限り、政府与党案よりはるかに、特定外国人組織による介入を許す余地が広い危険な法案といわざるを得まい・・・人権擁護委員の国籍要件、職務につ
これなら安全?もっとひどい【そして僕はぼやき続ける(BLOG)】at 2005年08月06日 15:28
新しくカテゴリ追加。 …そういえばこれってどうなったんでしたっけ…?(謎) >人権擁護法案 概要(法務省) >人権擁護(言論弾圧)法案反対! ちなみにあーやは大反対です。 言論の自由は法によって失われては絶対になりません。 どのくらい反対かってい....
人権擁護法(案)【あーやのTODAY】at 2005年08月07日 18:24
超大作('A`) 民主党の政権政策 マニフェスト マニフェスト(PDF) 3つの...
マニフェスト:民主党【Niyari@qyen.info】at 2007年07月22日 06:04
この記事へのコメント
    >人権の擁護を目的とし若しくはこれを支持する団体の構成員

    「人権の擁護」の定義があいまいだ。
    そもそもどんな団体でも、究極的には「人権の擁護」を目的としている、と強弁出来てしまうではないか。
    街宣右翼や新興宗教だって、人権擁護団体だということになってしまう。


    とか言ってみるテスト。
  1. Posted by のぅ at 2005年06月07日 22:51

  2. 附則の第2条がエライ違いですね。現行の人権擁護委員は法施行の日に全員任期満了w
    報酬有りになって、非常勤の国家公務員からどう変わるのか不明…。
  3. Posted by OTZ at 2005年06月07日 23:01

  4. >のぅさん
    相変わらずうまいなあw


    >OTZさん
    うわー、施行とともに全員任期満了とか凄杉w
    附則ももう少し見てみようかしら。
  5. Posted by カリー at 2005年06月07日 23:17

  6. 人権委員の選定方法は、政府案とおなじなわけで、わざわざ「解同から一人」なんてやるのかなあ、、、人権の擁護を目的とする団体って解同だけでもなし、解同にもいろんな人がいるしね。いやね、こういうところで、民主党案を批判しちゃうと、今までの説明が自分に跳ね返ってくるように思うんよ。で、大して怖くなくなったという点については同意。(元から怖がってはなかったけど)

    >OTZさん
    報酬が出るようになるんだし(ですよね?)、一種の「リストラ」をすることになるんだから、いったん「解雇」して「再雇用」するのは当然と言っちゃ当然じゃないですかね。
  7. Posted by 若隠居 at 2005年06月08日 00:20

  8. >若隠居さん
    報酬はこれですねー。具体的にいくらなのかは分からないです。

    第三十一条 都道府県は、人権擁護委員に対し、報酬を支給し、及び職務を行うために要する費用を弁償しなければならない。

    でも空白の期間が生じるのはどうなのかなあと。人権委員は施行前から選定できるけど人権擁護委員は選べないようなので、施行後ということになるんですが…うーん、謎です。

    >解同から一人
    前も言いましたけど、ここまで協力させてきて「はいさようなら」は政治の世界じゃ有り得ないんじゃないですかねえ。政府案には特定の団体が肩入れしてるってことはないわけですが、民主案は原案が解同からのものですし。
    まあ、これで反対するかどうかは、1/6(民主案だと委員は6人)をどう考えるかでしょうね。

    ちなみに私はこの記事で民主党の中の人の心配はしましたけど、批判した覚えは無いですので念の為。
  9. Posted by カリー at 2005年06月08日 01:19

  10. 追記です。

    なお私は、人権委員会の選定方法には批判的です。和歌山カレー事件がちょっと話題になりましたけど、この事件の判断を「毒を盛られた経験のある人」がするべきって言ってるようなもんですから(苦笑
    最初から先入観が入り込みかねない人は選ぶべきじゃないです。

    あと政府案もそうですが、男女バランスについての規定があるんですよ。これも納得いきません。女性じゃなきゃ女性の人権侵害について判断できないとか、そういう発想が差別的だろうと。

    「人権の擁護を目的とし若しくはこれを支持する団体の構成員」よりも、「人権侵害による被害を受けたことのある者」が入ることのほうが納得いかないですね。
  11. Posted by カリー at 2005年06月08日 01:27

  12. >「民主党案」
     こんなもん国会に出したら、内閣府、法務、財務、総務などから総攻撃を食らって瞬時に撃沈されるでしょうね(笑)

    >「わざわざ解同から一人」
     「人権擁護団体」の文言があればそれをてこにしっかり固定枠を確保しちゃうかも知れませんね。ってか「被害を受けたことのある者が含まれるよう」って・・・江田よ、元裁判官ならこれを読めと。

    「解同は、心の痛みを受けたことのない者が差別事件を的確に理解することはできないと主張することがあるが、あたかも交通事故に関する損害賠償請求事件において、死者の遺族の受けた苦痛あるいは傷害を受けた者自身の苦痛の評価を自らは交通事故の経験のない中立公正な裁判官が行うことができるように、人権擁護機関も中立公正の機関としてこれをなしうるものであり、またしなければならないものである。」(法務省通知「確認・糾弾会について」より抜粋)
  13. Posted by an_accused at 2005年06月08日 01:41

  14. いや、民主党案を擁護するつもりは、ひとつもないんです。ただ、人権委員の選定にそういう文言が入っているのはパリ原則があるでしょう、やっぱり。もちろん、それが日本の事情とかシステムに合致するかどうかという議論はあって然るべきだと思いますが。
    ただね、どうしたって人権擁護法的なものが必要だし、出てくる法律って多かれ少なかれ似たようなものにならざるを得ないでしょう。それなのに、法案が出てくる度にたとえば解同だ学会だなんだっていいだしたら、てんこもり野郎が宣伝した地平と批判の仕方が一つも変わってないんじゃないかと思うんですよ。結局批判の根は一緒だし、それはちっとも日本のためにならんじゃないか。わたしが陰謀論を批判し続けているのは、だからなんですよね、、、なんか独白みたいになっちゃいましたが。
  15. Posted by 若隠居 at 2005年06月08日 02:04

  16. >若隠居さん
     審議会委員の選出過程をみれば、文言があろうがなかろうが団体推薦が事実上存在したりしていますし(中教審など)、松本サリン事件で被害に遭った河野義行氏が長野県公安委員に就任したりしているわけで、議会同意&総理(首長)推薦の制度でも同じような結果が生じることがあるとは思うんです。でも、「制度設計の思想にわざわざ党派性を組み入れる必要があるのか」というと私には疑問です。党派性を組み込んだ制度に労働委員会(公益委員・労働者委員・使用者委員の3者による構成)がありますが、人権委員会にはこのようなわかりやすい対立項はないですし、団体所属の有無にこだわらず人格識見をきちんと審査して決めるのがスジだろうよ、と思うのです。そんなわけで、議会同意のプロセスをどう充実するか、という方向に議論が向かず、安易な団体推薦に流れるのが歯がゆいのです。
  17. Posted by an_accused at 2005年06月08日 02:49

  18. ヒョイ⌒ .vWv
         ´||゜
    ( ゜∀゜)ノ 似た記事を書いた俺が来ましたよこんばんは。

     民主案の人権擁護委員は、非常勤・特別職の地方公務員になるような気配です。「都道府県知事の所轄の下に」ってあるんで、地方公務員。地方公務員法を見ると、前エントリーでan_accusedさんに詳細を補足していただいてるように、「議会同意」を要することから特別職、と。有償で非常勤なんて、利権の温床だ!w

     そんでもって特別職が、これまた地方公務員法の適用外だから、わざわざ服務規程と守秘義務違反の罰則を盛り込まなくてはならなかったのではないかと解釈しました。

     附則で法改正が多いのは、地方人権委員会が地方自治体の管轄になるので、自治体ごとの「なんたら委員会」にまつわる条文を根こそぎ改正してるってのがあるっぽいです。
  19. Posted by plummet at 2005年06月08日 03:37

  20.  ちょこっとお邪魔させていただきます。
    >若隠居様
     日本で人権意識が育たない理由に、解同や総連、民潭やら、学会やら、そういった組織に対する国民の恐怖感や嫌悪感があると思います。
     この恐怖感や嫌悪感を無視しては、新しい組織は成り立ちにくいかと。
     解同色が出れば出るほど、解同の糾弾による被害者はこの委員会に訴えられませんし、廃案派みたいな方達のような誤解も生みやすいです。
     そういったリスクを考えることは、必要かと思います。
     お邪魔しました。
  21. Posted by BB at 2005年06月08日 12:26

  22. なんかこれはこれで十分、解同にとっての本懐な気がしてきますた。
    各地方人権委員会にも入れるのなら、利権はありまくりんぐwwwでしょう。
    各地方公共団体に意見して、それを尊重させる事も出来ますし。
    条例を作らせたりが出来る可能性が十分あります。

    パッと見、政府案と委員会の構成的なもの以外は大差無い上に、
    第70条なんかで安心させる体裁になってますが、やっぱこんなのイヤだな…w ヽ(`Д´)ノ
    異議申し立てとかも無いし。
  23. Posted by OTZ at 2005年06月08日 12:33

  24. 先入観がる人を選んでしまったら全く意味がないですね。

  25. Posted by 植木屋の恋愛事情・株式上場2005 at 2005年06月08日 15:21

  26. 考えれば考えるほどヤバイような…。
    1.>両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
    2.>都道府県の議会の同意を得て、都道府県知事が任命する。

    ↑の委員の2通りの選任手続きの差をどう見るかですよ。
    民主案だと「2の選任手続き+努力規定による人選」が47都道府県それぞれで行われ、
    47地方人権委員会それぞれがそれぞれの判断で、政府案の1の選任で選ばれた人権委員会と
    全く同じ事が出来ます。(一般救済・特別救済・勧告・公表など)
    「知事に意見して、それを尊重させる」も解同案を見てたら、条例作らす気満々ですし。。

    「選挙に行け、最終的な責任は選んだ国民の責任。それが民主主義」とよく言われていますが、
    地方選挙に関しては結構アバウトな所ってあるんじゃないかなぁ…とか思えてきて。。(横山ノックとかw)
    いや〜怖い(((( ;゚Д゚)))
  27. Posted by OTZ at 2005年06月09日 09:38

  28. 朝鮮総連が学習組という工作員の組織を、再結成するらしい。
    なんてふてぶてしい。もはや、明謀ですな。

    現行の日本の人権擁護委員に選ばれていない朝鮮人たちが、
    自前の委員を選んでいるのを、あなた方は知っているんだろうか。
    そして、救う会のメンバーの職場に押しかけ、差別という言葉を使って脅し、
    会の結成を妨害しようとしたことも、きっと知りたくはないんだろう。

    開同のことばかりくさしていても、意味がない。
    朝鮮総連の人権擁護委員とやらのやりくちは、まったく糾弾会と変わらない。
    しかも、工作に便利だから帰化しろなどと、ふざけたことを。

    人権擁護委員に外国人がなれるのであれば、朝鮮総連は必ず、システムを利用す
    るだろう。あの国は、そういう国だ。もちろん、中国という国も。

  29. Posted by 匿名 at 2005年06月15日 08:06

  30. 戦後わが国の政治は、絶えず外国の干渉を受けている。
    特にアメリカ。しかし、この国の場合は露骨な自国への誘導は、さすがに民主主義を標榜しているためか少ない。
    画、戦前、わが国が併合していた『朝鮮半島』の民族の場合は、もともと『恨』の文化であり、自分たちが、自分たちより『下等』と思い込んでいた『日本』に併合された。という感覚が、自分たちに都合のよい歴史に『捏造』し、戦後の有利な立場を強制してきた。
    今回の『人権擁護法案』問題も、自分たち中心の『在日』の影響が大きいだろう。
    又、それにおもねる、イオン岡田民主党や自民党利権政治屋古賀・野中の『売国奴』ぶりと、自分たちの後ろめたさを隠すために制定したい法案である。
  31. Posted by hide at 2005年08月08日 08:19

  32.