2010年06月19日

so yes,





「愛情があるかどうかを確認しないと、


 成り立たない関係なら、


 やめたほうがいいわね。







 彼のことをすきなんでしょう?

 いいじゃない、それで。」









岡本太郎・岡本敏子『愛する言葉』より





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2010年06月18日

explosion




「愛している



 好き



 何かしてあげたい








 それだけでじゅうぶんじゃないの」






岡本太郎・岡本敏子『愛する言葉』より







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2009年01月03日

決め付けないで




人は自分でも気づかないところで、
だれかを救ったり苦しめたりしてる。


この世があまりにもカラフルだから、
ぼくらはいつも迷っている。



どれがほんとの色だかわからなくて。







どれが自分の色だかわからなくて。








『カラフル』森絵都より



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2008年06月14日

オレンジ





ほんとうのことをいうと、私は夕焼けがあまり好きじゃない。
情緒豊かすぎるのだ。

でも、梨花ちゃんの横顔のシルエットをみながら、
この人は夕焼けがよく似合うひとだ、と思った。

夕焼けというのはたぶん、
善良なひとに似合うものなのだ。








『ぬるい眠り』江國香織 より
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2006年08月06日

自己本位








柔和で寛大な人といっても、

自己本位なことは横暴な人も同じで、

ただそれが、

いくらか筋の通ったものだというだけです。









『嵐が丘』エミリー・ブロンテより






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2006年06月25日

ほんとに。






いつもいつも


一緒にいてくれることが無理でも、










いつもいつも


一緒だと思わせることは可能なのに。











『泣く大人』江國香織 より





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2006年03月13日

『Presents』

Presents









『Presents』小説 角田光代 絵 松尾たいこ  双葉社




しばらく本から離れていた。
約2ヶ月ぶりの読書になる。

私には読書仲間と呼べる人が一人だけ居る。
本のことを話す人はたくさん居ても
会話のほとんどが本の話で埋め尽くされる相手はそうそう居ない。
年に数回『文学飲み会』と称して
二人で延々と本の話をすることは私にとって至福のときであった。
最近読んだ面白い本や、共通で好きな作家の書評や
お互いのオススメの本や、どういうところがいいとか
果てはその本をきっかけにした人生観まで語り合う。
唯一の読書仲間であり、会社の先輩でもある方が退社される。

それを初めて聞いたときは、驚きと淋しさでいっぱいになったが
不思議と悲しさは沸いてこなかった。
それはきっと距離が離れていても、お互い本を読みつづけている限り
先輩と繋がっていられるからだと思う。
そんな先輩に何かを贈りたいなと思って選んだのがこの本。





「プレゼント」と聞くとどうしても
綺麗な包装紙に包まれてリボンのついた
誕生日やクリスマスにお似合いの絵を想像してしまう。
そういうどっからどうみてもプレゼントと呼ばれるものもあれば
カタチのないプレゼントだって当たり前なことだが溢れているのだ。

私は今までたくさんのプレゼントをもらってきた。
それは誕生日に親や恋人、友人から貰ったモノもあれば、
辛いときに励ましてくれたり慰めてくれたりした
優しい言葉もどれほど貰ってきただろう。
駅へと続く道の新緑に萌える木々に、
家の屋根越しに見えたお月様に。
自分の惨めさに泣くことしかできなかった冬の朝に。
いつか読んだあの本にもらった感情も。

それを今、どれだけ大切にしているのか、
それを今、いくつ憶えているだろうか・・・。

12の短編から成るがこの本の中には
プレゼントらしきプレゼントはあまり出てこない。
それなのにこれほどまでプレゼント感に満ちている。

あぁ、そうだ・・・。
私は無くしてしまったもの、忘れてしまったもの
ぼんやりとしか想像できないけれど
今まで本当に数え切れないほど
素晴らしいプレゼントをたくさん貰っていた・・・。
この本はそのことに気付かせて、思い出させてくれるのだ。
そしてこれからきっと自分が貰うであろう
たくさんのプレゼント、それらを大切に受け取りたいと思わせてくれる。

「人はだれでも、贈るより、贈られるほうが常に多いんじゃないかな」
(著者あとがきより)

きっと私も間違いなく贈られる方が多いんだろうな。
贈る側の気持ちも大切だが
贈られる側の気持ちの持ち方も大切なのだ。
プレゼント然たるモノも、
決してプレゼントとして手にしたわけではないものも、
それらを受け取れる感性を持つことで最高のプレゼントになりえる。
そういうものを感じることのできる感性を
色褪せることなくいつまでも持ちつづけていたい。

そうすることで私が貰ったプレゼントを
その相手に、もしくは他の人にお返しとして
少しは贈ることができるのかもしれない。
今までたくさんのプレゼントを無駄にしてしまった。
これからもたくさん忘れてしまうだろう。
それでも、それ以上にこれからもたくさんのプレゼントを貰うことができる。
そしてそれらをできるだけ多く心にとどめておきたい。





こういう気持ちになれたことが、きっとこの本から私へのプレゼントだ。






xxx Rue







なおこの記事は
「女流作家」の楽しみ方!:『Presents』
にトラックバックさせていただいております。
☆すぅ☆さんの素敵なレビューも是非御覧ください。
  
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2006年01月09日

似非



目的の場所は過去にはない。


モデルは自分でつくっていく。





『ぐるりのこと』梨木香歩 より


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2005年12月18日

たとえ落ちたとしても



誰かが無理強いして

あの人たちをそんなふうに持っていったわけじゃないでしょ?

堕落する人は

自分から堕落するんです。





『理由』宮部みゆき より



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2005年11月26日

願い


一人で生きていきたいと

誰よりも強く願っていたのに、

誰かに依存しないと生きていけないようになっていたのね。



そのことに

長い間絶望していたみたい。


--
『まひるの月を追いかけて』恩田陸 より



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2005年11月13日

拘束

人間は、

服を着て、言葉を話し、文化を持ち、

法律やモラルをもっている。



だが、個人的に考えてほしいのだが、

私達がもっとも安らいでいる瞬間には、

服も言語も文化も法律もモラルもまったく必要ないのだ。



『エルビス・プレスリー』村上龍 より



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2005年11月03日

我が道を

でもあたしは気にしない。


人の言うことを気にするなんて下らない、


ということを、


あたしはママに教わったから。



--
『神様のボート』江國香織 より



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2005年10月21日

内なるもの

貧と賊と富と貴とが、

決して人間の値打ちを決めはしない。

人間たるもの、なかんずく武士たる者、

男たる者の価値はひとえに、

その者の内なる勇気と怯惰(キョウダ)とにかかっているのだ、



--
『壬生義士伝』浅田次郎より



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2005年10月15日

気付き


「さよなら」


彼が目を丸くして見つめている。

なぜ、この言葉をもっと早く口にできなかったのだろう。

どうしてあんなに怖がっていたのだろう。



こんなにも美しく、

こんなにも凛々しい響きを持つこの言葉を。




--
『別れの言葉を私から』唯川恵 より  
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2005年10月12日

『ふりむく』

『ふりむく』松尾たいこ 絵 江國香織 著 マガジンハウス

イラストレーター松尾たいこさんが描いた21枚の絵に
江國さんが文章を添えるという形式の本。


松尾さんのイラストは諧調がなく
わりとくっきりとしたタッチなのだが、
受ける印象は不思議と固くない。
それはパステルカラーを多用したせいでもあるし、
不用意にトリミングされた構図からくる
不安定さなのかもしれない。
もしくは一瞬を捉えられたモデルになったモノ達の
柔らかな雰囲気なのかもしれない。
一枚の絵ごとに必ずキーになる色があって
それが無意識に目に飛び込んでくるため
色使いのわりには力強ささえも感じる。


イラストにはそれぞれ作家にしかわからないストーリーがあるが
それは明かされることはないし、そうあるべきだと思う。
やはり見た人が自由に感じて広がるのがいいんだろう。


それらのイラストに江國さんが文章を付けた。
これがまた独特の観点からいきなり飛び込んでくるからビックリする。
絵の向こう側に隠れている背景を書くというのではない、
絵を見て感じたり、絵の前に見えてきたものを書いたという感じ。
(こんな風に絵を感じることのできる人を私は他に知らない)
イラストに内包される背景は松尾さんにしかわからないものだし、
文章の前後にある感情や感覚は江國さんだけのものである。
だからそういう意味ではこのイラストと文章はひとつではなく
それぞれが独立しあって共存している感じ。
ひとつのイラストからどこをどうめぐり巡ってこの文章に辿りついたのか、
江國さんの思考のあとを追っていくのも面白い。
文章自体もイラストと同様に一瞬を切り取ったような感じで
優しかったり、鋭かったり、落ち着いていたり
短い文章の中に
ほんのりといろんな温度が感じられるのもこの作品の特長。


それと特筆すべきはブックデザインだろう。
装丁のバーコ印刷によるタイルの質感は見事だし、
それらを基調にしたノンブル(右ページ文章側のみ)デザイン、
イラストごとのキーになる色での本文色、
見返しと帯の黄緑も子供っぽくて雰囲気に良く合う。


松尾さんと江國さん、
お互いにかなり創作魂を刺激しあったのではないだろうか。
それは彼女達にとって本当に愉しかったのだろうな、
ということがこの本から凄く伝わってくる。
イラストと文章、両方を贅沢に楽しめる一冊である。
ただし江國さんの小説の世界に惹かれている人には
もの足りなく消化不良に感じてしまうかもしれない。
言葉や世界観を味わえて、
見開きの合間に一瞬をふりむける人には充分だけれども。


xxx Rue


  
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2005年10月09日

江國香織

彼女が織り成す表現の豊かさ。

それはどこまでも広がってゆくような透明感だったり
もう何もできないような絶望感だったり、
ほんわりとした幻想感だったり
それらの言葉が凄く綺麗で、
まさに文章に溺れるという表現がピッタリきます。

江國さんの文章は、やはり言葉の使い方が素敵。
独特の表現方法と空間を切り取るような視点。
それらがぎゅうっと心を締め付ける。

彼女の言葉に触れると
私はいつも泣きそうになってしまう。


xxx Rue
  
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