2006年08月25日

谷中のクラシコ

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 野暮用があって根津まで行ったついでに谷中まで足をのばした。前に代官山の「G.O.D.」に勤めていたTくんが、独立して新しい店を始めたと聞いたからだ。洋服を扱う店をやるのだろうと勝手に想像していたのに、友人がくれた案内状には、洋服の他にスリップウェアの写真も載っていて、店名の下に小さな文字で「antiques, clothes, crafts, and life」というコピーが添えられていた。谷中という場所を選んだこともそうだが、とても意外な感じがして、できるだけ早く行ってみようと思っていたのである。地下鉄の千駄木駅で降りて、団子坂下から三崎坂のほうに向かい、「いせ辰」の角を右に折れてしばらく歩く。目指す「クラシコ*」は、いかにもTくんらしいすっきりとした構えの店だった。中に入るとTくんがちょうどレコードをかけようとしている。サイモンとガーファンクル。棚のいちばん前にジェームス・テイラーの『マッド・スライド・スリム』も立てかけてある。これもまた、自分にとっては意外なことだった。
 店は2部屋にわかれていて、手前の部屋にはシャツとパンツとスニーカー、それにラッセル・ライトやリンドベリのコーヒーカップなどが並んでいる。デッドストックのVANSが気になったけれど、奥の部屋にアンティークの器が並んでいるのが見えるので、まずそっちを先にする。薄い空色が綺麗な、李朝の小皿が気に入って包んでもらうことにした。こういう趣味があるとは知らなかったとTくんに話しかけると、前から少しずつ集めていましたと照れたように笑った。考えてみたら、「G.O.D.」では洋服の話がほとんどで、それ以外には、何回か鉢植えの世話の仕方について教えてもらったことがあるくらいだった。彼自身の店で器を手に取りながら話すのは、なにかとりとめのない茶飲み話をしているようで、もっとパーソナルだしとても楽しい。同じ買い物には違いないのだが不思議である。時間がないからと15分ほどで失礼することにした。それなのに千駄木駅に戻る途中で気が変わり、その後の予定を変更してもらい湯島で途中下車して「シンスケ」に寄る。ちょうど店を開けたばかりのようだった。しんとしたカウンターの端に座って、湯葉のおしたしを肴に熱燗をちびちびやりながら、次に「クラシコ」に行くときは閉店間際に顔を出し、そのままTくんをここに連れて来ようと思った。

李朝の皿 ¥6,426
CLASSICO 東京都台東区谷中2-5-22


*クラシコと読んで(呼んで)いいのかどうか聞くのを忘れました。クラッシコかもしれません。


fab777 at 07:47 この記事をクリップ!
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