2007年06月18日

ロンディーノのトースト

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 鎌倉の御成通り商店街にある「ロンディーノ」は気が急く喫茶店である。落ち着かない場所という意味ではない。むしろこのあたりの人たちにとって欠くことのできない心安らぐ店だと思う。しかし、なにしろ横須賀線や江ノ電の改札に隣接しているようなところだから、客足の絶えることがない。電車の出発や到着の時間によって波があるものの、席数が少ないからだいたいいつも満員だ。座れるかどうかはちょっとしたタイミングの問題となる。だから、扉を開けてちょうど先客が会計して出ていくところだったりすると、まずは自分の幸運に感謝する。駅に向かって商店街を歩くとき、ロンディーノは道の右側にあって小さな窓が先に見える。そこから覗けば、カウンターとその前にある3人掛けのテーブル席などが確認できるのだ。相変わらずどの席もうまっているけれど2人並びの席だけ空いている、ああ良かったと思い、窓の先にある入口に顔を向けると、まさに二人連れの客が扉を開けて入っていくところだったので、タッチの差で諦めるしかないなどという経験が、一度や二度の話ではないのである。だから改札口から向かうにしても商店街から行くにしても、ロンディーノが目視できる距離に近づくとなんとなく小走りになる。気が急くとはそういう意味だ。無事に席を確保したら、スパゲッティとコーヒーのセットを注文する。やがて店内に小さな音で流れているカントリー&ウェスタンに気がついて、そしてその日の幸運をゆっくりと噛みしめるのである。
 ロンディーノについて、カミさんにも気が急くことがあったようだ。カミさんはだいたいツナトーストを頼むことが多かった。厚切りトーストとツナディップと生野菜が一枚の皿にのったメニューである。ところが、ときどき野菜の水分でパンの端が濡れてしまうことがある。カミさんは、どうやら濡れパンが嫌いらしく、トーストが運ばれてくるなり、まずパンを野菜から遠ざけるようにする。それが間に合わなくて濡れてしまっていると、本当にがっかりした顔になるのだ。出来上がったトーストが短時間でテーブルに届いてほしいと、気が気ではなかったそうだ。しかし、「小さなトーストと小さなサラダのセット」という新メニューが登場してから、カミさんの気掛かりは解消された。サラダはパイレックスの小鉢に入っている。パンが濡れる心配はない。気が急くことがなくなったカミさんが羨ましい。

小さなトーストと小さなサラダのセット(飲み物つき) ¥600
カフェ ロンディーノ 神奈川県鎌倉市御成町1-10


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