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「やさしい嘘」を観ました。
ソ連崩壊後のグルジア、エカおばあちゃんの楽しみはパリに住んでいる息子・オタールからの便り。娘・マリーナは自分よりも息子の事ばかり可愛がる母に対して多少のわだかまりが。そしてフランス語に堪能な孫娘・アダはいつかグルジアを出て羽ばたくことを夢見ている。ある日、オタールが事故死したとの知らせが届く、しかし、エカおばあちゃんの哀しみを思うと本当の事を告げられないマリーナとアダ。結局二人はオタールのふりをして手紙を書き続ける事にする。しかしいつまで待っても電話もこない事に不信感を抱いたエカおばあちゃんはオタールに会うためにパリへと向かう・・・
親子とは言っても3世代、それぞれに抱える悩みや葛藤は違うのは当然の事。だけど彼女たちはそれぞれ別のステージに立っていながら、まるで1人の女性の生き方を見せられているようでもあった。
事実を知って、今まで見せたこともないような哀しみに暮れる姿を見せる母・マリーナ。
事実を知ろうと、今まで見せた事もないような行動力をみせつける祖母・エカ。
孫娘・アダは老いを感じ始めた女性の弱さを母に、そして老境にありながらなお自立する女性の強さを祖母に見たのだろう。だからこそ「自分の人生とは?」と問いかけずにはいられなかったはずだ。
パリを発つ時のホテルの前?でエカおばあちゃんがそっとアダの事を覗き込んで微笑む表情が本当に素晴らしかった。何も言わないけど、何も聞かないけど、全てわかっているよ・・・と言わんばかりのあの表情。「嘘」だけど、最後の「嘘」は本当に優しく希望に満ちたものでホッとしました。

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