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「スターウォーズ エピソード3/シスの復讐」を観ました。
アナキンとパドメの極秘結婚から3年後。分離主義者と共和国の対立は激化し、シスの影響力も徐々に拡大していた。未だにマスターの称号を得られないアナキンのジェダイ評議会に対する不信感は次第に高まり、同時に妊娠したパドメが死んでしまうという悪夢にも苛まれる。パルパティーン最高議長の力が強まるのを警戒したジェダイ評議会はアナキンに議長の動向を探るよう命ずる・・・
28年間世界中の人達が追いかけ続けた一大サーガが完結しました。わかっているオチをどう肉付けするかにかかっていたわけですが、結局みんなが不満に感じる事の最大の要因は「時間が足りなかった」という事に尽きるのではないかと思います。足りないよね、これなら3自体を前後編にしても良かったぐらいだ。エピソード3.5とかね。たったこれだけの時間の中でこのサーガ中最も重要な場面に至るまでのアナキンの心の機微を描かなくてはならないのだもの、大変だっただろうなぁ(若干ルーカスに同情)。
非常に短時間の間に足下が崩れ落ちるように一気にその坂を下りてゆくから当然性急に感じます、それは本当に。でもまぁいいや(笑)人間関係総ざらえしながら戦闘シーンもベタな恋愛シーンもギューギューに入れ込んでいます。これで最後はダースベーダー登場させたんだもの、それだけで満足っちゃあ満足さ、って観客が甘くなる必要はないんだが。
アナキンの心に生まれた猜疑心や迷いは想定範囲内で、このストーリーで新たに「何か」が明かされるというよりも2までに垣間見えていたものが更に肥大化しているという感じ。アナキンのパドメに対する執着心は母を亡くしたという事も影響しているのであろう、だからといってあぁなるか?と思わないではないけど、あれほどに彼女を愛していたと思えば人によっては必然か。
この映画を観ながら成長した人達(子供だって大人になってる)に送る最後のエピソードに相応しいダークさだったと思います。アナキンがダークサイドに墜ちる事もそうですが、そこに至るまでの「人間の性」というものの様々な解釈を、登場人物の口を借りて語らせる訳です。立場を変えれば誰でもそれなりに言い分があり、正しいことも間違っている事も全て表裏一体。「正義」という一言でどこまで人は優しく、そして冷酷になれるのかという非常に面白いテーマでした。

以下激しくネタバレしますので、気になる方はスルーして下さいませ

それにしても四肢切断のシーンはこの映画としてはギリギリの描写だったと思います。特に炎が移ってしまう場面に至っては「よくぞここまで」と驚きと共にギュッと場面に引き込まれる自分がいました。そして放たれた「お前を憎む」というセリフ!この一言をよくぞアナキンから引っ張り出した!とわたしゃ感激しましたですよ(笑)悪になるんだもの、このくらいの悪態付かなきゃダメなのよ。この瞬間アナキンは父親(同然の男)と完全に決別したのだろう。
そして私が一番ハッとしたのは次のオビ=ワンの行動だったんですよ。あの状況であれば普通に考えればアナキンはもう助からない、そして恐らく今生の別れの時であろう事は容易く想像できる。ならばせめて最後に(助けるというためではないけど)親愛の情として手を差し伸べてはやらないのか、と私は思ったんです。父として兄として師として、最後に・・・と思った私が甘かった。私はやっぱりジェダイという存在を理解し切れてなかったんだなぁと痛感した。ジェダイなら、やっぱりあの場でアナキンを捨て置かなければならないんだよね。それができるオビ=ワンだからこそマスターの資格があったんだ。
個人の愛情を優先させてはならない、それは決して愛がないわけではなく・・・広い意味での人類愛とか、そういう事なんだよね。でも普通に考えれば一人の目の前の人を大事にするって事は決して間違いじゃない(アナキンの場合パドメを最優先に考えるという事)。人として間違っている訳では決してない。ならばジェダイとしてはどうか?ジェダイは違う、社会全体で物事を捉えていく立場である以上個に固執してはいけないんだよね。一見冷たく見える行動を社会性を保つためには良しとしなくてはならない、それがジェダイ。普通の人間でありながら、やはり違う人間なのだよね。博愛的ではあるけど、凡人には到底できる考え方ではないと思う。

なんて事を色々考えながら観ておりましたが、とにかく良かったです。全てが強引ながらも繋がって、最後に沈む二つの夕日も観れました。今回に合わせてエピソード4、5、6と順番に5本観直したんだけど、心情的な部分とか色々思うところがあって以前より随分楽しめている自分がいました。と同時に昔は可愛らしく見えていたC-3POが「水戸黄門」のうっかり八兵衛並に「?」な存在に思えたり(笑)だから映画は面白いんですけどね。
また思い出したら追記するかもしれません。