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「ダーク・ウォーター」を観ました。
離婚調停中であるダリアは、親権を得るためには職と共に住居が必要とマンハッタンを離れてルーズベルト島へと引っ越しを決意。古びたアパートに案内され娘・セシーも最初は嫌がっていたが、なぜかそこを気に入ったらしく即決するも、天井からは水漏れがする始末。なかなか進まない離婚調停に広がり続ける天井のシミ、次第にダリアの偏頭痛はひどくなってゆく・・・
ウォルター・サレスがどうしてリメイクなのか、どうしてホラーなのか、それもよりによってどうして「仄暗い水の底から」なのか。観てみたい、観なくちゃわからないと期待半分で鑑賞。話の骨子は全く同じにするしかないわけで(集合住宅に少女、そして最終的な母の決断)後は見せ方の問題でどうオリジナルと差をつけるのか、サレスらしさをどう出すのか、やはりそれが気になったのだけど。
関節炎の人には辛そうなジトジトとしつこく降り続ける雨、そして奇妙な外観を留める集合住宅群・・・そういった描写から醸し出される「負」の気配はやはり上手く、そこにいるだけでますますダリアの神経はすり減るだろうと容易に予想がつく。加えて一人娘の親権問題で神経ギリギリになってゆくダリア演じるジェニファー・コネリーがまた上手い。
だけど最後の決断がアレになるとわかっているだけに途中に差し込まれるダリア自身の過去のトラウマ部分はあった方が良かったのか悪かったのか、ちょっと私にはわかりませぬ(笑)あれのせいでますます彼女の決断は不可解になったような気がしないでもない。自分がそういう境遇だったのなら、「私はあんたのママじゃない」とダリアなら言ってしまったような気がしてね。別な選択肢もダリアならあり得たかなぁ、と(笑)もちろんそこんとこが不条理だからこの話は人気?があるんだろうけど。↑上で骨子は同じにするしか無いと書いたけど、どっか別の落としどころがオリジナルとは別に用意されているんじゃないかと、実は密かに期待していたんだもん。
日本版のラストがあまり思い出せないけど、あれも母は見守ってるんだっけ?あの場所に留まってるんだっけ?いずれにせよ娘を思っている事には違いなかったけど確か・・・何年後かの娘が出てくる事だけは覚えている・・・からサレス・バーションとは若干違うって事ね。でもまぁ、真実を知る娘が元気で生き続けるからめでたしめでたし・・・なんだね。あぁやっぱりこの話ってこれっぽっちもホラーになってないんだわ、親子の感動作なんだよ。
と、ダラダラ書いてますが結論としては頭の片隅で「監督はウォルター・サレス」という呪文が唱えられ、イメージがどうしても先走っていたので最後まで「どうして彼でなくてはならなかったのか」訳がわからないまま終わってしまったという・・・ほどほどの出来映えだったなぁという印象が拭えず。サレスは心模様を風景に委ねるのが上手いと思うんだけど、そういうイメージが脹らむようなショットがあまり見られず残念だった。このストーリーは元々内容を知っているだけにただでさえハンデが大きい、「あぁ、ここにアレが」「そこに彼女が」と最初からわかっているんだから。そこを料理するのかと思っていたけど、私の勝手な予想以上に忠実なリメイクだったのだね。