2008年02月05日

 前回は、ファシリテーターは、会議やチームの参加者自身が、問題解決の答えを持っていると信じて、集合想念を、マイナスではなく問題解決へのプラスの方向へ持っていくために、イメージ力の活用を紹介しました。
 今回は、そのような明るいイメージを参加者が自然に持てるようにするためには、ファシリテーター自身が、どのようなマインドを持っているといいのかというお話をします。
 これは、人間関係改善や、人生の問題をどのように受け止め、困難な状況を克服していくかとう発想にも繋がる話です。
 それは、通常の発想と180度異なる発想を持つといいのです。
 この意外性が、あなたのファシリテーションを一層、輝かしいものとする不思議な力があります。
 そのマインドとは、「感謝のマインド」です。
 ファシリテーターは、会議やチーム活動を支援しているので、参加メンバーから感謝されるのがあたり前かもしれません。
 ところが、これを全く、逆に「ファシリテーションの機会をいただきありがとう」と思うのです。
 メンバーの質が、「あまりよくないな」という場合には、「ファシリテーションのスキルを磨く、貴重な機会をいただきありがとう」と感謝をしてしまうのです。
 何と能天気な、気が狂った発想だと思われるかもしれません。
 しかし、このマインドを持って人に接していたり、仕事をやっていると意外にも敵を作らなかったり、難しい問題にも、自分を磨くありがたい機会だととらえて逃げずに立ち向かっていけるのです。
 たいていの場合、人間というのは、相手の悪いところがどうしても目につきます。そして、このマインドは、相手の長所を発見していく時にも使える発想なのです。
 ですから、人間関係に行き詰まって、どうしても許せない人がいる場合などに、その人が自分にとって、どんな小さなことでもいいですから、過去に何か役に立っていたことや、現在役に立っていることを発見するのです。
 たとえば、性格が異常におかしくても、こういう部分だけは、多少なりとも役に立つから、ありがたいことだと、自分自身の中で考えるのです。
 また、どうしても道が見えない、困難な問題が出てきても、きっとこの問題を解く力や知恵が自分の中にあるのだ。それを教えてくれるために、天が与えてくれた絶好の機会なのだありがたいと感謝して、その問題から逃げずに頑張るのです。
 そのようなマインドを普段から持っていると、ファシリテーターの雰囲気に、決して他人のせいにしないあたたかい雰囲気が出てきます。
 また、逃げない姿勢も出てきます。
 こういうマインドが、意外にも、社内でファシリテーションをお願いする際に、この人でなければならないという評価の要素として、強く働くのです。
 そして、そういうファシリテーターがいるというだけで、だれもが、困難な課題であっても自然に前向きな姿勢となり、真剣に取り組むことが出来るのです。 
 どうぞ、この逆転の感謝の発想で、頑張ってみて下さい。
 きっと、所属する組織の中において、誰から見ても非常に役に立つ有用で優秀なファシリテーターだという評判が立ち、信頼されるファシリテーターになっていけると思います。
 そして、あなた自身も、ファシリテーションをする度に、幸福感がどんどん増していくことでしょう。

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2008年01月06日

前回は、ファシリテーションの1対多の積極的傾聴と、コーチングの1対1の積極的傾聴の違いについてお話をしました。
 今回は、さらにコーチングあるいは、カウンセリングにおける基本的なマインドである、「答えは、コーチやカウンセラーではなく、クライアント(個人客)が持っている」というマインドに関連してのお話です。
 コーチやカウンセラーの積極的傾聴の基本は、「クライアントが、自分自身の中に持っている解決策やアイデアを、自ら引き出すことを支援する」ということが、基本的なマインドとしてあります。
 そうすると、ファシリテーターのマインドとしては、どのようなマインドが前提となるのでしょうか?
 それは、「課題を解決する答えは、ファシリテーターではなく、チームや会議の構成メンバーが、必ず持っている」ということです。
 要は、ファシリテーションとは、チームメンバーから見たら、中立的な立場です。
そして、チームや会議の構成メンバーが、自分達自身で課題解決ができるように、メンバーの一体感(チームワーク)を高め、意見交換の流れ、すなわち、プロセスを管理することにより、最大の成果を上げるよう支援するということなのです。
 さて、それでは、このファシリテーターとしての支援を、力強く行うためのマインドとして大切なことは何でしょうか?
 それは、課題を与えられているメンバー全員が、メンバー全員の知恵を出し合えば、自分達で、必ず素晴らしい解決策を見出し、そこに何らかの希望が見えるという状況を、どうすれば自然な形で認識していただけるかということが重要なのです。
 このあたりを、よく心得ているファシリテーターは、参加メンバーの心の中を読み取りながら、「無理だ」、「出来ない」、「このメンバーだからダメだ」
とか、マイナスのイメージが出てこないよう、様々な手を用意しているものです。
 会議の最初などに、さりげなく、笑顔で、
 「今日のメンバーは、つぶぞろいのようですね。きっと、いい結果が出るような気がします」
 「全員、非常にリラックスしていい雰囲気ですね。こういう時は、素晴らしいアイデアがたくさん出るんですね」
 と、参加メンバーが元気になりそうな言葉を、明るい口調で自然に発したりします。 
 また、途中で、何を考えても、「難しい、困難だ、やっぱり無理だ」としか思えない最悪の状況が出てきたら、次のようなイメージの力を使った気分転換の連想ゲームをやってみるのも、マインドをマイナスからプラスヘぐるっと転回するきっかけとなります。
 「お疲れのようなので、ちょっと気分転換の連想ゲームをやってみましょう」
 「静かに、両腕を上げ背伸びをし、息を吸って、フーと吐き出し深呼吸をして下さい」
 「気分を楽にして下さい。体のどこにも力を入れないで下さい」
 「軽く目をつぶって下さい」
 「ここにいる皆さんの能力が、もし、10倍になったとしたら何ができるでしょうか?」
 「皆さんは、すでに10倍の問題解決能力がある仲間です。この仲間で、力を合わせて、本日の課題が、すでに解決できた場合のことを想像してみましょう。空想の世界ですから、何でも自由に描いて下さい。素晴らしいアイデアがどんどん湧いて来て、見事に解決し、全員が笑顔で笑っています。この解決されたいい気分を味わってみましょう。1分間ほど楽しいイメージを描いてみて下さい」
 「いかがでしたが、どんなイメージが描けましたか?」
 ということで、一度、解決できた世界に、全員を連れていくのです。
 すると、意外にも、問題解決が出来ないという全員の不安感がやわらぎ、道が開けて来ることがあります。
 たとえ、すぐに解決策が出なくても、気分転換になりますし、やって損なことはないゲームですから、3分以内でちょっとやってみるのもいいかと思います。
 このように、全員が明らかに出来ないというイメージを共有してしまっているなら、逆に、このメンバーで協力すれば解決できるという明るいイメージを描いてもらい、参加者全員のマインドをぐっと前に押し出すといいのです。
 このやり方は、個人でも使えるやり方です。あまりにも、解決策が見えなくて疲れきった場合などに、深呼吸をして、すでに問題が解決されて、周囲の人から良かったねといわれているようなイメージを明るく心の中に、描いてみるのです。
 すると、解決策のヒントになることが、すっと思い浮かぶことがあるものです。
 沈滞したムードになったり、あまりにも全員が、疲れてどうしようもない状況になったら、あわてずに、この方法を、自信を持ってやってみて下さい。
 ファシリテーターの落ち着きと、「必ず道は開ける」という確信波動が高いほど、この連想ゲームは、効果があります。
 このように、参加者全員の集合想念を、明るい方向へ変えていくためには、イメージの力を使い、参加者のマイナスの想念を吹き飛ばすための確信的な言葉が大切です。
 このような参加者のマインドをプラスに変えていけるファシリテーターになるためには、日頃から、明るいイメージを描く努力をしてみて下さい。
 そして、なかなかそういうイメージが描けない時には、鏡に向かって笑顔を作り、自分自身に対して、「必ず、道は開ける、必ず、道は開ける」と、たとえ現実が全くそうなっていなくても、あえて自信を持った口調で、声を出して自分自身に語りかけて下さい。
 そうすると、大変な状況の時にも、しだいに心が落ち着き、明るいイメージを描ける心に切り替えることが、だんだん上手になっていきます。
 どうぞ個人的にも、少しずつイメージ力を、高めてみてはどうでしょうか。

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2007年12月03日

 前回は、ファシリテーターとして、人物あるいは人間的器を広げるためには、口数を少なくし寡黙になって、相手の意見をよく聴くことを習慣化していくことが大事だというお話をしました。
 そうすると、積極的傾聴をベースに、カウンセラーや、コーチングをしているプロであれば、ファシリテーションは得意だと思いますか?
 もちろん、得意な方もいるのですが、そうでもない方もいらっしゃるようなのです。
 あるプロのコーチの方から、「コーチングは得意だが、どうもファシリテーションは苦手だ」という話を聞いたことがあります。
 どうしてそうなるのかなと不思議に思いましたが、どうも、コーチとしての積極的傾聴のやり方が、ファシリテーションをする際にもくせになって出てしまい、うまくいっていないようなのです。
 どういうくせだとお思いになりますか?
 それは、意見をいって下さる相手をしっかりと見て、よくうなずき、共感をしながら相手の方が答えを持っているということで、上手に質問をするというくせなのです。
 「え、どうしてそれがいけないの?」
 と、思うかもしれませんが、実は、コーチというのは、どうしても1対1で積極的傾聴をやっています。そのため、彼のやり方は、周囲の参加者の存在を忘れて、見事に1対1の積極的傾聴状態、すなわち、コーチングをしている状態になっているのです。
 どういうことを指しているかというと、同じ人に対して、意見を掘り下げていく感じなのです。だから、どうしても、彼がある参加者に対して積極的傾聴をしている間は、他の参加者は、非常に疎外感を感じているようなのです。
 「どうして、あいつの意見をそんなに熱心に聴く必要があるのか!」
 「あのファシリテーターはおかしいのでは?」
 と、あたかも敵のように映っていたわけなのです。
 要は、ファシリテーターの立場の基本というか、前提である中立的な立場が、全くない偏った印象を、与えていたということなのです。
 これは、ベテランのコーチの方が、たまに陥る落とし穴のようなものかもしれません。
 プロのコーチだけでなく、組織の中における上司という立場で、部下のコーチとして、1対1の積極的傾聴が上手な方で、同じような状況でとまどいを感じておられる方がたまにいます。
 そういう方に、
 「チームの皆さんに対する積極的傾聴は、うまくいきましたか?」
 と、ファシリテーションの演習後に聞いてみると、
 「いや〜、一部の方には、きちんと出来ましたが、時間が足りなくて、全員に対しては無理でした」
 というようなことが多いわけです。
 さて、どのようにすれば、参加メンバー全員に対して、きちんと積極的傾聴が出来るのでしょうか? 
 それには、簡単なコツがあるのです。
 あるメンバーに意見をいっていただいたら、
 「はい、ありがとうございます。あなたの御意見は、○○ということでよろしいでしょうか?」
 と、軽く感謝と確認をします。そして、OKということであれば、ただちに参加者全員に対して、
 「ただ今の御意見について、他の皆様は、どのように感じられましたか?」
 と、全員に問いかけるのです。
 決して、同じ相手に、
 「どうしてそう思うのですか?」
 「別の見方はできないでしょうか?」
 などと、深堀をしてはいけません。
 できるだけ、早く、全員に問いかけ、全員の意見に耳を傾ける努力をしないといけないのです。そして、全員の顔をしっかりと見回すことが、とても大事です。
 すると、必ず、参加者の中から、手を挙げなくとも、顔の表情や、体のしぐさで何らかの反応をする人がいるはずです。そういう人を、決して見逃してはいけません。
 すかさず、
 「今の御意見に、賛成でいらっしゃいますか?」
 「今の御意見に対して、何かおっしゃりたいことがおありのようですが?」
 と、意見をいう機会を差し上げることです。
 そうすると、参加者にとって、「このファシリテーターは、参加者の発言を助ける強力な味方である」という風に、その姿が見えて来るのです。
 どうぞ、このあたりの感じを上手に使い、1対1と、1対多の場合の違いを混乱しないように気をつけて下さい。
 そして、ファシリテーターとしての、1対多の積極的傾聴のマインドを高めていって下さい。

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2007年11月04日

ファシリテーションというと、会議などにおける「進行調整介助役」といわれており、かなり雄弁な人でないと、人を説得できないし、うまくやれない役割だと思われがちのようです。
 しかし、そんなことはありません。むしろ、寡黙の人の方が、奥の深いファシリテーションが出来るといってもいいでしょう。
 なぜかというと、他人の話をじっくりと、またゆったりと聴くことが出来るタイプでないと参加者から納得のいく合意、すなわちコンセンサスを得ることが出来ないからです。
 よくペラペラとしゃべるタイプの場合、ともすると、上手に全員を妥協させてしまっていることがあるのです。
 たしかに、会議の雰囲気もよく、全員が納得して合意を得たようにも見えますが、実は、参加者が、自分の本心は結局いえなかったということがあるのです。
 このあたりが、スキルを超えたスキル、メタスキルのような世界にもなるかもしれませんが、一部の参加者の意見には、しっかりと耳を傾けていたのですが、知らないうちに、声の大きい人や、ファシリテーターの好む意見で、押し通してしまったということもあったります。
 誰も、反対しないので、安心してすっと流してしまうわけです。
 大抵の場合、ペラペラしゃべる方は、頭のいい方が多いものです。
 しかし、ともするとこの頭の良さが災いして、参加者の意見を早飲み込みしてしまうこともあります。
 また、得てして、頭がいいと思っている方の中には、キャパがない方もいます。
 要は、どちらかというと切れるタイプです。こういう方の場合は、自分と異なる意見がでると、自分の顔にその意見はダメだということが無意識に出てしまう傾向があります。
 そのために、参加者が、ますます遠慮をしてしまうことにもなりかねません。
 ですから、普段(ふだん)から寡黙であって、良く人の話が聴けるタイプの方が、ファシリテーターの場合、参加者が、安心して本音をいい出しやすいということがあるのです。
 人物としても、大幹部になっていくような人というのは、若い時には、ペラペラとよくしゃべるものです。しかし、ある一定の年齢を過ぎると、口数が減り静かに他人の意見を聴いたり、自分一人で沈黙の時間を持ちながら、考えを深めていくことが出来るようになって来るものです。
 そのあたりを、若い時から意識して、「自分は、他人の真意を、本当に理解しているか?」ということに気をつけながら、相手の話をしっかりと聴く習慣を身につけていくことはとても大切です。
 かつて、大正デモクラシーと呼ばれた時代に、平民宰相として一世を風靡(ふうび)した首相に、原敬という政治家がいます。
 当時、彼の政敵は、首相はもちろんのこと枢密院議長も務め、軍においては元帥の地位にあり、明治大帝以外には彼の上に立つ人間はいないとまでいわれた山縣有朋という明治の元勲でした。
 ところが、この政敵である山縣が、原敬のことを次ぎのような言葉で、高く評価しています。
 「原は、最近、話上手(じょうず)から、聴き上手になった。政治家として大成して来た」
 といったというのです。そして、
 「首相の器としては、原以外には考えられない」
 と絶賛し、首相を降りたいといっていた原を、やめないでくれと懇願したというのです。政敵であっても、人物としては、それだけの高い評価をしていたというのです。
 いつの時代でも、人間の器として円熟味が増していくためには、聴き上手にならないといけないようです。
 山縣有朋も、かなり強引なイメージがありますが、東京商工会議所の初代会頭であった渋沢栄一によると、「山縣公は大変寡黙であり、相手の話をよく聴く人だ」といっており、政治家というと一方的な話上手のイメージがありますが、力があり指導力のある大政治家の場合は、意外にも寡黙な面も持っているようです。
 いいファシリテーションを目指して、こういうリーダーとしての器を磨いていくというマインドも大切になさっては、いかがでしょうか。
 それには、普段(ふだん)から、ペラペラしゃべることよりも、口数を少なく寡黙にして、相手の意見をじっくりとよく聴くことを、習慣化していくことです。

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2007年10月06日

「その5」の中で、「人生における大きなトラブルというのは、8割くらいが、人間関係の問題が絡(から)んできます」と申し上げました。
 人生の悩みの8割くらいは、人間関係の改善のコツを知っていると悩みのほとんどが解決に向かうということもいわれています。
 今回は、人間関係改善の方法について、ご一緒に考えてみたいと思います。
 人間であれば、その漢字が示すように、人の間で生きていかねばなりません。人間関係の問題は、どうしても避けて通ることはできません。
 そして、これが、大抵の場合のあなたのストレスの原因になっているかと思います。
 いいファシリテーションをするには、ファシリテーター自身が、気分的にイライラ、カリカリしてストレスが溜まっている状態では、決していいファシリテーションはできません。
 おだやかな柔和な顔や、雰囲気がとても大切なのです。怒ったような顔や、疲れ切った暗い顔では、決していいファシリテーションは出来ないのです。
 ファシリテーションをする場合は、元気な明るい顔でなければ、いい場造りはできません。
 それでは、日ごろの人間関係において、どのようなマインドを持っていればいいのでしょうか?
 また、どのように人と接していくことが、あなたのストレスを溜めないで生きてゆけるのでしょうか?
 基本としては、相手の悪をあまり見つめ過ぎないということがあります。
 一緒に仕事をする上司や、同僚、あるいは家族にしても、人間であれば、どうしても、欠点の部分が、よく見えてしまいます。
 少し、離れていると、気がつかないことであっても、親しい関係や、直接関わっていると、どうしても気になる点や、この人は、ここが、少しおかしいのではないのかという部分が気になるものです。
 注意して、相手がそれを直せる場合には、そんなに問題にならないでしょうが、注意しても直らない、あるいは注意などできない関係にある時は、非常にストレスが自分の方に溜まって来るものです。
 こういう場合は、相手を変えよう変えようとする気持ちを、捨ててしまうことをお勧めします。
 なぜなら、相手を変えることは、ものすごく疲れてしまい、エネルギーが必要ですし大変です。
 要は、自分を変えるほうが、たやすく効率的であるということです。
 そう思うだけで、安心する人もいます。
 そして、相手の欠点に目がいくのではなく、相手の長所を努力して探し出すのです。どんな人でも、必ず長所は持っています。また、あなたにとってのプラスに働く何かを持っているはずです。
 「いや、あんな奴からは、何も得るものはない」
 と、いう人であれば、他山の石として、そういう人間にはなるまいと、自分を戒(いまし)める材料として役に立っていると思うとよいのです。
 善人だけでなく、悪人のように思えるいやな人からもでも、学ぶことはできます。悪いことをする人間あるいは、人から嫌われる人間というのは、こういう心の傾向性があるのだ。自分の中にも、そういう悪にそまったり、人から嫌われるような部分はないだろうか、もしあるのであれば、直していこうと思うことです。
 いかなる人間関係であれ、あなたにとってマイナスになるものはありません。そこから、何らかの学びを得ることが大切なのです。
 実は、そういう人間観察をやっていくと、どうして相手がそういうことをいうのか、あるいは、そのような理解できない行動を取るのかの、意味がしだいによくわかってくることがあります。
 要は、相手の目線に立って、相手が何を考えているかが、わかるようになって来るのです。相手のちょっとしたしぐさで、簡単なマインドリーディングができるようになって来るのです。
 このマインドが、実際のファシリテーションの際に、とても役に立つのです。
 会議に参加しているメンバーのちょっとした表情や、態度から、何を考えているのか、それとなくわかるようになって来ます。
 こういうことを、ファシリテーターのマインドアップのヒントとして、頭の中におきながら、日頃の人間関係も上手に調整していかれると、いいのではないかと思います。

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2007年09月08日

「その5」において、大きな問題の対処法の最初の時点では、「まずは、感情的になるのではなく、理性的になれ」という話をしました。しかし、理性的になった後で、どのような手順で、その問題を解決に導くかという具体的な話は、まだしていませんでした。
 今回は、理性的な自分を意識できたら、どういう風に困難な問題と取り組むべきかの手順についての話をしてみたいと思います。
自分にとって解決できそうにない大きな問題は、「孫子の兵法」にもあるように大きな敵であっても、分散させて、小さくなった部分に自分の戦力を集中して撃破していくのがコツです。
 どういうことをいっているのかというと、要は、大きな敵(問題)を、いかに分解していくかということが基本となります。
 一度に対応するのが難しいわけですから、どんどん分解して、一日で対応できる分量まで小さくしていくということが大切です。
 それには、量的に分けるということと、時間的に分けるという発想が重要です。
まずは、この問題は、いくつかに分けられないかと考えるのです。どのような大きな問題であっても、冷静に考えれば、分けられないことはないはずです。
 さらに、それを分けていくと、どういう順番でやっていくのが、効率的に問題を解決できるのかを考えます。
 さらに、すぐに出来ることか、いくら時間をかけても無理で、それが達成できなくても、すべてがダメにならない問題であるなら、思い切って捨ててもいいでしょう。
 もし、捨てるべきかどうかを迷うのであれば、次のような視点で考えるのです。
 自分自身の人生の原点を振り返るのです。
 あるいは、自分の人生の志というか、自分は人生において、これだけはやりたい。そうすれば、死んでも構わないということは、何であるのかを考えてみるのです。
 そうすると、「自分の人生において、これは、さほど重要なことではないぞ。むしろ、こちらのことに力を集中する方がいいのではないのか」という判断がつくようになって来ます。
 こういう考え方(マインド)は、ファシリテーションをやっている際に、会議が
堂々めぐりしたら、何を選ぶべきか迷ってしまった場合などに、
 「本日の会議の目的と成果は何だったでしょうか?」
 と、全員に問いかけをする「原点回帰」の発想と同じなのです。
 これを、自分自身に対して行うと、今、何をすべきかということがしだいに見えて来るようになります。
 さらに、「80対20の法則(パレートの法則)」を使うとよいと思います。
 物事というのは、重要な2割を押さえると、全体の8割はカバーできるという発想です。
 多くの人は、問題解決にあたり、10割のすべてをやらないと解決できないと思い、あれをやり、これをやりとあらゆることに手をつけてしまい、自分の戦力をどんどん消耗しているのです。
 そうではなく、「まず、この問題の8割をカバーすれば、負けることはない」と考えるのです。
 そして、8割をカバーするには、すべてのことに手を出す必要はないのです。2割の重要なポイントを押さえれば、バタバタあわてなくとも、8割は確実にカバーすることができるという法則があるのです。
 これを使って、自分の体力、知力、時間、お金、人間関係などをフル活動させ、この重要な2割をさっと押さえることを先にやってしまえばいいのです。
 そして、それが、できたら次の問題の重要な2割りをすばやく押さえるという感じで、常に、余裕のある負けない戦い方をやることです。
 こういうマインドは、ファシリテーションにおいても、迷路に陥った場合、
 「すべてに手を出すのではなく、何を達成できれば、この問題をとりあえず解決したと考えられるでしょうか?」
 「皆さんにとって、完全な満足ということにはならないでしょうが、まあまあ納得のいく状態というのは、どういう状態でしょうか?」
 など、全員に静かに問いかけてみるといいでしょう。
 このあたりの余裕がファシリテーターにあると、すごいベテランのファシリテーターの感じが出てくるものです。
 ファシリテーターのマインドアップのヒントとして活用してみて下さい。
 

 │ clip! (13:47)

2007年08月03日

前回は、生活のリズムを狂わすような大きな人生の問題にぶちあたった際には、感情的になるのではなく、理性的になるよう自分で自分を落ち着かせるマインドが、ファシリテーターとしてのマインドアップに繋がるという話をしました。
 そして、そういうファシリテーターの冷静な雰囲気が、課題の困難さに参加者が動揺している際に、落ち着かせるための無言の力を発揮するということを申し上げました。
 今回は、こういうファシリテーターとしての落ち着いた沈着冷静なマインドを、さらに磨く具体的な方法を紹介します。
 人間は、仕事をする際に、バタバタとしている時は、脳波がベーター波動になっているといわれています。逆に、冷静で落ち着いている時には、アルファ波動になっているといわれているのです。
 これは、実際に機械を使って、計測することができるのです。
 実際に計測してみると、脳波が、ずっとアルファ波動の状態というのは、座禅をしている時の禅僧の脳波が、完全にアルファ波動になっているそうです。
 なぜかというと、座禅をする際には、背筋を伸ばして、腹式呼吸をしていますが、その腹式呼吸の効果により、脳波がベーター波動から、アルファ波動へと切り替えることが出来るそうです。
 この座禅の際の呼吸法を覚えておくと、ファシリテーションの際に冷静な雰囲気を生み出すのにとても役に立つのです。
 名ファシリテーターといわれる人の多くが、座禅などの静かな瞑想が好きだというのも、うなずける気がしますね。
 腹式呼吸を行うコツは、首や肩を回したり、腰を回したりして、全身をリラックスさせ、そして背筋をすっと伸ばすことです。
 そして、鼻からではなく、口から糸を吐くように、細く長く静かに息を吐き切ります。その際には、臍(へそ)の下の下腹、よく臍下丹田(せいかたんでん)と呼んでいますが、この部分をちょとへこます要領で吐き切るといいでしょう。
 フーと吐き切ったら、全身の力をスッと抜いて下さい。この力を抜いた際に自然に鼻から息が入ってくるはずです。
 気分がすっきりとなるはずです。そして、また、静かに息を少しずつ、口から糸吐き出すように、細く長く静かにゆっくりと吐いていくことを繰り返し行って下さい。
 これを、朝晩、練習してもいいでしょう。時々、仕事で疲れたなと思ったら、両手を組んで手の平を外側に向けた状態で、そのまま両腕を伸ばしたまま上にあげていき、天井を見つめつつ大きく背伸びをしながら、口から息を静かにフーと吐き切り、スッと全身の力を抜き、脱力をしてみて下さい。
 3回くらいやってみると、疲れが取れてすっきりとすると思います。
 ファシリテーションをやりながら、全員が疲れてしまっていたり、アイデアが出ないなら、こういった体操をちょっと入れるだけでも、流れが変わって来ます。
 ファシリテーションをやっている最中に、会議の進行を妨げる問題児が出て来たり、あるいは、一部の参加者が感情的になったために、あなた自身も心が揺れ始めたら、この腹式呼吸を、さりげなくやってみて下さい。
 もし、腹式呼吸が難しいという方は、静かに深呼吸をするだけでも、心が落ち着く効果があります。
 呼吸法により、冷静さを生みだすということは、ファシリテーターのマインドアップのヒントとして知っておくと、きっと役に立つと思います。
 どうぞ、覚えておいて活用してみて下さい。

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2007年07月05日

 前回は、ファシリテーターとして信頼されるには、「時間に正確である」ということが大切だが、それは早寝早起きや黄金タイムの活用などを、「一日一生」の考え方により、毎日続けて習慣化していくことが大事だという話をしました。
 また、このように、生活のリズムが一定の形でととのってくると、しだいに心の安定感が出てくるということも話をしました。
 しかし、人生においては、せっかく心の落ち着きが出てきても、予期せぬ事件に巻き込まれたりして、七転八倒してしまうこともあります。
 そういう状態になってしまうと、なかなかいいファシリテーションをやっている余裕などなくなってしまいます。
 なぜなら、じっくりと他人の意見に耳を傾けている余裕がなくなってしまうからです。そういう態度が、顔の表情や、ファシリテーションの際の何気ないしぐさに出てしまうこともあります。
 そこで、事前に、自分の人生にとって番狂わせのような大きな出来事があったとしても、出来るだけ早く、落ち着きを取り戻していく方法を前もって持っていないといけません。
 それを、ご一緒に考えていきましょう。
 人生における大きなトラブルというのは、8割くらいが、人間関係の問題が絡(から)んできます。
 一番いけないのは、仕事上あるいは、家庭でのこういう人間関係やトラブルの問題を、ずっと心の中に抱(かかえ)てしまい、朝から晩までそれだけを考えてしまうということです。
 これをやっていると、自分自身のストレスがどんどん溜まり、身心ともに疲れてしまいます。仕事効率がどんどん下がってしまいます。
 あなたなら、どういう対処法を考えますか?
 大きな問題が起きた時は、人間関係であれ、それ以外の問題にしろ、絶対に感情的になっては損です。もし、問題をすみやかに解決したいと思うのであれば、逆に理性的にクールになることです。
 できるだけ、さらさらと受け流そうと思うことです。はっきりいえば、思い切って忘れるという発想も大事です。
 一度、忘れてしまうことにより、あとでその問題を、違った角度から見ることができて、解決のヒントを得られるということがあるのです。
 あるいは、他人がヒントになることを教えてくれることもあります。
 要は、できるだけ、心を平静にする努力が大切なのです。
 人間は、誰しも、心が揺れることが、毎日たくさんあります。その喜怒哀楽に揺れる心を、いかにあわてずに静めていくかということが、実はとても大切なことなのです。
 まずは、あわてずに落ち着いて仕事をする方が、得であると思うことです。
そして、好き嫌いの感情に走らずに、理性的に、人間関係の問題で、どうしても相手を許せないなら、いつまでも怒ってくやしがることと、とりあえずそれを横において冷静になることと、自分にとって、どちらが利益になるかをよく考えてみることです。
 「ゴッドファーザー」という映画の中で、ゴッドファーザーが、自分の部下が殺されてカァー!となりそうになった時に、「落ち着け、カァー!となったら、頭の血の巡りが悪くなって負けてしまうぞ!」といって、自分の感情をおさえ、理性的になろうと努力しているような場面がありました。
 ギャングのボスでも、問題に対する、最初の対処の仕方をちゃんと知っているのです。
 人生において、何か大きな問題にぶち当たったら、すぐにカァー!となったり、嘆き悲しむ自分の感情に押し流されてしまう前に、「まずは、理性的になれ」と自分自身に、強くいい聞かせるよう頑張って下さい。
 そういう練習を、何か問題が起こる度に、繰り返しやって下さい。これをやっていると、しだいにそれが習慣化してきます。
 実は、こういうマインドが、あなたがファシリテーションをする際には、とても有効に働くのです。
 ファシリテーションを依頼される会議やチーム活動というのは、困難な課題が多く、参加者の心が右や左に揺れやすいものです。そういう時にこそ、このマインドを持っているファシリテーターの雰囲気が、参加者を無言のうちに、落ち着かせるのです。
 ファシリテーターとしていい仕事をするためにも、まずは、自分自身が冷静になるマインドを磨いていきましょう。

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2007年06月08日

前回は、信頼されるファシリテーターを目指してのマインドアップのヒントとして、普段(ふだん)から人に信頼される人の共通点として、「時間に正確である」ということについてお話をしました。
そして、時間に正確である人の特長は、仕事効率が高く、早寝早起きの習慣を持っている人が多い。さらに、黄金タイムの活用などにより、自分の時間も他人の時間も大切にしていると申し上げました。
それでは、こういう良き習慣を継続していくためには、どうしたらいいのでしょうか?

今回は、このあたりを、ご一緒に考えていきましょう。
実は、「一日一生」という考え方があります。あるいは、「一日の苦労は、一日にて足れり」ということでもいいかもしれません。
要は、毎日の積み重ねを大切にしようと思うことです。逆にいうと、毎日を、決して無駄にしないということでもあるのです。
そのためには、同じ生活のリズムを保てるようにしてしまうことです。たとえば、朝は余裕を持って、この時間には起きる。そして、夜は早めにこの時間には寝るという風に決めてしまいます。
そして、朝起きたらこの音楽を聴く。夜寝る時は、この音楽を聴いて寝るということを決めてしまうと、音楽を聴くことにより、体の方が自然に反応して起きたり、寝たりすることができるようになっていきます。また、朝、仕事を始める時は、パソコンに電源を入れたら、ゆっくりとコーヒーでも飲みながら、今日一日の時間をどのように使うか静かに考えてみる。そして、一日の仕事を書き出し、重要度順に順番を決めるということをやっていると、コーヒーを飲むことや、パソコンに電源を入れることにより、自然に仕事の段取りをする習慣がつくようにもなってきます。
そして、自宅に帰る際には、最後の10分間で、机の簡単な整理をします。そして、今日一日の仕事の段取りを振り返り、うまくいかなかったのであれば、その原因を考え、今後の糧としておくことです。そして、明日の予定をちょっとだけ、確認しておくことです。
こういうことを、まずは3日間頑張る。3日できたら、1週間頑張る。1週間できたら、2週間というように、少しずつ習慣化していくと、だんだん努力しなくても自然に実行できるようになっていきます。そして、心の余裕も出てきます。
要は、あまりバタバタしないよう、仕事でおもしろくないことがあっても、今日はこれでおしまい、明日は明日で頑張ろうと、一日一日で区切りをつけるよう自分で自分に言い聞かせることです。

このように、良き習慣を身につけ、一日一日を積み重ねて努力していくことにより、しだいに、自分自身に自信も持てますし、あわてないで、冷静な判断ができるようにもなっていきます。
そういう人は、非常に安定した落ち着きというものが出てくるので、安心してファシリテーションの仕事をお願いできるのです。
しかし、時には、あなたの人生を根底から揺り動かすような大きな人生の壁にぶちあたることがあるかもしれません。
そういった場合の問題解決の方法も、事前に用意しておかないと、自分のペースが狂ってしまい、生活のリズムが崩れてしまうこともあります。

そこで次回は、そういう人生において生きるか死ぬかの問題をどう解決していくのかのマインドについてお話をしましょう。

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2007年05月08日

前回は、ファシリテーターのマインドアップのヒントとして、人に好かれ信頼されるには、自分の方から周囲の人達を好きになっていくことが大切だという話をしました。
そのためには、周囲の人達の欠点よりも、長所の方に目を向け、まずは、あなた自身から、周囲の人たちへ笑顔を投げかける努力から始めて下さいと申し上げました。
今回は、特に「信頼される人になるためにはどうしたらいいのか?」という観点から、お話をしたいと思います。
「あの人は信頼できるよ」という人達には、一つの共通点があります。 それは、何だと思いますか?
信頼できる人達をじっと観察していると、「時間に正確である」ということがあるのです。
何かの待ち合わせでも、余裕を持って先に来ており、遅れてくるということがありません。
逆に、信頼のおけない人というのは、そういう待ち合わせでも、よく遅れてきます。仕事を依頼しても、なかなか予定の期日までに仕上げてこないもので、いつもバタバタしています。
要は、段取りが悪いのです。
仕事の効率が悪く、そういう人に何か仕事をお願いすると、お願いをした人が、かえって迷惑をしてしまいます。ですから、信頼してもらえないことになってしまいます。
他人からの信頼度を高めるには、まずは「時間を正確に守るという」ことを習慣化しないといけません。
そのためには、どうしたらいいのでしょうか?
それには、時間に正確である人達の習慣を見習うといいのです。
そういう人達は、たいてい早起きの人が多いはずです。
なぜなら、早寝早起きをすることで、朝のうちに早めに一日の段取りをしてから、一日の仕事をやっている人が多いのです。
要は、準備があるていどできているため、バタバタとあわてずに時間に間に合わせることができるのです。
また、仕事効率を上げるには、時間の使い方というのが、とても大切です。
人間には、一日の中で、この1時間あるいは、2時間は、ものすごく仕事の能率が高いという時間帯があるといわれています。
これをその人の「黄金タイム」と呼ぶ人もいます。
たいていは朝の時間帯の方が多いようですが、夜の静かな時間だという人もいるかもしれません。いずれにしても、自分にとっての黄金タイムを発見し、その時間に重要な仕事を集中してこなすということが、上手な時間の使い方でもあります。
さらに、朝一番に、今日やるべきことのリストを作成しておくのもいいかもしれません。そして、重要度順にやっていき、消し込んでいくのです。
こういう自分の時間を大切にし、そして仕事を依頼された相手の人達の時間も同時に大切にしていく習慣を身につけると、あなたは、ますます多くの人達から信頼される人となり、それが、人気のある信頼度の高いファシリテーターへの道に、きっと、繋がっていくと思います。

さあ、頑張ってみましょう。

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