ダンテ「神曲」

2009年05月06日

ダンテの「神曲」を読んでます(地獄篇)

「ダンテ」と言ったらスタオー2のラスボスが使う技か、Siren new translationの犀賀先生の「俺はダンテではない」しか思いつかない私ですが、一度くらい世界の名作を読んでみようと挑戦しました。

・びっくりその1
まず、翻訳者が大勢いる上に訳し方も全然違うらしいです。でも図書館に野上素一さんのバージョンしかなかったのでこれにしました。口語訳なのでけっこう楽に読めるかも。
・びっくりその2
1ページ毎に下部に補足説明があります。「深い眠りに落ちて」は補足で「霊魂の眠りは中世では罪の証拠」みたく。特に厄介なのは人名が出るたびに「〜〜の出身で〜〜をやらかした罪で地獄にいます」といちいち補足を見なきゃいけないこと。これはしんどいぞ。クレオパトラとか有名人もいるけど、チョイ役です。最下層でルシフェルにガブガブ噛まれてるユダとかセリフの1つくらいあっても良いのに。

で、この話は要するに作者を主人公にした「ダンテの地獄・煉獄・天国の3セット観光旅行」みたいです。たまに死んだ知人にあったり、残酷な罰を見て怖がったり、ワンピのインペルダウン編に似てます。地底旅行みたいな探検記が好きな人にはけっこう面白いかも。
道に迷ったダンテにヴィルジリオという有名な故人が現われて、「私に憐れみをかけてください」という凄い第一声で助けを求めるダンテに「近い道は獣がいるから遠回りして彼岸を渡るよ」とよくわからない道案内をかって出ます。

「ここに入るもの、すべての希望を捨てよ」
地獄の門に書かれてるこれって「魔界都市新宿」にもありましたが、ここから引用したんですね。これは知らなかった。

辺獄
善良な魂が住んでます。罪がなくても地獄行きっていうから「コロシ上等!俺たちゃ無敵のクリスチャン様だー!」(I love 梅澤春人)的な発想かと思ったら、責め苦はなくて「神に会えない苦しみに悩まされてる」そうです。確かに信仰がない人は神の領地に入れませんよね。「神はいないかもしれないが、いたらラッキーだから信じる」って考えは正解です。俺も信じよう!しかし、ここではソクラテスやアリストテレスみたく偉い賢者達は城に住んでます。辺獄にも格差社会か。

ビビりのダンテ。
最初は了解したダンテも「よく考えたら地獄とか危なくね?」と気づき、途中で何度も「帰りてー!」とビビりまくり。戦えない村人Aがダンジョンを熟練者と冒険するみたいなもんですからね。しかりヴィルジリオが言うには聖母マリアのお達しでダンテを助けるから怖いもんなしらしいです。ミノスやプルートに会うごとに「思い定めた事を実行できる所(天界)で定められたのだ。邪魔をするな」と水戸黄門の印籠みたく言い放って通してもらいます。言いかえると「俺たちの邪魔をすると天界が黙ってねえぞ!」。プルートが高い階層の番人なのはちょっと残念。テイルズオブファンタジアでは最下層にいたのにー。

名前もない天使の登場がかっこよすぎ。
天の御威光も地獄の第5圏に来ると効果が弱まります。ヴィルジリオがいくら言っても千匹の悪魔が門を開けません。ずっと安全旅行じゃつまらんと作者も思ったのでしょう(第8圏でも悪魔に追われてる)。ビビりのダンテが泣きそうな所に天界からの救援で1人の天使が爆音と共に登場。川の上を歩き、千匹の悪魔が逃げ出す。かっこいいです。門を開けると「天に逆らうなよ」と言って去っていきます。この際、ダンテ達を完全に無視。かっこいい!登場から退場まで大物オーラに溢れた漫画のお手本みたいな演出です。これがブリーチなら「奴も天界では下級の兵隊に過ぎない」「なん…だと…」とか言いそう。

よくわからなかった点。ダンテのご乱心っぷり。
地獄の第9圏で首から下が氷に閉じ込められた罪人をビビりのダンテがうっかり蹴ってしまった所。なぜか謝りもせず「名前を言え」とかなり偉そうです。相手が氷柱に繋がれてるから調子に乗ったんでしょうか。相手が「絶対に言わないぞ!」と意地になると罪人の髪の毛を一房むしってしまいます。汚いなさすがダンテ汚い。

そんなわけで意外と面白い感じでした。今から煉獄編へ。最後に出てくるというベアトリーチェは文学界の超人気ヒロインらしいので楽しみです。作者が初恋の相手をモデルにしたって説がありますが、うん、すごく納得いきます。実際のベアトリーチェは若くして死んでるし、そりゃ名作も書けますよ。初恋を妄想で補強したら無敵ですもん。気になるのは作者の奥さんがこの説をどう思ってたのかです。
dante
eruruu
こんな感じか?

fairypot2 at 00:23|PermalinkComments(124)
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