お茶魔王の雑記

雑記だよー!それだけだよー!

2016年12月

マッチ売りの少女はどう読むのが正しいのか

ふと気になったのでググってみましたが、「別に教訓なんてないし、それでいいんじゃない?」「少女が美人だったら皆買ってくれたはず!ブスは損だね」「ただ買ってくださいと言うだけで商品は売れぬ!知恵を絞れ」「そもそもマッチに需要ないんだから別のものを売るべきだった」などの意見があり、どれもそれなりに納得できる気がします。
私が一番「おおっ」と思ったのは「全員がマッチ一本分のお金を出せば少女は死ななかった。社会福祉制度がない恐ろしさを描いてるんだよ」という意見。そもそも父親が子供を働かせてる時点でいろいろな法律にひっかかってないとおかしく、さっさと子供を保護すべく国家が動かないとだめですね。現実にもそう思う事件あるし、エンディングで「少女は警察に保護されて父親は親権剥奪の上に懲役刑を受けました。国家や法律がないと少女は死んでいたでしょう。お前ら、税金払えよ!」というオチにしてもいいかもしれません。

小説「ザ・ロード」読んだ感想。これ、風来のシレンだ!



あらすじ
世界が荒廃し(理由はまったく語られない!)共食いや略奪も横行する世界で父親が息子を守りながら略奪者たちから身を隠しつつ食料を探して南へ移動するサバイバル活動記録。

ピュリッツァー賞をとった小説ですが、カタストロフものが最近読みたかったので手を出してみました。
結論を先に言うと不思議のダンジョンシリーズをやった人はぜひとも読んでみよう!

トルネコ、シレン、アスカ、チョコボ、などいろんなシリーズが出てるチュンソフトのゲームですけど(私は初期シレン、シレンGBをプレイしました。トルネコ初期は友達がプレイするのを見てた)、なぜあのゲームと似てるかというと話の大半で語られる「貧弱な装備で食べ物を探して歩き回る」シーンはあのゲームをすごく思い出すんですよ。ピュリッツァー賞をとれた理由は絶対にそこじゃないだろうけど。

「彼はロフトに置かれている干し草の梱(こり。かごってことでOK?)の前にしゃがんで掌いっぱいに種をほぐしとり床に座って食べた」

父親が種を食べて飢えをしのぐこのシーンはまさに「おにぎりがなくて"雑草"を飲んで生き延びるシレン」そのもの!最後は毒草やクネクネ草だろうと飲んだよねえ・・・。

「何個も詰まれた缶詰の箱。トマト、桃、豆、杏。ハム。コーンビーフ。水を詰めた10ガロンのポリタンクが何百個も。紙タオル、トイレットペーパー、紙皿。毛布を詰めたビニールのごみ袋。彼は額に手をあてた。ああ、すごい、といった」

民家の地下にあった使われてないシェルターを見つけた時の感動は「腹減り状態で店に辿り着いて巨大なおにぎりを見た時」と同じでしょう。よっしゃああああああ、と言いたくなったものです。

ほかにも略奪者相手に2発の弾丸で戦うシーンは「グレートチキンがこっちへ来る!でも武器ないし、矢が2本しかねえ!」みたいな状態ですし、「モンスターハウスだ!」的な場所にも行きますし、息子のせいで危機に陥るシーンは「そうそう。仲間のせいでやばくなる時あるよね」と非常に感慨深いものでした。

ただ、この小説は読点や改行が少なくて最初は読みにくいかも(途中で慣れたけど)。状況描写も多くて嫌いな人は映画版も出てるので観てはどうかと。
人間性や父性、倫理や宗教などもいろいろ考えさせる作品なんですが、まあ、それは別にいいとしてアイテムを求めてさ迷い歩く不思議のダンジョンシリーズ経験者にはなかなか良い小説だと思います。
「最近読んだザ・ロードっていう小説はなかなかだね。ピュリッツァー賞をとったやつだけど知ってる?」と言いたい人は読もう!(バーナード嬢曰く、みたいなことを言い始める)
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