お久しぶりです。
今回は、最近の生徒さんから多くある質問にお答えします。
『私の犬の問題行動の原因はなんですか?』
よく聞く質問です。
1番の理由は「犬が正しく社会化していない」事が原因ですね。
犬が正しく社会化しないとどうなるのか?
答えは簡単です。
「他の犬や人との挨拶ができない犬に育つ」
「挨拶ができないから必要以上に怖がる」
「怖いから吠える」
「自分が吠える声でパニックになり咬みつく」
という事ですね。
それでは、どうしてそうなるのか?
これも簡単な事なんです。
「親犬から離されるのが早すぎる」
これが大きな原因の一つです。
子犬に「1番必要なことは親犬からの躾」です。
これが抜けているから、社会化しない犬が増えているのです。
本来、犬は家族単位での群れ(社会)を作って生活をする生き物でした。
それが人と暮らすようになって、人の家族が犬にとっての群れ(家族・社会)に変わったのだと考えます。
ここに大きな問題が隠れていました。
「犬は人ではなく、人は犬ではない」
当たり前のことなのですが、ここが大きな問題だったのです。
私は「犬を正しく社会化させましょう」と言っています。
これはどういう意味なのか?
出来るだけ、わかりやすく説明をします。
長くなります。
本来「犬の社会というものは親犬が子犬に教えるもの」です。
それなのに、最近では子犬を親犬から引き離すのが早すぎる。
ここに大きな問題がありました。
『親犬が教えるべき事が全て抜けている子犬が人に迎えられる』
という悪夢の始まりです。
親犬は子犬に色々な事を教えます。
犬同士の遊び方。
他の犬との挨拶の仕方。
トイレの場所。
人との付き合い方。
これら全てを親犬は子犬に教えます。
そのはずなのに、それが行われない環境が出来上がっている。
問題行動が出ない方がおかしいですね。
本来ならば『親犬が子犬を社会化させます』。
それなのに、肝心の親犬がいません。
それではどうすれば良いのか?
1番確実なのは「正しく社会化した犬に教育してもらう」事です。
最初からそれが出来れば苦労はないのですが。
ここでの問題は、教育係が正しく社会科しているか?
ここに全てがあります。
正しく社会化していない犬に教育をされると問題犬になります。
他の犬を虐める犬との付き合いがあると、虐めに加担する犬になります。
「あのお兄ちゃんが他の犬を虐めるなら、僕もやっていいんだよね」
と、学習します。
とても怖い事ですね。
本来、犬という生き物は同族を虐めたりはしません。
それでは、なぜそのような事が起こるのか?
答えは簡単です。
『悪い事をした時に、親犬に怒られなかった』からです。
悪い事をすれば怒られる。
これは、犬にとっては当たり前のことです。
親犬は愛情深く子犬を育てます。
その子がまっすぐに育つように。
そのために必要なことを親犬は知っています。
それなのに、親犬から子犬への躾の機会を人は奪っています。
『犬は叱りつけずに褒めて育てましょう』
これは人間のわがままです。
親犬は子犬を叱りつけるのですから。
そこにあるのは虐めなどではなく、子犬への愛情です。
叱られることでも子犬は学習します。
当然、褒められることでも学習します。
しかし、悪い事をした場合は叱られないとわからないのです。
怒ったり、叱ったりするのも本来は愛情です。
この愛情を受け取る事なく育った犬は、問題行動の多い犬になります。
「僕は何をしても怒られない」
こう考えているであろう犬をたくさん見てきました。
正しく社会化した犬は、他の犬に優しく厳しい存在です。
だからこそ、犬を正しく社会化させる事が必要なのです。
詰まるところ。
正しく社会化された犬とは、親犬の躾(愛情)を受けた犬。
と言えます。
その親犬に問題があったら大変なのですが。
親犬からの躾を受けた犬は、他の犬を虐めません。
が、他の犬を虐める犬を許しません。
優しさと、厳しさの両方持った存在になります。
だからこそ、犬を正しく社会化させましょう。と私は言い続けます。
え?どうやって親犬が子犬にトイレを教えるのかって?
覚えていましたか。
子犬は、親犬のトイレの場所を真似します。
親犬がシートを使っていれば、それを見た子犬は「あそこがトイレ」と学習します。
こうやって、トイレも教わるのです。
人との付き合い方も同じです。
この人は大丈夫。と、親犬が近づく存在に子犬は興味を持ちます。
そして、他の人も安全である事を学びます。
犬との遊び方や、挨拶も同じです。
親犬の行動を観察して、子犬は学んでいきます。
こんなにも大切な事を教えてくれる親犬から早く離されてしまえばどうなるか?
よく考えてみてください。
ここまで色々と怖い事を書いてきましたが、難しく考えることはありません。
子犬を育てるときは、自分が親犬として接してあげる。
これを心がければ良いのです。
いたずらをしているときは叱りつける。
良い事をしている時には褒める。
退屈そうにしていたら遊んであげる。
基本は簡単な事なのです。
それをサボらなければ、犬は良い子に育ちます。
長々と書きました。
ここまで読んでいただいて感謝します。
それでは、また。