皆さんは「講談社X文庫―ティーンズハート」の存在を覚えていますか?
書店の本棚の一角をファンシーなピンクに染めていた背表紙。
「なかよし」で連載しているアノ漫画の先生の美麗なイラスト!と、「なかよし」派には気になる存在でした。
中身は、少女漫画の内容を文章に起こしたような、乙女心をくすぐる学園恋愛モノが多くて、漫画から少し背伸びしたい小学校高学年〜中学生にはうってつけの存在でした。


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そんな「講談社X文庫―ティーンズハート」より、
あゆみゆい先生のイラストの表紙が何とも可愛い「ロックンロール・ゴッドバアちゃん」です。

でも、このストーリーが凄い!!!

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前代未聞な内容すぎて

おバアちゃんはへヴィ・メタルの熱狂的なファン。
高校に入学したばかりの私を同じ道 に引きこもうと、しつこく誘うの。
けど私に は、ロックは悪魔の重金属音楽、いや、ただ の騒音にしか聞こえない。
でもでも、あ こがれの大田センパイがロックファンと知っ て、私の生活は一変したね。
毎日おバアちゃ んの部屋に入りびたって、気合を入れてロッ クの勉強よ。
大田センパイに少しでも近づけるチャンスなんだ。心はもうコレばっかり。

という、「少女漫画」と「ヘヴィ・メタル」の合わせ技という、前代未聞な内容ですw
主人公のお婆ちゃんは筋金入りメタラー。そして、ひょんなことから憧れのセンパイがのメタラーだと知って・・・
と、少女漫画の王道な流れにメタルをねじ込んだこのセンスが凄い。

そして、ところどころに著者のなぶらひみ先生の趣味が炸裂してるな〜という一節が・・・
いや、もしかしたらそのころ付き合っていたオトコの影響なのかも・・・?(ゲスい)

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「賛否両論あるみたいですけど、スティーヴ・ヴァイのギターと、デヴィッド・カヴァーデイルのボーカルは、基本的にソリが合わないような気がするんですよね」
なんて30年くらい前の中央線の居酒屋で繰り広げられていそうなこの会話、
この読者の何割が理解できたのだろう・・・w

ちなみに、この本を買った小学生の頃はチンプンカンプンでしたが、今となっては 「別にそこまでソリが合わないとは思わないけどな〜」ぐらいは言えるようになった館長です。


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「ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ヤードバーズ、そしてレッド・ツェッペリン こうして始まったロックの歴史が、ここに詰まっている。まあ、ハード・ロックが中心だがね。いつのまにかへヴィ・メタルと呼ばれるようになったが」
と、へヴィ・メタルの成り立ちについて、小学生でも分かりやすく・・・は微妙だけど、説明してくれる箇所もあったり。

余談ですが、館長はメタルよりも上記に挙げられているアーティストの時代の音楽を好みます。
でも、モーターヘッドはレミーがかっこいいので好きです。(そんな情報いらん)

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しかし、このお婆ちゃん。
63才という設定ですが、確かに私が小学生だった30数年前には存在しえないようなセンスですが、今だと野宮真貴さん(1960年生まれ)以上、夏木マリさん(1952年生まれ)未満な年齢なわけで・・・
ありえないセンスでもなくなった時代になってきましたね。

この小説が映画化されたら、夏木マリさんに演じてほしい!


しかし、当時は花井愛子先生を筆頭に、有名どころから一発屋のような作家さんも含めて相当な作家さんの数を抱えていたであろう「講談社X文庫―ティーンズハート」。
そういえば作家さんの中には林葉直子さんも名を連ねていたなぁ・・・

この著者のなぶらひみ先生の経歴がこれまたバブルな時代を表していて面白いな〜と。

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この世代のライターさんって「糸井重里一行100万!」の時代で、ライターを志望した世代の申し子なんだろうな〜
(今ではインスタグラマー、ブロガーになる層)とか思ったり。

そういえば、当時「ティーンズハートの作家になりたい!」って思った女子も多かったはず。
今でも心のどこかでなりたい自分がひょっこりと顔を出してみたり。

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