May 10, 2006

Neutral tone

考えてみれば、いつも、そうだ。
自分だけかも知れないけど、いつだって引き延ばされた二つの間に立ってしまう。
楽しみと悲しみのあいだ。嬉しさと切なさのあいだ。
どっちがどっちかを凌駕したり、どっちがどっちかを塗りつぶしたり、
そんなのやってみても上手くいかない。上手くいけばいいなーと思う。
そしたら辛くなくなるのに、と思う。でも、そうそう上手くはいかない。

“紺野あさ美と小川麻琴、モーニング娘。卒業”の報せを受けてからもそんな感じだった。
横須賀凱旋コンサートで笑顔いっぱいな姿があった、ということを受け想像を膨らませ、
急遽二人での放送となった面白ラジオにやばいくらいテンションあがったりして。
けど、やっぱりどこかで“卒業”の二文字がちらついて、やっぱりどっちつかずなあいだに。

そんな心境のまま、5月7日にSSAで開催われたコンサートへと向かうことに。
開演前にふたりのことを思い浮かべるとついついこんな感じになるんだよな、と想いを巡らせる。

   「鳥は誰に飛び方を教わるのかなー」
    なんて素頓狂なことを言い出すマコトに、
   「鶏と言えばあそこの親子丼美味しいらしいよー!」
    とトリちがいな回答のコンコン。
   「いまの無理問答だったらやっぱりコンコンの負けになるのかなー」
    つっこみどころ間違ってるマコト。
   「ナンバー吾っていう漫画に出て来た名フレーズだよね、私も好きだなー」
    2周遅れな回答、いいぞコンコン。

コンサートに行く前にゴロッキーズのDVDを見直していたこともあってか、
そんなやりとりがあってもおかしくないだろ、な二人を色に喩えるならニュートラルなトーン。
いずれにも片寄らない、中立的で場を和ませるようなイメージがしっくりくる。

SSAのステージ上で、10人のど真ん中でどっしり構えてみんなを引っ張るというよりも、
ステージいっぱいにひろがり、2人で10人を包み込む様位置することが印象的だったその姿が、
モーニング娘。の両翼と成って飛び立つ姿を想起させ、それが二人の出した“飛び方”なのかな、
と、思わずさっきの妄想への結びがふっと頭に浮かんで来た。

スポフェスの“無敵”に続けと、MCにて“無敵の19歳”という名フレーズが飛び出し、
“ラヴ&ピィ〜ス!”な曲に続いて流れ出した、「深く考えすぎるのも良くないんだぞ」
と言われてるかのような気分になる、ゆるーい空気感漂うラストソングを聴きながら、
スクリーンへとVTRが映し出されるなか、締めるかたちで流されたた二人のメッセージに、
曲調とメッセージのあいだにある、緊張と緩和の絶妙な さじ加減に、強く心を揺さぶられた。


二人の娘。ラストコンサートであり、紺野あさ美が迎えた19回目の誕生日だったこの日は、
楽しさと悲しさが、切なさと嬉しさが入り交じった、記念となる日。
アディオス BYE BYE チャッチャ!と、ありがとう!が入り交じった、 忘れられない日。

卒業の報せから10日以上が経ち、こうして自分の気持ちを書き残すことで、
ようやくニュートラルなところまで辿り着けたような気がしてきた。
ギアが噛み合ず動力が伝達されない状態ともいえるけれど、
まずはここから、ゆるりゆるりと、ニュートラルなトーンで。




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