FANTASY GIRLS

特に内容も変わらずにTMFA女子サッカー世界の未来のお話しっす この世界の女子サッカーは熱いんだぜぇ(笑)



「っしゃあああ!」
ひときわ大きい声で気合いの叫びを上げるとエンジェル・イレブンは円陣を解いた。
鈴香はキーパーグローブで拳を叩き、ゴール前に向かって走り出す。
他のイレブンもポジションに散る中で、みのりはゆっくりとした動作でスタジアムを見渡した。


「どうしたの、みのりちゃん」
そんな様子に声をかけたのは羽奈。みのりは客席を見渡し続ける。
「ひょっとして、先輩探してるの?」
羽奈はそう聞いた。みのりと寝食を共にしている中で彼女の先輩という人物については散々聞かされている。
羽奈にとって会ったことも無い(そう思っている)人物なのだが、既に旧知の仲になっているような気分にもさせている。

「ん、まあそれもあるんだけどね」
みのりは客席を眺めながらそう呟いた。そして、やっと目当てのものを見つけると笑顔を見せた。
その笑顔のまま羽奈に顔を向け、肩を思いっきり叩いた。

「痛い!なにするのみのりちゃん」
「がんばるわよ、羽奈!」
みのりは笑顔のまま駆けだした。その後ろで頬を膨らませた羽奈が追いかけるように走った。



「……約束、果たしに来たよ……」


みのりは小さな声で呟いた。
その小さな声は羽奈の耳には届いていなかった。






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唸り声のような歓声が響き渡る。
福岡県福岡市のマグパイ・パークはTMリーグ古豪春日スプリングサンズのホームスタジアム。
全国のスタジアムの中では小ぶりな印象があるのだが、客席とピッチが近く観客のことをよく考えた構造になっていると言えよう。
そのスタジアムが自ら唸るように声を上げている。

満員御礼のスタジアム。今日はサファイアカップ予選最終戦。
日本対フランスだ。



既に両国の選手たちは写真撮影を済ませている。
日本代表エンジェル・イレブンはピッチ中央で円陣を組んでいる。
「いい、この試合で決勝トーナメント進出が決まるわ。みんな緊張してない?」
キャプテンマークを巻いた藤田みのりが仲間達を見渡し、そう聞いた。
日比野あすみは余裕そうな表情を浮かべ、鷹取うららは流石アイドル兼任の鋼鉄心臓で笑顔を振りまいている。
高遠エリカや清水洋子、近藤榛名は硬い表情をしている。
みのりは三者三様の表情の選手たちを見渡しながら、その中でひときわ笑顔で楽しそうにしている少女を見つける。

「あんたはホントに楽しそうだね。羽奈」
みのりのその言葉に嬉しそうに頷く羽奈。
試合のプレッシャーを感じさせないその表情と仕草に、選手全員が苦笑をした。







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福岡県天神。
暖簾をめくり店から顔を出したのは白く長い髪の少女。
髪の毛と同じような白い肌はほんのりとピンク色に上気している。
続いて顔を出したのは金髪の少女。健康的な浅黒い肌の少女もやはり頬を赤く染めている。

「サイコーだねアリエル。これがジャポンのラメーンだったのか」
「違うよエレオ。ラメーンではなくラーメン。とは言えサイコーなのは間違いがない」

18歳以下女子サッカーフランス代表のロゴの入ったジャージ姿の二人。
エレオノール・デュランとアリエル・シャンプティエは顔を見合わせる。
アリエルの鼻腔ををくすぐる香り。クンクンと香りの先を探る。

「向こうだ。エレオ、行くぞ」
「はいはーい、次はどんなデリシャスに出会えるのー?」

ふたりは都合3件目の店を探し、天神の街を歩き始めた。






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前半終了の笛が吹かれ、日本とナイジェリアの選手たちがロッカールームに下がる。
控えの選手たちはボールを持ってピッチに飛び出して練習を始めた。
主人恵はボールを蹴りだしてピッチに向かいながら、肩を怒らせ、目を吊り上げている日比野あすみを横目で見た。

(ロッカールーム、大変なことになりそう……)

そんな恵の思いは、図らずと現実のものになった。









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前半30分を回って未だ0-0。
日本は左右のサイド攻撃で揺さぶりをかけるが得点には至らず、ナイジェリアのカウンターは時間を追うごとに鋭さを増している。
選手たちの耳に鳴り響く歓声が悲鳴に変わる回数も増えて、そして大きくなってきている。







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