グッ―――男の低い苦鳴が聞こえた。
己の手から放たれた電光のごとき一撃、石突が奴原めの芯を射貫いたからだ。
奴は、そのまま音もなく崩れ落ちてひきつけをおこした様に痙攣している。
多分、臓物のどれかが破裂したのであろう。
 柔な奴だと俺はぼそりと呟き嘆いたが、己の心中にある、なにやら名状しがたものが
己の顔に笑みを浮かばせようとしてくる。
 これは嘲りか?この伴天連の教えが禁じられた日本で、門徒の教えが禁じられている薩摩で
雑賀奴原共が伴天連の俺を取り囲み、今まさに刃を交えんとしているのだ。
これがおかしくてなんであろうか!
 俺の脳裏に、この奇妙な邂逅を起こした因が思い浮かびあがり追想にふけさせる―