2009年03月06日

最強は栃木SC!?

2月27日(金)の“2009Jリーグキックオフカンファレンス”を経て、翌日のゼロックスは鹿島がガンバを3得点完封と圧倒して終了した。
あとはこの週末にいよいよ開幕するJリーグを待つばかりである。
09年、17年目に突入となる今シーズンは、クラブ数がJ1、J2それぞれともに18クラブ、合わせて36クラブと、かつてない規模となり、しかもJリーグはその数をまだまだ増やすとすでに発表している。
J2などはリーグの試合数だけで年間51試合。
どこかの国にこれほど過密な試合を行なうリーグがあるのだろうか?
そしてその苛酷なリーグに今年から新加盟したクラブが3つ。
カタ―レ富山、ファジアーノ岡山、そして栃木SCである。

今回は冒頭のカンファレンスに参加した3名による鼎談をお送りしよう。
当初の目論見を大きく逸脱し、単なる飲み屋のサッカー談義(?)となってしまったのはご愛嬌。
リーグ開幕直前のお慰みとして楽しんでいただきたい。

参加者A:サッカー専門誌編集長
 〃 B:サッカー番組担当テレビディレクター
 〃 C:サッカージャーナリスト
―――いよいよ09シーズンを間近に控え、サッカー界も慌しくなってきましたが、今年期待すること、何か思うところがあったら聞かせて下さい。

 「期待って言ってもワールドカップ予選は世間的に盛り上がっていないし、専門誌はどんどん廃刊になっちゃうし、どうしたもんかなァっていうのが正直なところなんですけどね」
 「あれね、ワールドカップのレギュレーションなんとかなんないもんですかね? そりゃワールドカップに出られることは嬉しいには違いないんですけど、仕事として考えた場合、どうしても盛り上がりが…」
 「あはは、そりゃテレビは視聴率至上主義だからつらいところだよね」
 「いや、それは紙媒体も同じですよ、売れなきゃ潰れちゃう。廃刊だけはなんとか避けたいですもん。2号続けて売上部数が落ちたらすかさずお偉いさんから呼び出しがかかってありがたーいお説教…」
 「ウチなんかまだオンエア前、編成が決まった瞬間からそうですよ(苦笑)」
 「テレビの場合はかけてる金額が雑誌とは段違いだもんね、しかもたまに代表戦を放送したら視聴率がエライことになっちゃった」
 「ダメだダメだって言われてる麻生総理大臣の支持率より低かったですからねー、あれはショックでしたよ。我々の間では『消費税番組』って言葉があるんですけど、まさにその消費税に近づいてる感じ」
 「今回の予選の視聴率ってどんな感じ?」
 「えーと、3次予選はとりあえず2桁はいったんですよ、6試合全部が。といっても最高で18.3%ですけどね。最終予選は今んところ4試合が終わって、初めのバーレーン戦が8%代、その後は少し持ち直して16.3%、10%、そしてこの間のオーストラリア戦が22.9%ですね」
 「僕なんかはそれだけあれば充分な気がしますけどね(笑)。前までが異常だった」
 「いやでも、94年アメリカ大会の1次予選なんかほとんどの中継がそれこそ消費税まで届きませんでしたからね。一番ひどいのなんかUAE戦で1.2%なんてのもあった」
 「だってそれはあれでしょ、セントラルでやってたから日本じゃ朝の4時とか5時とかの放送だったからでしょ?」
 「まあ確かに日本テレビが日曜16時から中継した試合は24%でした。その試合だけが日テレで他は全部NHK総合だったんですけどね。でもそれにしてもあのドーハの試合は48.1%ですから、やっぱり夢よもう一度じゃないけど…中継したテレ東さんはウハウハだったろうなって思いますよ。それがあるから数字取れないのわかっていても予選から放送権を取りにいくわけで」
 「やっぱり視聴率が良かった番組を手本っていうか、構成を似た感じにして今の中継を作っているんですかね?」
 「あ、それはありますね。ていうか、サッカーって予選を全部通して観る人って普段からJリーグを観に行ってるような人がほとんどじゃないですか。どっかのクラブのサポーターってことですよね。だけど、テレビ全体で考えると、そういう人達ってのはほんのわずかなわけで、そういう人達がどれだけ一生懸命真剣に観て応援しても数字は伸びないわけで、そうじゃない人達に観てもらうためにはどうしたらいいかってことを考えなきゃ、番組作れないんですよね」
 「関係ない芸能人呼ぶとか?」
 「香取応援団長!(笑)」
 「まあ、そうなるわけですよ。サッカー好きにしてみれば面白くもなんともないでしょうけど、そうしなきゃもっと悲惨になって、放送権だけ買ってオンエアは無しってことになりかねない。ネットとかでどれだけひどいこと言われても『じゃあおまえらオンエア無くなってもいいんかいッ!』ってのが現状ですから。実際そうしないことには数字取れないんですから、マジで」
 「まあねー、そんなもんでしょうね、サッカーなんて。わけわかんないお笑い芸人やアイドルを出して、それで増えるような視聴者はサッカーなんて面白いと思ってくれないでしょ。仮にそれ目当てで観たとしても次にはきっと繋がらないと思う」
 「でも確かに間口は広い方がいいとは思うんですよ、間口はね。問題はそのあと」
 「いや、僕は視聴者を育てるとか教育しようなんて全然思ってないですから。だから毎回が新規さん相手ですよ」
 「Bさんサッカー好きじゃないですか。それでやってて虚しくなったりはしませんか?」
 「だって仕事ですからね、テレビ。サッカーが好きだからテレビをやってるわけじゃなくて、テレビやってるからサッカー番組をやれるわけで。まずはテレビマンとして数字を取ってナンボってのは当然ありますよ、そりゃね。じゃなきゃやりたいこともできなくなっちゃうし、サッカーどころか、仕事に呼んでもらえなくなりますから」
 「シビアっていうかなんていうか、はっきり割り切れるところが聞いていて却って清々しい(笑)」
 「B君はその辺はどうなの?」
 「僕はそんなふうには割り切ってないですよ。ただね、売れなきゃヤバイけど、自分でつまんないものは売れないだろうと思っていますから。僕の場合はBさんと違って元々がサッカー好き相手の商売ですからね」
 「Cさんは紙媒体でも電波媒体でも仕事してるじゃないですか。どうですか、全然違いますか?」
 「まあ違うといえば違うし、変わらないといえば変わらないね。思っていること、感じていることを文字にするか直接しゃべるかの違いは当然あるわけでさ。ただ、紙媒体の場合はある程度時間をかけてデータなり背景なりを調べることができるわけで、そこから見えてくることってかなりあるんですよね。テレビの解説なんかはそういうことで得た知識の蓄積があって初めてしゃべれるってところはあるかな」
 「僕がテレビでCさんの解説する中継を観てて思うのは『もっとこういうこと聞けばCさんは面白い話たくさん知ってるのに』って。アナウンサーの人をいつも罵ってますよ、テレビの前で(笑)」
 「いやいや、試合やってるわけだからさ(笑)。基本的に目の前の試合の邪魔にならないようにってことは気をつけているし、局側との打ち合わせでもそういう方向性ってのは話してるしね」
 「でもそれだとわざわざCさんを解説に起用した意味の半分くらいは捨てちゃってるような気がするんだけどなー。試合解説できる人なんていくらでもいるわけじゃないですか。そんな中からわざわざCさんを選んでるんだから…」
 「おいおい、俺の仕事に影響するようなことは言ってくれるなよ(笑)。まあでもそう言ってもらえるのはありがたいことだけどね。ただテレビってのはとにかく忙しいのよ。雑誌で書くのをマラソンだとしたら、テレビは短距離走っていうか、全力走だからね。そんな中でなかなか冒険はできないよ、自分だけの問題じゃなくてたくさんの人が関わっているわけだしさ。その辺で失敗しなさそうだから僕が呼ばれてる部分もあるんじゃないかって思ってるよ。さっきの話じゃないけど、その辺は割り切ってるかな、僕も」
 「何も紙媒体と電波媒体が一緒じゃなきゃいけないわけじゃないし、逆にそれじゃ面白くないでしょ、同じことやってちゃね」
 「まあ確かにそれはそうですけどね」

―――えーーと、初っ端からテーマとずいぶんズレちゃってるんですけど(笑)。まあ面白けりゃ何でもいいんですけど、とりあえずこの間のカンファレンスに参加してみて何か思ったことはありますか?

 「あ、テーマってあったっけ?(笑)カンファレンスはまあ単なる懇親会っていうか、見本市みたいなもんだからね。思ったことって言っても…」
 「一応僕も撮影はさせてもらったんですけど、やっぱりスターが不在っていうかね。こんなこと言っちゃ各クラブの列席者に申し訳ないんだけど。各クラブとも実行委員(社長)と監督、それに選手1人と広報担当の人がいたわけじゃないですか。その中で、たとえば鹿島なんかは青木(剛)君が参加して“全タイトル制覇”を宣言してくれたりなんかしたわけだけど、正直なところ、大迫(勇也)君なんかが参加してくれた方がありがたかったかなとは思う。隣りのブースが開幕で対戦する浦和なんだから、浦和は原口(元気)君でさ。鈴木(啓太)君もそりゃいいけど、やっぱりフレッシュな、ね」
 「う〜〜ん…」
 「なに? A君は納得いかない?(笑)」
 「協会、リーグ、代理店、テレビの人ってみんなそういうんですよね、スターが欲しいって…それにはどうしても納得できないっていうか、賛同はできないですね、僕は」
 「うんうん」
 「スターは自然に出てくるもんで作るもんじゃないと思うんですよ」
 「つまりさ、スターが欲しいと口にする人ってマーケティングが先なんだよね、サッカーよりね。ただし、それが悪いとばかりは言えないわけで、それぞれの考える立場、位置から見れば両方正しい」
 「土台がどうなのかってことがあると思うんですよ。今はまだ日本のサッカー界っていうのは底辺をしっかりさせる時期で、つまりは底辺拡大が出来なきゃそれは無理ですよね。それにはやっぱり世間の耳目を引き付ける存在が一番手っ取り早いわけで、土台が固まったらあとはそれこそサッカー好きの人に向けたようなある意味マニアックな番組も作れる…」
 「いやいや、ちょっと待って下さいよ。それで犠牲になるものが必ずあるわけで、そこの部分の足し引きっていうか、人為的に壊してしまう、壊れてしまうもののことを何も考えないで何でもマーケティング優先っていうのはやっぱり納得できないですよ」
 「スターが生まれて壊れるものってたとえば?」
 「一番はサッカーそのものですよ。サッカーが壊れてしまう。日本のサッカーは良くも悪くもコレクティブにいかなきゃ世界とはまだまだ差があると僕は思ってるから、そこをご破算にしてしまうのはやりきれない」
 「いやいや、それはどうなんだろ。個の力が伸びないで、組織に頼り過ぎるから世界との差が縮まらないって考え方もあるんじゃない? スターが出て来たからって壊れるようなサッカーなら、元々日本には力がないんじゃないかって俺は思うけど」
 「個の力は必要なんですよ、もちろん。それが伸びなきゃ世界の中で先はないと思います。ただそれはあくまで組織が噛み合っての個であって、ひとりやふたりだけが特別だと結局のところはチームとして機能しにくいんじゃないかって今までの日本のサッカーを見てて思うんです。Cさんはどう考えます?」
 「スターシステムって確かに日本にはあまり馴染まないよね、実際のところ。それはサッカーっていうより日本人そのもののメンタリティに拠るところが大きいと思うんだ。だけどB君が言うようにスターが日本のサッカーをガラリと変える可能性もなくはないとも思うよ。それこそ古い話で言えば釜本・杉山とか、野球の長島・王みたいなさ。相撲には大鵬・柏戸、ボクシングにはファイティング原田とかね。注目されることで全体が引き上げられる可能性はないとはいえない。それもやっぱり日本人のメンタリティに由来するものだと思うんだ、良い悪いは別にしてさ。ただ、個人的なことを言えば、そんな人材は日本全体の今の教育から変えていかなきゃ出てこないと思うし、それによって日本人全体の意識が変わらなきゃ今後もそうはならないとは思ってるけどね」
 「俺たち全然テーマ関係ないね(笑)」
 「あははは」
 「なんだっけテーマ?(笑)」
 「この間のカンファレンスだったよね?」

―――もういいです、テーマは諦めました。好きに話して下さい(苦笑)。

 「監督で一番人気があったのはやっぱり西野(朗)君だったね。翌日にゼロックスがあったからかオリヴェイラなんかも人だかりがしてた」
 「ただ、同じ条件ならどうしても直で言葉が通じる日本人にいっちゃいますけどね(笑)。メディアとしては鹿島・浦和・ガンバはやっぱり食いつきますよね。西野さんは36クラブの監督の中で、ただひとりノーネクタイ。それがまた絵的にカッコ良かった」
 「外国人と日本人ってことでいえばそれはあるよね、どうしてもね。感情や気持ちがストレートに視聴者や読者に届きやすいから。でも今回は鹿島と浦和が隣り同士で、両方とも外国人監督だからそこは外せなかったけど。西野さんはそりゃあ外せないでしょう」
 「選手では宮本(恒靖)かな。やっぱりメディアは見た目重視(笑)」
 「黒山の人だかりだったですよね、宮本。神戸っていうチームを考えたら本来有り得ないんだけど(笑)」
 「やっぱり代表選手を出してきてるクラブにはいきたいところです、テレビとしては」
 「巻(誠一郎)のところも結構賑わってたよね、そういえば。一番外れに熊本のブースがあって、そこには藤田(俊哉)がいた。なんていうか、感慨深いもんがあったなー。ヴェルディの服部とかさ」
 「あ、ふたりともいましたっけ?」
 「これだもん(苦笑)」
 「ロアッソ熊本かあ、いけないですよねー、やっぱり(笑)」
 「あれはさ、やっぱりそのクラブの地元メディアがどれだけ付いているか、どれだけ力を入れているかって大きいよね」
AB「それはありますね」
 「地元メディア、特にテレビ局にクラブの冠番組があるのとないのとじゃ全然違うでしょうね」
 「そういうことで言えば関東なんかより断然地方の方が強いんですけどね」
 「神奈川なんかtvk(テレビ神奈川)だけで4クラブ抱えてるんだもんね」
 「地方クラブは何も中央のメディアを意識する必要なんてないと思うんだよね。そりゃ気持ち的には全国放送、全国発売のメディアの方が嬉しいだろうけど、実質的なことを言えば、中央メディアでたまにちょこっと露出するよりは、地元メディアできめこまかな露出を継続的に続けてもらった方が実になる。そこはもうちょっと厳格に戦略考えた方がいいと思うよ、クラブはさ。ダメな理由ばかりいくら探したって意味ないし、前には進めないんだからね」
 「あのですね、栃木なんですよ、結局勝ったのは」
 「えッ!?」
 「A君結構飲んでるよね(笑)」

※(この鼎談はある酒場で飲みながら行なわれている)

 「いやいや、そりゃ飲んでますけどね、でも栃木、目につきませんでした?」
 「栃木って誰がいたっけ? 監督は松田(浩)君だよね、確か」
 「誰が出てたかは全然覚えてないんですけどね」
 「あははは。俺も覚えてないや」

※(栃木SCから出席した選手は落合正幸)

 「各クラブがいろんな資料置いて渡してたじゃないですか。イヤーブックとか。金のあるクラブなんかはイヤーブックもきっちりちゃんとしたもの作ってるから、結構なページ数なんですよね、あれ。ガンバとかのなんか豪華ですもんね。そういうのふたりとも持って帰りました?」
 「そうかそうか、わかった…」
 「俺はもらわなかったな。ていうか、若いのがもらってるのかも知れないけど」
 「紙袋でしょ?」
 「そう! 紙袋!!」
 「紙袋!?」
 「いろんな資料を持ち帰るのってかなりの重量があって大変なんですよ。36クラブ全部じゃないにしても、チェックしときたいクラブの資料だけでも結構な重さになる。それぞれのクラブは自分のところの資料のことしか考えないから、それでも持ち帰り用にビニールの手提げ袋を用意してくれたりしてるんですよね。資料だけ用意して袋さえ用意してないところもありましたけど。そんな中で、唯一栃木SCだけが大きめの紙袋を用意してたんですよ」
 「そうそう、自分のところの資料だけじゃあまりにも大き過ぎるようなね(笑)」
 「そうなんですよね、あれはあらかじめ戦略を練ったんじゃないかと思うんですよ」
 「ビニールの袋に他の資料とか突っ込んだら持ち手の部分がちぎれちゃったもんな」
 「俺も! 大宮のとかね、ちぎれて持てなくなっちゃった。そんで最後の方に栃木からもらった紙袋には他のクラブの資料が全部納まって、片手で持てる」
 「言われてみればそうしてた人が多かったよね」
 「終わりかけでぞろぞろみんなが帰りかけてる時、見たらみんな栃木SCのロゴ入り紙袋を持ってる(笑)」
 「なるほどねー。まるでブランドショップの新規開店みたいだな(笑)」
 「持ち手もプラスチックでしっかりしてて、白地の下の方に黄色・緑・青の栃木カラー。しっかり『TOCHIGI SC』ってロゴ入りでね」
 「あー、あの袋そうだったんだ。ウチのデスクにもそう言えばあったわ」
 「デザインも案外オシャレっていうか、地味っていうか(笑)」
 「少なくとも栃木ってイメージじゃないですよね、あれ。こんなこと言っちゃ栃木の人に申し訳ないけど(笑)」
 「そういえば受付時に『Jリーグお土産引換券』ってのをもらって、俺はそのまま帰ってきちゃったんだけど、A君もらった?」
 「あ、もらいましたよ」
 「俺ももらってないや。何だったの?」
 「リーグオフィシャルスポンサーのキヤノンからデジカメのIXYもらいました」
BC「うそッ!?」
 「嘘です(笑)。分厚くて重い資料ブックと携帯座布団かな」
 「あー、びっくりした〜。エライ損しちゃったと思ったよ〜ォ」
 「引換券まだ持ってるから、Jリーグ事務局にもう引き換えはダメかって問い合わせようかと思った(笑)」
 「あはは、そんな景気いいわけないじゃないですか、このご時世に」
 「そう言われりゃそうだ」
 「でもあの分厚いJリーグイヤーブックってどうにかならんもんなんですかね、確か600ページくらいあるんですよ、あれ」
 「ああ、公式記録ブックのことね。結構いい値段で販売してるんだよねあれって」
 「ディスクに入れればいいのにね」
 「ああ、そうですよね、全部ディスクに入れて渡してくれればいいのに。そうしたら使う方としても便利だし。なんでそうしないんだろ?」
 「そうしたらいくらでも情報がやり取りできちゃって、タダでネット上に流失しちゃうからじゃないの? あれ確か2000円くらいするんだよ」
 「読み取り専用で、保存・複製不可の仕様にすればいい」
 「そういうことできるんだ?」
 「できるんじゃないですか? 詳しくは知りませんけど、そのくらい簡単だと思う」
 「じゃあ来年からはそうしてもらわなきゃね」
 「Cさん、鬼武さんに言っといて下さいよ」
 「なんで俺が言うのよ」
 「そこは年の功ってことで」
 「意味わかんないよ」
 「あはは」

―――もうただの飲み会になっちゃったな(苦笑)。

 「ダメ?」

―――いやいやダメじゃないです、ダメじゃないです。ところでお三方は今、日本のサッカー界で何か気になることってないですか?

 「シーズン移行とか?」

―――ああ、そうですね、ただシーズン移行については別な機会にスペース設けようと思ってるんで、今日はやめときましょう。あとないですか?

 「この飲み会の会話が公表されるのっていつなの?」

―――えーーと、開幕前日くらいですかね。

 「(3月)6日ってこと?」

―――そうです、そのくらい。

 「『くらい』じゃダメなんだよ、『くらい』じゃ」

―――えーー、そんな絡まないで下さいよ…。

 「別に絡んでるわけじゃないよ、大事なことなんだから」

―――あ、そうなんですか? じゃあ6日の朝イチに公開することにします。

 「うん、オッケー。それは守ってくれよな」

―――わかりました。で、それだとなんかあるんですか?

 「あのさ、去年から選手移籍金の撤廃って報道されてるだろ?」
 「ああ、選手協会がJリーグに求めてて、リーグはそれを渋ってるってやつね」
 「そうそう。あれさ、もうすぐ実現するよ」
 「へえ、そうなんですか? じゃあ移籍が自由にできるってことですか?」
 「いや、でも鬼武が反対してるらしいじゃないですか。選手協会が言ったからってそんな簡単に実現しますかね?」
 「いくら鬼武が反対してたって、選手がリーグやクラブをCASに訴えたら負けちゃうよ。我那覇の時と違って選手協会には1000人から会員がいるんだからさ。金を捻出するのはそれほど難しくないだろ」
 「そっか、なるほどね…」
 「負けますかね?」
 「そりゃ負けるよ、FIFA規約と違うルールでやってんのはリーグやクラブの方だもん」
 「うんうん、確かに負けるでしょうね。ボスマン・ルールがありますもんね」
 「その通り。ボスマン判決って日本にはあまり馴染みがないけどね、まだね。それとさ、選手ってのは個人事業主だけど、法的にはクラブと選手の関係ってのは雇用主と労働者の関係なのさ、細かいことを抜きにして言えばね」
 「税金とかは違うけど、関係的にはってことですよね」
 「そうそう。ところが今のJリーグの規約ではそういうところでかなり怪しい部分がある。普通の会社と社員の間だってちゃんと労働法で労働者の権利が守られてたりするけど、Jリーグではそこのところがかなり怪しい」
 「でも法律では団体の規約が優先されるようになってますよね?」
 「うん、でもそれは日本の法律の中での話でさ。問題が起きたら当然日本の法律の方が優先されるでしょ。ま、俺は法律の専門家じゃないから詳しくはないけどさ。常識的に考えてね」
 「いや、社会の常識が通らないのが日本のサッカー界っていう(笑)」
 「まあね、でもボスマンルールがあるし、CASにも判例があるしね。リーグ側もそれほど馬鹿じゃないでしょ。またドーピングの時みたいに、選手にCASまで行かれて負けましたなんてことになったら、今度こそ譴責処分なんてただの体裁作りだけじゃ済まないでしょ」

―――移籍金制度がなくなるのはわかりました。でもなんでこの話が公表される日付に拘ったんですか?

 「実はさ、Jリーグ内でもう話が出ててね、おそらく開幕前にはどこかの代理人が新聞とかにリークすることになってんのよ。既成事実を作るわけ。そういうやり方って本当はJリーグや協会の方が得意なんだけどね(笑)」
 「川淵とか川淵とか、もしくは川淵さんとかですよね(笑)」
 「でもそうなるといろいろ問題も出てくるんじゃないですか? たとえば…」
 「いや、ちょっと待った! 俺少し酔っ払っちゃったわ。なんでこんなことをギャラももらえないのに公表しなきゃなんないのかって(苦笑)。続きはどっかにギャラもらって書くなりしゃべるなりするから。もうこの話はおしまい!」

―――わかりました。それじゃこれ以降は公開しませんから、この場だけでの話ってことで続けてもらえません?

 「実はさ、前に鹿島の社長……」

※(これ以降はCさんとの約束により、残念ながら割愛)

 「そういえばあのカンファレンスの時に、○○社長(J2クラブの社長)が○○社長(J1クラブの社長)と立ち話しててね、そのあと他のクラブの社長も呼んで、結局4、5人いたかな、テーブルのところに座って話し込んでいたでしょ? 見ました?」
 「俺は見なかったな。とにかく狭いところにあれだけの人だから暑くて暑くて。一通り見て帰ってきちゃったからね」
 「俺も気づかなかったなァ。それがどうかしたの?」
 「いや、別にどうかしたってわけじゃないんだけど、あれってワンタッチ・パスを導入することになってるクラブの社長ばっかりなんですよね」
 「あ、なるほどね!」
 「リーグに対する作戦練ってたんだろな。で、その音頭を取ってるのが○○さん(J2クラブの社長)ってのが興味深いね」
 「ですよね、初めに話してた相手が○○社長(J1クラブの社長)ってのもね。あ、ねえ、芋焼酎もうなくなっちゃったよーォ!」
 「そろそろ場所変えません?」
 「お、いいね、そうしようか。どうせ蹴球幻想が出すんだしな(笑)」

―――えーー、もうここで勘弁して下さいよ〜ォ! 何にも結論出てないんですからァ

 「結論出たじゃん。栃木SCが最強って(笑)」
 「そうそう、出た出た! 結論は栃木SC!(笑)」
 「大事だよな、来客の気持ちを慮るのって。栃木SCはエライ!」

―――Cさんまでこれだもん(苦笑)。じゃあ今日の結論はとにかく栃木SC最強ってことで。皆さん、お疲れさまでした。

 「疲れてなんかないって、さ、次行こう!」


  Jリーグ土産の中身
Jリーグ土産の中身

   Jリーグイヤーブック2009
Jリーグイヤーブック2009

                                   最強の栃木SC手提げ紙袋
              最強の栃木SC手提げ紙袋

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この記事へのコメント
初めての画像ですね〜。
栃木SCってのがちょっと癪ですけどU字工事で乗ってるクラブだから今回は許しましょう。
今度はうちのクラブも話題にして下さい(><)
Posted by 桃太郎 at 2009年03月06日 15:50

 .ξノノλミ   
 ξ `∀´>    л 
 ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//
Posted by アン・ジョンファン at 2009年03月06日 16:50
GJ!!

楽しく拝読させていただきました。

…トチギかぁ…。
Posted by 通りすがりの某サポ at 2009年03月06日 23:31
あのー、栃木のことで気を引いといて、
ホントに伝えたかったことはサラッと流してませんか?
Posted by J2もJリーグ at 2009年03月07日 19:05
CASに訴えらても別に負けないんじゃないかと思います。
FIFAは国内の移籍に関してはローカルルールで問題ないとしてるようですし。
ボスマンルールも本来はEUの法律のものであって日本の法律関係無いんじゃないでしょうかね。
間違ってたら御免なさい。
Posted by サシ at 2009年03月08日 23:33
基本FIFAは各国内リーグのことはその国のFAに任せてる。
だけどCASとなると話は別で、国内該当ルール自体が妥当かどうか判断されるから、おそらくアウト。
ボスマンルールは確かにEU内についての判決・ルールだけど国際機関のCASは当然ながら判例として採用すると思われ。
ボスマン判決以外にも同様の判例がCASにはあるよ。
Posted by ロアー at 2009年03月09日 07:51