2009年10月18日(日)、茨城県外浪逆浦にて2009 F.B.I. FLOATERMASTERSトーナメント第6戦が開催されました。
いよいよ今年度のトーナメントも最終戦を迎え、年間タイトルが決定する大事な一戦。
ポイントランキング首位を独走する川村氏と、まだ逆転する可能性を残した3名の選手。
なかでも一昨年のフローターマスターの長谷川氏が、最終戦で優勝+BF、さらに川村氏が5位以下でフィニッシュすると逆転という状況下で2人の対決が注目されました。




当日の天候はさわやかな秋晴れ、無風から昼前に弱い西風。水温は19~21℃。
水質は場所によってステイン~マッディ。
一週間前と比べ、約20cm程度の減水はありましたが、湖の状態に大幅な変化はなく、絶好の釣り日和。

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スタートの朝。快晴、無風。


プラの話ではアベレージ500gで魚は広範囲に散っており、「何をしても釣れる。何をしても釣れない。」という難解な状況。
結果的には、プレッシャーが少ない(地形が悪い)場所で居付きの魚を狙う方法と、一級のスポットで回遊性の高い魚を狙う方法の2極化が見られ、メインチャンネルに近い浅場のフラットか、水の動きがあるエリア周辺のストラクチャーから魚を持ち込んだ選手が多かったようです。
 
 
さて、、、
今回のレポートは、ポイントランキングトップの川村氏とそれを追う長谷川氏の両名にスポットを当てて、現場の臨場感そのままのストーリー仕立てでお送りします。
 
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2009年10月18日、AM5:00。
大会の朝、静かな朝。
いつにも増してあたたかい朝。
 
風はなく、湖面は鏡のようで湖面に街灯を映し出し、
霧がかった朝モヤがぼんやりと立ち昇る。
辺りは静まり返り、虫の声さえ耳に届かない。

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受付

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静かな朝

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まだ夜が明けぬ暗闇で蠢く選手たち。タックルの準備には余念がない。
互いが近くにいながらも会話は少なく、何ともいえない緊張感を漂わせている。
ある者は年間チャンプを賭け、ある者はクラシック出場を目指し、
ある者は周囲に力を示さんことを誓うが、燃える闘志はグッと腹に飲み込んでスタートの時を待つ。
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タックルの準備にも緊張が漂う。


そして、今日の主役2人も静かにタックルを準備していた。
 
ポイント独走態勢で最終戦に臨む川村氏。
雑誌「Basser」でも度々紹介され、周囲から毎年「マスター候補」と評されながらもあと一歩届かなかった悲運の実力者。これまでも最終戦で苦い思いをした経験がある。
対するは、一昨年にフローターマスターを獲得し、昨年、一昨年と2年連続クラシックチャンピオンの長谷川氏。ライトリグ全盛のトーナメントシーンのなかで、フィールド問わずオールシーズンで巻物を中心としたストロングパターンを展開するFBIで今最も乗っている選手。長谷川氏は大舞台に強く、今大会においても最有力優勝候補であり、ポイント差はあるものの川村氏にとって油断のできない状況だった。

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首位の川村氏(左)と追う長谷川氏(右)

 
プラの状況を聞くと、川村氏はまだ状況を掴みきれていない様子。
一方、長谷川氏は前日に3kgを釣っており、パターンは再現性もあるようで自信十分。彼はプラの結果から崩れることが少ないことからも、逆転の可能性を誰もが感じた。
 
そして大会スタート。
両名とも常陸利根川下流を目指す。
たどり着いたポイントはなんと二人ともスタート地点から4kmほど離れた小見川水門周辺。両者がここに目をつけたのはビッグフィッシュを狙える場所かどうか。互いに共通していた考えは、水の動きが最もダイナミックな場所。メインチャンネルが近く、フラットを擁していてバスが時合いで入れ替わるという。
さらにブレイクを釣るとキャットフィッシュが多いらしく、狙うのはフラット側。
両名とも狙いは安定したリミットではなく1匹のビッグフィッシュだった。
しかもギャンブルではなく、確実にビッグフィッシュを捕らえなくてはならない。
 
・・・と、理屈ではこうやって簡単に言えるが、この答えにたどり着くのは容易ではない。
しかも実際に魚を釣るのは非常に難しく、こういった釣り方は釣り人の心の強さが試される。彼らの心の強さが、二人のポイントを近づけたと言っても過言ではなかった。
 
 
そして時間は経過し大会は終了。緊張のウェイインが始まる。
帰着する選手たちの顔は冴えない。思いのほか状況はシビアだったようで、NFの選手が続出した。
そして両名もどのような釣りをしているかはわからないが互いに魚は持っている様子。
 
計量できたのは28名中、11名。
うちリミットを揃えた選手は僅か4名。
その中に長谷川氏も当然のようにリストアップされた。
注目の川村氏は・・・?一本のみ!
 
結果は最後までわからない状況になった。
万が一の可能性もあるのでポイントリーダーの川村氏の計量はラストとなると同時に、
彼が5位以内に入る可能性は薄れたことにより、フローターマスターの行方は最後までわからなくなった。

こうなると長谷川氏のウェイトに注目が集まる。リミットメイク組の計量を見ても、自信の長谷川氏。・・・ところが、途中で顔色が変わる。
 
保坂氏がグッドサイズを次々に軽量し、優勝の予想ラインと言われていた2400gを越える2600g。実は今大会、保坂氏と付き合いの長い私は、前日の雰囲気から彼が何かするような気がしてならなかった。
 
残る計量は長谷川氏と川村氏。

そして長谷川氏の計量。優勝しなくてはマスター獲得にはならない。
注目のウェイトは・・・? 『2425g!』
この瞬間、川村氏のフローターマスター獲得が決まった。
皆からの祝福の握手を交わすものの、ドラマはまだ終わっていなかった。

 
祭りの後の軽い余興とも思われる川村氏の計量が始まると一転、大きなどよめきが沸き起こる。なんとライブウェルから抜き上げられた魚は驚愕の1635g!!
川村氏は自力でビッグフィッシュ賞を獲得し、文句なしの2009年度フローターマスターに輝いた。名実ともに『人力で成し得る国内最高峰のバストーナメント』の頂点に立った瞬間である。
 
 
 
そして試合後、笑顔で話しあう両雄。
互いの釣果はもちろんだが、揺ぎ無い信念と妥協のない素晴らしい戦いだった。

そんな姿を見た私は、
「まぶしすぎて、あなたたちをまともに見れません(泣)。。。」
と思わず口走り、卑屈になった。
 
いや、、、おそらくこの日の二人は、この場にいた誰の目にもまぶしく見えたはずである。
 
 
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さて、今大会の結果に戻ります。。。
 
優勝は3本で2600gを持ち込んだ保坂氏。
スタート後、選手が散った様子を見てから、人が行かない場所を選ぶスタイル
「裏道釣り師」ぶりが炸裂。
泥底、変化なし、流れなしという誰も行かないようなエリアのアシをテキサスで流し、
グッドサイズを持ち込みました。ルアーは4”パワーホッグ。
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2位は長谷川氏が3本で2425g。常陸利根川下流域に向かい、
水深50cm程度のシャローをテキサスでランガン。
ルアーはゲーリー4inchシュリンプ。
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3位は、菊地氏が3本 2000g。
下流域のヘラ台や鉄パイプを流して確実に釣っていき、
入れ替えでウェイトを伸ばした。ルアーは4”ヤマセンコー。
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<成績表:上位10名のみ>

1位:保坂政博  2600g/3本
2位:長谷川和雄 2425g/3本
3位:菊池昭彦  2000g/3本
4位:藤井将之  1675g/3本
5位:川村俊明  1635g/1本
6位:岡崎誠二  1350g/2本
7位:井上徹也  1170g/1本
8位:小田浩史  1060g/2本
9位:吉川博文   625g/1本
10位:本田博樹   590g/1本

ビッグフィッシュ賞:1635g(川村俊明)




<大会当日 ~受付>

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朝のミーティング


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ノンオール艇がスタート


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和やかに話す初参加の横浜サンスイ 
岩澤氏(左)と代表の安藤氏(右)。


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同じく初参加の坂氏は元JBマスターズ。
久しぶりのフローターとバス釣りにドキドキ。


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静かな湖面で事前練習する岩沢氏。
初ポンツーンとは思えないオールワーク。


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アシに浮かぶノンオール艇。


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スタートを待つオール艇


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終了時刻となりウェイインが始まる


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新艇「サウスフォーク」に乗り換えて初ウェイインした本田氏。


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いぶし銀のベテラン景山氏(右)


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こうすれば大きく写る? 吉川氏。


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大阪から遠征し参戦した小田氏。
琵琶湖同様、霞ヶ浦でもウィードを探した(笑)。

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マッディシャローの名手 岡崎氏もグッドサイズを持ち込む


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常陸利根川のテトラ帯でスピナーベイトを
使いリミットメイクした藤井氏。


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川村氏のショータイムまではビッグフィッシュ候補だった井上氏。残念!


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最後にウェイインした1635g!


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今大会の上位3名。


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年間チャンピオンのトロフィーを受け取り、
代表とガッチリ握手。トロフィーをシミジミ見つめる川村氏。

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2009フローターマスター。
ここに辿り着くまでの道のりは、長く険しかった。

 
今年一年、FBIトーナメントに参加された皆様お疲れさまでした!
毎年同様に大きな事故もなく、今年も楽しいトーナメントができました。
また、今年は新規エリアも追加しましたが、これも地域の方、役所や漁協など関係各位のご協力のおかげと深く感謝しております。この場を借りてあらためてお礼申し上げます
 

さて、次回は11月1日、フローターマスターズクラシックです。
クラシックには各トーナメントで優勝した選手と、年間ランキング上位5名が招待されます。毎年、この年のフローターマスターが最終戦に発表することになっており、2009年度マスターが指定したのは茨城県の牛久沼(細見広場)。

詳しくは次回のブログで。



(レポート:藤井)