八郎潟

2013 F.B.I.フローターマスターズ第5戦 【八郎潟】 大会結果


 八郎潟。 秋田県の日本海側に位置し、かつては日本で2番めに大きな面積を誇る汽水湖であったが、戦後の食糧増産を目的として大規模な干拓工事が行われ、湖のほぼ真ん中全部(17,000ha)が陸地化された、人造湖ならぬ改造湖(?)といった趣の湖である。

 その陸地部は、1970年以降の減反政策により離農が相次ぎ、「日本の減反政策の犠牲になったモデル地区」などと揶揄されることもある(wikiより)。

 また、干拓工事とともに汽水湖だったのが淡水湖に変わったため、シジミの収量が激減するなど、水の生態系も大きく変わっていったことでも知られている。

 人間の手によって改造され、ここまで原形をとどめていない湖は、八郎潟をおいてないだろう。


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 干拓前、昭和32年の八郎潟 (大潟村干拓博物館に飾られている写真より)

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 現在の八郎潟。航空写真。(ああ、人間って・・・)


 しかし、その水質は決して悪くない。

 元の「生態系」は、干拓工事によって大きく壊れてしまった。 だが、首都圏などと違い、排水による水質汚染が少ないからだろうか、はたまた汽水湖の豊富な生物相の名残でプランクトンや甲殻類が豊富にいるからだろうか、とにかく魚は驚くほど多い。これは釣りをした人にしか実感できないかもしれない。シラウオも、ワカサギも、コイも、ナマズも、そして外来種のブラックバスやライギョも、とにかく多い。しかも、健康なプロポーションの魚ばかり釣れる。釣り師にとっては、パラダイスのような湖だ。


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 さて、本題である。

 (注: FBIのトーナメントレポートは、複数のメンバーが交代交代で買いているので、毎回、文体が異なったり、書く人の個性が出ます。今回このレポート書いているのは、FBI参戦歴17年にして万年中堅アングラーのヨシカワと申します。職業柄、ちょっと硬い文体で書きますが、どうかご容赦くださいませ。)


 2013年9月22日(日曜日)、フローターフィッシング団体「F.B.I.」による、2013年度トーナメント第5戦が、八郎潟の東側、東部承水路で行われた。

 冒頭で書いたとおり、八郎潟は真ん中のほとんどが埋め立てられている。現在水が残っているのは、南側一帯の「残存湖」と、東側の川のような形をしている「東部承水路」と、西側の「西部承水路」が主である。

 とはいえ、八郎潟はもともとが巨大な湖だったため、地図で見ると細い川のようにしか見えない西部・東部承水路も、その幅は何百メートルもある。かなり規模の大きな釣り場である。

 今回スタート地点として選ばれたのは、東部承水路の南側、ほぼ残存湖との境目にあり、馬場目川という比較的大きな河川が流れ込んでいる付近である。

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スタート地点。このエリアだけでもかなり広い。
ここなら残存湖も、承水路も、川も、状況に応じて自由に選べるだろう。


 バスフィッシングを長く続けてきた人にとって、八郎潟は、「バスの楽園」「いくらでも釣れる」といったイメージが強い。しかも開催日は9月下旬。暑くもなく、寒くもなく、バスにとって適水温であることは間違いない。こりゃ入れ食い間違いなしだろうと、いやがおうにも期待は高まった。

 参加者20名のうち、多くは関東近県から車を600km近くも走らせて来た。(中には名古屋から1000km近く走らせてきた猛者も・・・) わざわざ休暇をとって、2-3日前から現地入りしている者も少なくなかった。それほどまでに、八郎潟は魅力的なフィールドなのだ。

 だが、結論から先に書くと、今回の八郎潟は・・・、


 「1匹釣るのも大変だった!」


 やはり、野生の魚を釣るのは容易ではない。
放流魚を釣るのとはワケが違う。

 どんなベテランでも、お目当ての魚が1匹も釣れないことがある。
今回がまさにそうだった。

 腕に覚えのある参加者が20人集まったのに、釣れたのは、たった8人だった。
残りの12人はノーフィッシュ。
霞ヶ浦よりも、牛久沼よりも、はるかに難しく感じた。

 原因は、「台風によるひどい濁り」 である。


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 9月21日(大会前日)撮影。写真で見るよりも、実際はもっとひどい濁りだった。
前週に大きな台風があり、その影響で、近隣の田んぼから大量の泥水が流され、かなり広範囲に、コーヒー牛乳色の濁りが広がっていた。(写真・吉川)


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 シャローの水生植物の多いエリアでも、濁りはひどいままだった。(写真・川村)


 唯一、「馬場目川」だけは透明度が高かったが、ここは水温が冷たいのが難点である。八郎潟全域で水温21度前後だったのに対し、馬場目川は14~16度。いくら濁りがなくても、これでは決め手に欠けそうだ。

 そんなわけで、前日のプラクティスの段階から、皆苦戦していた。

「いや~、渋いッスね・・・」

「かろうじて1匹釣れたけど、偶然釣れたという感じで、パターンが読めないや・・・」

「春に来た時は40匹ぐらい釣れたんだけど、今回はウソみたいに釣れない・・・」

「西部承水路のほうは濁りも少なくてそこそこ釣れるんだけど、ここからだと遠過ぎて、バスボートでも使わなきゃまず辿り着けないし・・・」

と、そんな弱気な声ばかり上がっていた。


 かくいう私も、前日からプラを始めた1人であるが、フライ(ポッパー)とクランクベイトで小型サイズを数本釣ることができただけで、これといった必勝パターンは掴めなかった。

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 私(吉川)が、前日のプラで釣ったバス。
フライの、コルクボディポッパーで釣れた。
でもこんなサイズじゃ勝てない・・・。


 とにかく、釣れない・・・。
ここまで激しく濁っている日は、年に何度もあるまい。
この状況で、はたして釣れるパターンを掴み、ビッグフィッシュを3本揃えてこれる選手がいるのだろうか?


 そして、不安なまま大会本番を迎えた。

 9月22日(日曜日)。
 

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前日と変わらず、激しい濁り・・・。
微風。のちにやや強い風。水温20~22度。

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まず、ノンオール組(U型、O型フローター)がスタート。
写真左は荒木氏。右は田村氏。 ほか数名。



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続いてオール組(ポンツーン)がスタート。
写真左は神戸氏。右は城川氏。


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ポンプとリップラップとリーズが絡む1級ポイント。
だが、この水の色・・・。渋い。


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 対岸の葦と超浅リップラップを攻める荒木氏。


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最も地元に近い、川端氏。


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福島県から参戦の、富永氏。


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仙台方面から参戦の、鈴木氏。


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超シャローで、水底にはゴロタ石が沢山沈んでいる、いかにも釣れそうなポイントだが、ここも厳しかった。


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終了間際の様子。左から栗本氏、吉川、藤井氏。
この3人はどうやら釣れた様子。 さて結果は・・・?


そして午後1時半、ウェイイン。

前述のとおり、20人中8人しか釣れなかった。 

3本揃えたのは、3名のみ。
2本揃えたのが、わずか2名。
かろうじて1本獲れたのが、3名。
残りはノーフィッシュ。



~ 0と1の壁 ~

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8位 城川氏。ハードルアーを得意とし、どんな難しい状況でも釣ってくるのは流石。

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7位 川村氏。このレポートの写真は、ほとんど彼が撮ってくれたものである。
はるばる名古屋から、片道1000km近く車を走らせて来た。
マッディウォーターのタフコンディションに強いことで定評があるイケメン。

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6位 吉川(私)。
余談だが、先月ダイエット目的でトライアスロンに出場し、完走はできたものの、体重が全く減らず、はたして目的が達成できたのかできなかったのかよくわからないのが最近の悩み。そんな苦悩が写真にもあらわれている(?)


~ 1本と2本の壁 ~


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5位 今年絶好調の岡本氏。難しい状況でもコンスタントに釣ることができる、その引き出しの多さに定評あり。


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4位 栗本氏。やはり近年絶好調で、どんな場所でも安定した釣果を出している。バス以外の釣りにも造詣が深い。


 
~ 3本の壁。今回、この壁はとてつもなく大きかった! ~


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3位&ビッグフィッシュ賞 保坂氏。 
3250グラム(3本)、うちビッグフィッシュ1460グラム。

やはりこの男は強い。状況がタフになればなるほど強い。
対岸のリップラップ、岸から15mほど離れたところ(ここも濁りは相当強い)で、ワッキーリグとスイマーヘッドのジグで何本もキャッチし、入れ替えを重ねたとのこと。
6割の選手が1匹も釣れない中、彼は何本も釣っていた。

 

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2位 長谷川(和)氏。
3420グラム(3本)

もう強すぎる。別格といっていい。
釣り方も規格外である。
なんと、フローターやポンツーンとしてはかなり距離のある流入河川まで漕いで行き(風が結構強かったのに)、そこで20~30本も良型をヒットさせ、入れ替えに入れ替えを重ねたとのこと。

その流入河川は、小規模ながら濁りが少なく、 非常に良いコンディションだったそうで、そのような良い場所を見つけ出した推理力や行動力も大したものだが、そこでの釣り方の絞り込み方も、プロ並みであった。

「クランクベイトだといくらでも釣れるけど、型が伸びない。よく観察すると、シャローカバーのインサイドでバスがザリガニを食っていることがわかった。そこで、ラバージグやエスケープツイン(大)のテキサス等で攻めると、アベレージサイズがぐんと上がった」 と・・・。

脱帽である。


だが、上には上がいた。

 
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 優勝 藤井氏 3680グラム

 FBIには釣歴30年以上のベテランや、釣具業界人、元バスプロ、他大会での優勝経験者などがゴロゴロいる。
ほとんどの選手が上級者といっていい。
毎回、誰が優勝してもおかしくない。

そんな中で、藤井氏と長谷川氏は、優勝率がケタ違いに高い。

今回も優勝である。
もう、解説するのがイヤになっちゃうほどである。 

しかしそれにしても、この激タフコンディションの八郎潟で優勝してしまうのは大変なことである。

藤井氏もやはり、遠く離れた流入河川、いや、水質の良い水路を狙った。
スタート地点からかなり離れており、そこを見つけることも、そこまで辿り着くことも容易ではない。
また、その水路は細く、他の選手やオカッパリアングラーとバッティングする恐れがあった。

しかし、藤井氏のすごいところは、ポイント選定能力と食わせるテクニックに加え、トーナメントでの「駆け引き」が抜群に上手いことにある。
今回も、狭い水路にオカッパリアングラーの先行者が数名いたが、「釣れますか~?」 「へえ~、すごいですね~!」 と上手にコミュニケーションし、「ちょっとだけ、そこを通らせてもらっていいですか~?」 と、うまく釣り場をシェアすることに成功したそうだ。
そして、アバランチのバックスライドなどで良型を8本掛け、リミットメイク&入れ替えに成功。



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上位3名。 超えられない壁を超えた、真の実力者たち。 (っていうとホメ過ぎか?)



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表彰式後の集合写真。
天候だけはカラッとして気持ちよかった。



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第5戦終了後の、年間ランキング。


 ところで、私は1996年からFBIフロータートーナメントに参戦しつづけているが、このクラブは本当に面白い。
営利目的ではないので、金銭トラブルなどは皆無に等しいし、不正行為もない。
純粋に「釣り」で競い合って切磋琢磨しながら、どんどん技術を向上させている。

 完全マンパワーで競い合うというのも面白い。
釣りの腕に加えて、ポイント選定能力、それに「体力」も要求される。

 国内の数あるトーナメント団体の中で、最も面白いひとつではないかと思う。
(みんな個性的で変な いい人だし)



 最終戦、第6戦は、10月20日(日)に、北浦で開催される。(参加申込受付中)

 さあ、年間優勝者は誰になるか?
 クラシック出場権は誰が獲得するか!?


 (文・ヨシカワ) 

 

2013 F.B.I.フローターマスターズ 第5戦【八郎潟 東部承水路】のご案内

2013年フローターマスターズは早いもので残すところあと2戦。
今期のフローターマスター争いは例年よりポイントが低く、まだまだ多くの選手に可能性が残されています。フローターマスターを狙う者、クラシック出場を目指す者、今大会はそれぞれにとって大事な一戦となります。


さて、第5戦の舞台は、秋田県八郎潟(東部承水路 馬場目川河口エリア)。
FBIでは、2001年、2002年の開催以来、なんと11年ぶり3度目の開催です。


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かつては、一日50本/人も驚く数字ではない釣れっぷりから「国内最後の楽園」と呼ばれた八郎潟も、近年では個体のサイズが上がった反面、数釣りが難しい湖へと変貌しました。
FBIではその年の開催地が年次総会の投票により決まるシステム。
近年は「楽園」とは呼べないまでも、大型のバスが比較的容易に釣れることから、メンバーから多くの支持を得て、11年ぶりの開催に漕ぎつけました。

「楽園は過去の話」とまで言われる現在の八郎潟。それでも釣り人を引き付ける八郎潟の魅力とは一体どのようなものなのでしょうか。
そんあ夢見る大人たちの、淡い期待に応えてくれるのか? 
八郎潟独特の広い空とさわやかな風、そしてビッグバス達は必ずや参加者のこころをリフレッシュしてくれるはずです。


~2013 フローターマスターズ 第5戦【八郎潟 東部承水路】開催概要~

開催日 :2013年9月22日(日)
開催場所:秋田県八郎潟【東部承水路 馬場目川河口エリア)  ※地図参照
参加費 :\4,000   ※「初回参加」、「女性」及び「18歳未満」は無料
受 付 :AM4:30
スタート:ノンオール艇:AM5:30、オール艇:AM6:30、ウェイイン:13:30
      ※ノンオールの方は、ミーティング後にすぐスタートできる準備をしておいてください。


~広域地図~
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~詳細地図~
hachiro2












 ◎釣り禁止エリア
 ・ボートドック


 ◎注意事項
 ・上記以外にも基本ルールがありますので、参加される方はルールをご確認ください。
・遠方からお越しの方々は道中、無理をせず、仮眠などを取りながら安全にお越しいただくようお願いします。※メンバーのメーリングリストにて、追って相乗りマッチングの連絡をいたします。
・車の駐車は、通行の方々を妨げないよう狭い道への駐車はせず、土手下の広いスペースにお願いします。


フローターのタイプ(O型、U型、H型)は問いませんので、興味のある方は一度参加してみてはいかがでしょうか。
エントリー受付及び詳細に関するお問い合わせは,floaters.jp@gmail.com (担当:神戸)まで宜しくお願い致します。
エントリーの際には以下の内容をご連絡下さい。
携帯のメールアドレスは、直前の大会中止などの緊急連絡を一斉連絡するのに便利です。
ご理解いただき、ご連絡よろしくお願いします。



氏名:
住所:
携帯の電話番号:
携帯のメールアドレス:
緊急連絡先(自宅等の電話):


※今年1戦でも参加された方は名前だけ連絡いただければ結構ですが、内容に変更がある場合には連絡お願いします。



(F.B.I.事務局)

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