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緊張感が滲み出る、プレミア参入戦1回戦。

前半5分に早くも先制ゴールの報。
決めたのは、チームキャプテンの宮内。
前夜の「ゴール宣言」を有言実行したのだった。

アビスパ福岡U-18、FW7宮内真輝。
今季のチームを象徴する選手である。


2016年シーズンはじめ、チームには2つの驚きがあった。
宮内の新背番号が「7」であること。
そして、新キャプテンに就任すること。

宮内は生粋のストライカーで、常々「早く背番号9が欲しい」と言っていた選手。
「7」を受け取った時には、きっと本意ではなかったことだろう。

しかし、「7」はアビスパ福岡U-18の伝統的な"もう一つのエースナンバー"。
スタッフが背番号を決めたのには、「自らのゴールだけでなくチームを引っ張って欲しい」という意味が込められていたのではないだろうか。

それは、新チームキャプテンが宮内になったことも同様であると思われる。

元来、宮内は勝敗に関わらず、自らのプレーを「自分の言葉」で語れる選手だった。
常にアグレッシブな、プロ向きの性格。
そのパワーを、チームのために使うことが出来たなら----------

果たして、宮内は左腕にキャプテンマークを巻くことになる。

これまでレギュラー獲得もままならなかった選手が、今季はチームキャプテンとしてプレーする。
そのプレッシャーの大きさは、想像に難くない。

だが、宮内はそのプレッシャーを力に変えているように見える。
前線で走り回る、身体を張る、流れが悪ければ中盤まで降りて来る、チームメイトに要求する、ミスをすれば謝るし、同様にミスをした選手には励ましの声をかける。

宮内は試合後に常に自分の言葉で発信し、結果に向き合い、応援への感謝を続けている。

目標値を上げ、そこに向かって努力するからこそ、たとえ達成出来なくとも「悔しさの経験値」は積み上げられていく。

脳裏に焼き付いて、離れないゴールがある。

2年の春、宮内に与えられたポジションは「左サイドバック」。
前述の通り、生粋のストライカーであった本人にはそれが告げられた時はショックでもあったはず。

それでも、前線まで駆け上がった宮内は左足を一閃。鮮やかなミドルシュートを突き刺してみせた。

"転んでもただでは起きない"を象徴するシーンだった。


今季、チームはプリンスリーグ九州で2位、クラブユース選手権はグループリーグ敗退、Jユースカップはベスト8と、喜びも悔しさも両方を経験してきた。

「プレミア昇格を後輩への置き土産に、嬉し涙でアビスパ福岡アカデミーを引退したい」
と語る宮内。

苦しんだ時間も長かったが、それもすべて明日のラストマッチで勝利し、喜びを分かち合うため。

13時半キックオフ、プレミアリーグ参入戦決勝。
"有言実行の男"が、最後に大仕事を成し遂げるはずだ。