2017年5月。
正真正銘の"博多ブランド"が、世界へ羽ばたく―――――。

アビスパ福岡・冨安健洋。
今週末に開幕したU-20ワールドカップにて、日本代表の主軸を担う選手だ。
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彼が小学校時代にプレーしたのは、
福岡市博多区の三筑キッカーズというチーム。

当時の指導者が、テレビ取材に答えていた。
『これまでもプロになれる才能を持った子はいた。
でも彼はその中でも"前向きな姿勢"が違った』と。

高校2年生の夏にアビスパ福岡U-18からトップチームに昇格を果たし、
昨年からはレギュラーとして活躍。

謙虚で且つ大胆で、誰よりも目標が高い。
今や冨安の代名詞となりつつあるメンタリティ。
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ただし、最初から順風満帆というわけではなかった。
その姿勢があったからこそ、現在の地位を築いてくることが出来た。
(といっても現状に本人は決して満足していないだろうし、それこそが彼の意識の高さなのだが)


今季の冨安のポジションは、チームでも代表でもセンターバック。

ただし、U-18まではほとんどの試合をボランチとして出場していた。
しかもいわゆる"守備専"のディフェンシブハーフではなく、積極的に前に出ていくセンターハーフだ。

それだけに、当時を知る者にとっては今のポジションでの活躍に驚きは多い。

15年夏にU-18の全国大会でセンターバックとして出場した際には競り負けが多く、
その後、10月に弱冠16歳で公式戦デビューを果たした天皇杯でも力不足は否めなかったためだ。
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だが、前向きに、謙虚に、でも目標は高く。
180cm後半の身長に反して不得手だった空中戦でも、特訓を重ねた。
結果、トップデビューから1年後のU-19アジア選手権では、
日本代表のセンターバックとして無失点優勝を成し遂げるまでになったのだ。

その大会でも、『チャンスを作られたことが満足出来ない』と意識の高さは変わらず。
自らに課した目標が高いからこそ、日進月歩の成長があったのである。
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人間性といえば、こんなエピソードもある。
自らが高2の夏に"途中離脱"したアビスパ福岡U-18は、冨安が高3の年に大躍進。
ユース年代の最高峰・高円宮杯プレミアリーグへの昇格を決めた。

その広島で行われた昇格決定試合の結果を知った感想は、
『仲間たちが出してくれた結果が、自分がU-19アジア選手権で優勝したことよりも嬉しい』。

U-15ではこの学年のキャプテンを務めた冨安。
チームを離れて1年以上が経過しても、仲間への想いは変わらず持っていたのだった。
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仲間想いのリーダー、でも単なる"いいヤツ"で終わることなく、
自分への要求と理想は誰よりも高い。

冨安のプレーに、特別なものを探すのは一見して難しい。
体格ばかりがクローズアップされることもある。

年齡に似合わぬ予測力や危機察知能力、基本技術の高さに、
隠れたパスセンスも並外れた運動能力も併せ持つのに、である。

その実は、それらのプレーを誇ることもなく、
当たり前かのように実践しているからではないだろうか。

飽くまで、目標は高く。満足はせず。

夢は、『イングランドプレミアリーグでプレーすること』。
今回のU-20ワールドカップでの目標は『優勝』。
どのような結果になろうと、謙虚かつ大胆に、さらに大きく成長していくに違いない。
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