
飲食店の中国と日本の大きな違いは、中国は全員社員で構成されており、日本は社員が2〜3名であとは全てアルバイト(20〜30人)です。人口14億の国ですから、地方から都会に出て来る若い人が多いからです。
その話をすると中国の飲食経営者から、なぜアルバイトの大学生や高校生が笑顔が出るのかと質問されます。
中国の経営者からも「日本は世界一のホスピタリティの国」と言われたことがあります。
日本人の礼儀正しさや親切心が笑顔をつくり出しているのかも知れません。
また、顧客満足よりも従業員満足を優先している企業も多いことが上げられますね。
さて、日本講演新聞に「笑顔の卒業生の30年後は!」が掲載されていましたので紹介します。
最後に笑顔の話です。先ほど言いましたように、4年前に脳梗塞をして、地獄のどん底に突き落とされ、そこから這い上がってこられたのは、笑顔のリハビリのおかげでした。
笑顔の効用については皆さんもいろんなところで聞いたことがあると思いますが、改めて笑顔にはどんな力があるのか、確認し合えたらいいなと思っています。

●笑顔でコミュニケーション
「笑う門には福来る」ということわざがあるように、日本人は昔からこの笑顔の力を知っていました。
「笑顔の力」ってどんな力か。まず一つ目が「免疫力アップ」です。
私たちの体の中にはナチュラルキラー細胞という免疫細胞があります。これが年齢とともにどんどん減少します。だから年を取ると「がん」が発症しやすくなります。
でも、ナチュラルキラー細胞を元気にすると体の中にできたがん細胞をやっつけることができます。
どうやって元気にするかというと、笑うことでナチュラルキラー細胞は元気になることが医学的にも証明されています。
だから口角をキューッと上げて笑顔を作るエクササイズは、最強のがん予防になるということです。
それから笑顔があるとコミュニケーションがとてもスムーズになります。

たとえば、あなたが一生懸命話をしているのに、聞いている人が難しそうな顔をしていたら、このまま話を続けていいのか不安になりますよね。でも、冗談を言ったらちゃんと笑ってくれるとか、豊かな表情で聞いてくれると、話をする人も気持ちよく話せます。
●顔面フィードバック仮説
「分かっています。私はいつも笑顔ですよ」なんて思っていませんか?
自分は笑顔でいるつもりでも、人から見たら「なんかあの人、いつも機嫌悪そうよね」と77%の人が思っているそうです。

パフォーマンス学では「あの人の笑顔は素敵ね」「あの人がいるだけで場が明るくなるね」と思われるには、60秒間のうち34秒間は笑顔でないと周りの人からそう認識されないといわれています。10秒、20秒笑ったぐらいではダメなんです。
34秒がどれぐらいの長さなのか、一度、笑顔を作って34秒間、その笑顔を維持してみてください。
いかがでしたか? 結構長い時間だったでしょ?

日頃使っていない筋肉は急に動かすと痛くなります。それと一緒で頬の辺りが疲れたという人は、まだ笑顔が足りていないということなんです。
ですから、ぜひ1日1回、鏡の前で34秒間、笑顔を作ってみてください。そうするとその顔を筋肉が覚えて、いつも笑顔の自分が出来上がります。
そういう人になると、笑うことで顔の筋肉の「表情筋」が刺激を受け、それが脳に伝わってポジティブな気持ちになり、やる気が出てくるんです。
これはアメリカの心理学者トムキンズ氏の実験「顔面フィードバック仮説」として提唱されています。
●笑顔の卒業生の30年後は?

さらに、カリフォルニア大学の心理学者が2001年に発表した「女子大学の卒業写真における笑顔と、それが成人期における性格および人生に与える影響」という論文があります。
21歳の女子大学の卒業生141人に対して、27歳、43歳、52歳と30年にわたって同じ内容のアンケート調査をしました。
それによると卒業写真で笑顔だった女性は、そうでない女性と比べて「幸福度が高い」ことが報告されているのです。彼女たちは、満足感や上機嫌、他者への温情を経験しやすく、ネガティブな感情に影響を受けにくい傾向もあったそうです。
誰でも0円でできるスマイル、これをやらない手はないなと思います。まさにこれが今からスタートできる生涯現役の秘訣です。