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今日は、ダイヤモンドダイニングの「神楽坂今井屋本店」の女性店長の原稿(月刊飲食店経営)を書き上げました。素晴らしい店長でしたので、少し紹介します。
過去最高の女性店長です。

今月は、ダイヤモンドダイニング2018年度MVP賞に輝いた神楽坂今井屋本店の藤井沙奈店長にお話を伺った。受賞の理由は、売上前年比110%、MSR(覆面調査)185点以上、CS(顧客満足調査)4.75(5点満点)、衛生管理95点などの見事な実績だ。

4年連続で売上前年比を伸長させている強者であり、今井屋9店舗の教育運営部長として社員・スタッフの教育にもあたる実力店長だ。その人材育成の手腕から、ダイヤモンドダイニングの新人教育講師も任されている。
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売上好調、3つの要因

1.美味求心と、店長の求心力

 今井屋のサービスの基本コンセプトは「美味求心」。「おいしさを追求するだけでなく、よりおいしく感じていただくためのサービスをも追求する心のことです」と、藤井店長は語る。「客単価8000円の店だからこそ、お客様が求めていらっしゃるものは何かを常に追求し、それにお応えしていく必要があります。

ゲストとホスト両方のニーズに応え、特にホストに満足していただいて『接待の成功はあなたのおかげです。ありがとう』と言っていただけるのが嬉しい。そうやって今井屋のブランドをどんどん高めていきたいと思っています」
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お客様が来店中の一瞬一瞬を、さりげない気配りで満たしたい。後から「いいお店だったな」「居心地がよかったな」と実感していただけるお店にしたいと、藤井店長。新規客の来店は、その1回で終わってしまうかもしれないのだが、さりげないのに何かが違う上質のサービスによって、次回の来店を必然にするのだ。
 
1回のチャンスを2回、3回へと増やしてくために、藤井店長は日頃からどんなことを心がけているのか尋ねてみた。その答えは「アンテナを高く掲げて学ぶ姿勢を保ち、インプットしたものをいかにアウトプットするか、常に考えて実行しています」だ。(すばらしい!) 
たとえば、美容室でもデパートでも大衆居酒屋でも、行った場所のいいところを見て吸収し、今井屋での実現に努めるという。藤井店長の向上心と吸収力の高さは並大抵ではない。

2.リピーター率6〜7割(コストゼロの集客)
この店のリピーター率は6〜7割だという。人通りが少なくて地下1階と、立地的には決してよくない。実際、以前は売上も厳しかったそうだ。それでも毎年売上を伸ばし続けているのは、常連客が増えているからだ。藤井店長は「一度来店されたお客様に、『また来たい』と思っていただくことが重要です。
次は『人に紹介したい』となり、それが少しずつ広がってお店が伸びてきました。コストゼロの集客です」と笑う。
 
コストはゼロでも心は満タンだ。おしぼりを手渡す時も、料理を提供する時も、グラスを置く時も、一回一回心を込めて行う。地味なことにこだわり、「“当たり前”の精度を上げる」とのことだ。
(いい言葉ですね!)
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お客様の名刺が、この店には3000人分ある。常連のお客様リストは700人。そこには好みのメニュー、ファーストアルコール、NGリスト(嫌いな食材や、食物アレルギー情報)、希望の席リストなどが記されている。
近隣の会社の領収書リストもある。2回以上利用された場合、お客様から社名を言われなくてもすみやかに領収書が書けるようにするためだ。“当たり前”の精度を上げるとは、そういうことである。

3.料理人のこだわり(最高の商品)
藤井店長は調理場出身で、管理栄養士の資格も持っている。このため、料理へのこだわりは人一倍強い。お客様に最高の商品を提供したいから、おいしい料理を一番いい状態で出すよう、料理長に言う。年上の料理長であっても、料理の状態がよくないと思ったら「これ、あなたがお客様だったら食べたいと思いますか?」と言ってダメ出しする。
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視察に行った店のやきとりを例に出し、「ある店でこんなやきとりをこの値段で出していましたが、これに勝てますか?」と言ったりもする。盛り付けの善し悪しについて料理長と話し合うこともある。
またホールスタッフは、どの料理についてもこだわりを持ち、レシピや味を知っており、それぞれの料理がすばらしい理由を全員がお客様に説明できるという。そのことだけでも、いい意味で調理場へのプレッシャーとなっているのだ。

藤井店長は、どんな時でもお客様が求める料理を出すという信念を貫いている。比内地鶏を最良の状態で届けてもらい、最高の調理をして、ベストタイミングで提供する。「比内地鶏や野菜など、産地の素材の伝道師だと思って、私たちは働いています。『農家の人たち、スゴイでしょ!』と言いたい!」 MVP受賞の壇上で、「おいしく育ってくれた比内地鶏に感謝します」とコメントしたそうだ。