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日本講演新聞に彦根市市立病院の黒丸尊治先生の興味あるセミナーが掲載されていましたので紹介します。美人カラーセラピストさんとの「心の治癒力」が癌を抑えたという話です。^^

がんが骨転移した80代のおじいちゃん「Bさん」のお話です。
「いよいよ末期らしい」ということで、Bさんが緩和ケア病棟にやってきました。
うちの病棟には、コロナ禍以前はボランティアの方がたくさん来てくれていました。アロマセラピー、音楽療法、リフレクソロジーの方たちです。

その中の一つで、カラーセラピーの方が来てくださっていました。
いわゆる大人の塗り絵で、下絵があって、それを色鉛筆かクレヨンで塗るのです。
セラピストの女性が2人で来て、患者さんと他愛ないお喋りをしながら色を塗るという時間でした。
Bさんは、2週間に1回のカラーセラピーの時間がことの外お気に入りのようでした。

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●セラピーで免疫力が上がった?

そうして半年が経ちました。
Bさんの検査をしてみると、なんと腫瘍マーカーの数値が10分の1くらいに下がっていました。
同じカラーセラピーを受けていた他の患者さんも調べてみました。みんな大なり小なり数値が下がっていました。

「これは不思議だ。面白いな」と思ってセラピストさんにそのことを伝えると、彼女たちもとても喜んでくれました。
「カラーセラピーで色を塗ることに対する充実感や達成感が免疫力を高め、がんを抑えたんでしょうね」と、彼女たちは言いました。

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でも僕は、「たぶんそうじゃない」と思いました。
なぜかというと、これは僕の推測なのですが、カラーセラピーに来るその2人のセラピストさんはとても美人だったのです。

塗り絵自体は5分もあれば終わるものでした。でもその後、セラピストさんたちは、毎回2時間くらい喋ったり患者さんたちの話を聴いてくれたりしたのです。
だからBさんをはじめ、カラーセラピーを受けていたおじいちゃんたちはみんな、セラピストさんに会えることが喜びだったのです。
そんな楽しみに思う気持ちが、心の治癒力を高めたのだろうと僕は思いました。

●治癒力の「スイッチ」

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肝臓がんが再発して、「もう治療はできない」と紹介されて僕のところにやって来た患者さんがいました。80歳くらいの高齢の方で、結構不安感が強くて心配性の方でした。

でもその患者さんは、僕のところに来てから腫瘍マーカーが下がり続け、やがて10個くらいあった腫瘍が全部消えてしまったんです。
その人が何をやったのか聞いてみると、以前からやっていた5分くらいの朝の体操と、普通のサプリメントを1個飲んでいるだけ、とのことでした。

僕が気になったのはボランティア活動でした。
その患者さんは、長年、障がい者施設に週に2回くらいボランティアに通い、障がい者の人たちのお世話をしているとのことでした。
そんな純粋な気持ちを持っていたことが、体にいい影響を与えたのかもしれないと思いました。
でも最初の印象は「すごく不安感が強い人」だったので、そういう人のがんが消えてしまったことは僕にとってとても衝撃的なことでした。

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なぜなら、「ネガティブな思いを持っている人に、がんが自然に消えてなくなることは起こらない」という前提が僕の中にあったからです。その考えが見事に打ち砕かれました。
それから僕は、「何がどう心の治癒力のスイッチを入れるかは分からない」と思うようになりました。

それはつまり、ある日何かにキュンとときめくことで、いきなりスイッチが入って状況が好転する可能性は誰にもあるということです。
そのためにも、あまり焦らず、自分なりの喜びや楽しさを感じながら過ごしていけるように心がけてください。

(「とにかく元気が出る講演会 がん体験者が伝える命のメッセージin 奈良」での講演会より/取材・大槻千佳子関西特派員、編集・野中千尋)
〇黒丸 尊治 著 『緩和医療と心の治癒力』(築地書館)