
日本講演新聞に連載している永業塾塾長(中村信仁氏)の「即動力のすすめ」に共感しましたので紹介します。行動力より即動力ですね。
即動力のすすめ
永業塾塾長 中村信仁
好かれる人、愛される人というのは共通して「即動力」の達人です。
行動力という言葉はご存じでしょうが、「即動力」という言葉は初めてかもしれません。実は営業の世界は「行動力」より「即動力」が求められています。

すぐに行動に移す力、それを私たちは即動力と呼びます。この話は拙著、『仕事の魔法』(ビーコミュニケーションズ)にかなり詳しく書きました。
例えば、先輩から「この本読んでごらん」と薦められたとします。その本を1か月後に「読みました。ありがとうございました」と返本しても、先輩は「あっそう……どうだった?」程度で終わりますが、もし3日後に「読みました。ありがとうございました」と本を戻したなら、先輩の反応はまったく違ったものになります。「えっ! もう読んだの、すごいね」と感動してくれます。そして「よかったらこれも読んでみる?」と更にお薦めの本を紹介してくれます。この、すぐに動く力を「即動力」といいます。
この力を手に入れると、まず相手が感動してくれます。更に「もっと何かをしてあげよう」と意欲的に反応してくれます。そして、好印象をもって多くの人に紹介してくれるものです。「面白いやつがいるんだけどさ……」という具合に。

「あそこの定食は美味しいから一度行ってみるといいよ」とか、「あの映画は実に面白いね」とか「〇〇というお店のデザインは勉強になるよ」等々、そんなアドバイスを受けたときは、「そのうち行ってみよう」ではなく、すぐ行ってみるのです。
翌日または翌々日、「食べてきました!」「観てきました!」と感想を添えながら報告すると「なんて行動力のあるやつだ」とものすごい好印象を持ってもらえます。
つまり、行動力のある人というのは、即動力が使える人なのです。
「自分はどちらかというと行動力のあるほうだ」という方は沢山いますが、客観的にそのような評価を得ている人は少ないものです。なぜなら、時間の経過というのは本人より相手のほうが速く進むからです。

「すぐに返事をします」というときの「すぐ」は、相手にとって3倍速く時間が経過します。だから「まだ?」という気持ちで少しイラ立つのです。
こちらは、そんなに待たせたつもりはないのに、相手が不機嫌になっていることを経験したことはありませんか。
例えば、借りた本を1週間で読み終えたとしても、貸した相手は3週間くらい経過したような気分になっていますから感動などしてくれません。3日で読んで初めて「早いね」と反応するものです。つまり、行動力というのは相手の期待を上回る速さで動いて初めて評価の対象になるのです。
できない理由、やらない理由を並べて何ごとも後回しにするのではなく、薦められたなら、紹介されたなら、アドバイスをいただいたなら、すぐに動いてみてください。
私たちの人生は考えることに多くの時間を消費するほど、そう長くはないのです。