
休日の過ごし方は、朝一は愛犬との散歩、午前中はスタバで読書、午後からスポーツジムでトレーニングとストレッチ、その後録画してあるテレビを視聴しながら熱帯魚の水替え、夜は家族で外食が多いですね。
録画してある番組は「カンブリア宮殿」や「プロフェショナル」「ガイヤの夜明け」「何でも言って委員会」などです。
スポーツ(健康)と知識・情報の充電はコンサルに取って必須だと考えています。
さて、数年前のブログでも紹介しましたが、全日空の元客室乗務員、三枝理枝子著『空の上で本当にあった心温まる物語2』(あさ出版)での「見られている あなたの働く姿 光る汗」を掲載します。
中年の男性Aさんは、八丈島から羽田に向かう小さなプロペラ機に搭乗していた。
機内でAさんは首のペンダントを外して汗を拭っていた。その時、機体が大きく揺れ、持っていたペンダントを座席の間に落としてしまった。

どれだけ探しても見つからない。心配そうにやってきた客室乗務員に事情を話したところ、隣の座席の年配の人や、後ろの座席の若者も一緒になって探してくれた。だがたった今落としたものがなぜか見つからない。
焦っているAさんに客室乗務員は、「到着してから必ず探すのでご安心ください」と言ってくれた。Aさんは周りの方々にお礼を言い、羽田到着を静かに待っていたが心は落ち着かない。
到着後、乗客全員が降りた後に数人の整備士が速やかに乗り込んできた。機内から連絡を受けていたのだろう。整備士たちは座席の下を隈なく探し始めた。しかし見つからない…。
「動かすしかないな」、整備士のリーダーがそう言った。そこから狭い機内で座席の分解作業が始まった。
大事になってしまったが、Aさんは「もう結構です」の一言が言えなかった。とても大切な物だったのだ。

座席を外すとペンダントはすぐ見つかった。若い整備士が傷が付かないように丁寧に取り出し、「壊れてませんか」と心配そうに渡してくれた。Aさんはお礼を言おうとしたが、涙が溢れて言葉にならなかった。
大の大人がそこまで泣くには事情があった。そのペンダントは1年前に事故で亡くなった息子の形見だったのだ。
大学の卒業旅行で行った八丈島で事故に遭い、命を落とした息子。気持ちの整理を付けるため、Aさんが一人で島を訪れたその帰りのことだった。だが心の整理など付くはずはなかった。
息子は自動車の整備士として就職が決まっていた。生きていればペンダントを探してくれた整備士と同じように、つなぎの作業着を着て働いているはずだった。若い整備士の姿が眩しかった。

「そんな姿を見せるために息子が引き合わせてくれたのではないだろうか」とAさん。
事情を話した後、「また是非ご搭乗ください。しっかり整備してお待ちしております」と言った若い整備士の姿が息子と重なり、その時にAさんは「区切り」を付けることができたそうである。
「働く」とは「傍を楽にすること」という。でもその「楽」は体だけではない。人の重い心まで「楽」にすることができることもあるのだと知った。
未来の大人たちは、働く大人のそんな姿を意外と見ているものである。
(日本講演新聞社説より)