
「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」は、株式会社ワンダーテーブル(河野博明代表)が経営するプライムリブの専門店である。現在、恵比寿ガーデンプレイス店、赤坂店、大阪店を展開している。ローリーズのブランドビジョンは「心躍るアメリカンダイニングを提供し、みんなに幸福な人生を歩んでもらう」だ。
今月は、ロウリーズ3店舗の副支配人を経て、現在恵比寿ガーデンプレイス店の支配人を務める橋本彩氏にお話を伺った。
橋本支配人は、2024年度ワンダーテーブル社員フォーラムにおいて、ベスト支配人賞を受賞している。
恵比寿ガーデンプレイス店の月商は8000万円。320席。ランチの客単価7500円、ディナー15000円。社員22人、アルバイトスタッフ110人の体制である。

ロウリーズの感動ストーリー
■ファミリー3世代の常連客
赤坂店での勤務時代、いつもファミリー3世代で訪れる常連客がいた。ロウリーズが大好きなおじいちゃんの誕生日祝いは、いつもロウリーズでと決めていたのだ。あるときおじいちゃんが車椅子でやってきた。娘さんは「おじいちゃんが入院したの。でも枕元にロウリーズのパンフレットを置いていて、『ここへ行くことを励みに頑張る』と言うのよ。そうして頑張って、今日来たのよ」と言う。
その後しばらくの間、そのファミリーは来店しなかった。久しぶりの来店時、おじいちゃんの姿は写真に変わっていた。1周忌に、おじいちゃんと一緒に食事をしにきたのだ。「おじいちゃんは最後までロウリーズの話をしていました」と、家族の皆さんは語った。
遺影を持って来店するお客様は少なくない。「おばあちゃんがファンでした」「この店で法事を行いたい」とのお客様の言葉に胸が厚くなる橋本支配人である。

■2歳の時から来店し、ついにスタッフに
お子さんが2歳の頃から来店している、お医者さんファミリーの話。お子さんが高校生になった時、お父さんに「彩さん、僕はこの子が大学生になったらロウリーズで働かせたいと思っています。病院でもホスピタリティーが大事だから」と言われた。そして数年後、医学部の学生になった息子さんが「面接してください」と言ってやってきたという。
■スタッフの成長
根性はあるが今一つ光るものが感じられない女子大生のスタッフがいた。いつサーバーになれるのだろうと危惧するほど、戦力になるまでかなり時間がかかりそうだった。ところが大学卒業後に訪れて、ロウリーズでアルバイトとして働きたいと言うのには驚いたそうだ。

それが今ではトレーナーをまとめるキャプテンレベルにまで成長した。この人がいないとトレーニングが滞り、店が回らないほどだ。人はここまで変われるのだと橋本支配人は実感。スタッフの成長が本当に嬉しいと語る。
■目標に挑み続けたスタッフ
赤坂店のオープニングメンバーとして働き始めた女子大生は、飲食業が初めてで、サーバーとしてのセンスがあるようには見えなかった。だが少しずつ経験を積んでいき、何とか仕事をこなせるようになった。
あるとき「私はリブアイステーキを頑張ってお客様にサジェストしたい。このおいしさを伝えたい。4人以上のお客様には絶対お勧めします」と言いにきたのだ。これはプライムリブを食した後、さらにリブアイステーキをお勧めするという意味で、たいへん難しいサジェストである。彼女は頑張ってそれにトライし続けた。やがて彼女のテーブルで、毎日のように2枚の注文が入るようになった。やればできるのだと、橋本支配人も感激したそうだ。
橋本支配人は毎日の朝礼で常に、「目標を立てることと継続すること」の大事さを語っている。最初のお勧めはうまくいかなくても、続けることで上手になり、自信へとつながり、毎日注文が取れるようになる。この女子大生のチャレンジがその証である。
