先日、ある後輩歯科医師からどうやったら処置がすばやくできるようになるのか?という質問を受けました。

同じ処置をやっていても、彼の勤務する歯科医院の先輩とのスピードがまるで違うようなんですね。
たまたま私がある処置のダンドリについて説明していたところ、同じような感じを持ったようです。

残念ながら「王道」というのはないんですね。

もちろん、意識の持ち方、意識の置き方、注意すべきポイントなどはあります。
しかし、どんなに頭を使おうが、我々の仕事は結局のところ「手」が動かなければお話になりません。

例えばムシバの治療でも、どこから削り始めるのか?
どの部分をどういう角度で削り取るのか?
回転数はどれくらい?

といったところから始まり、常に患者さんの状態を感じ取りながら処置を進めていきます。

この部分は診断なんですね。
でも、これは頭の中。

そして、その診断通りに削れるのか?
うっかり変な方向から削ったりしないか?
タッチの強さは適切なのか?

これは、手(技術)の部分。

もうお亡くなりになりましたが、さる高名なレーシングドライバーがどうやったら運転がうまくなるのか?と訊かれて「練習、そして練習 (practice&practice) と答えた話は車好きの間では有名です。

また、私が習っている楽器の師匠も「練習するしかない!」と言い切ります。

もちろん、やみくもにやっても無駄が多いことは多いですが、でも能書きたれて練習不足なよりは、たとえ効率が悪くても繰り返し練習することの方がはるかに上達は早いはず。

もっとも、我々の仕事は患者さんで練習するわけにはいきません。
ですから、繰り返し繰り返しというか、いわゆる経験値が問われます。