入れ歯のはなし
2021年11月01日
入れ歯治療の流れ
先日投稿した患者さんと似たような入れ歯の具合が悪いという患者さんです。まずは、初診時の写真から。
入れ歯は外して撮影していますが、すり減り、ヘタっていたために、ほぼほぼこの状態の噛み合わせでした。
こんな感じです。

こういう場合、まずはどんな方でも保険内での入れ歯を作成します。
最初から「お金がかかっても良いから、しっかりした入れ歯を作って欲しい」と言われることもありますが、うちではいきなり自費の入れ歯を作成することはありません。
理由は、
1)具合の悪い入れ歯でも、毎日使っているわけで、その悪い入れ歯に合った噛み方の癖がついてしまっている。
2)例え、理論上良いと思われる噛み合わせで作成しても、筋肉が適応してくれるかわからない。
3)特に部分入れ歯は、力学的な設計は模型上でできても、厚みや幅、形などでの舌感や発音などへの影響に個人差が大きいので、「その患者さんに合った形」でなければ上手に使うことができない。
と言った理由から、まずは保険入れ歯で問題の洗い出しと筋肉のトレーニングを行います。
実際、使ってもらって初めて解ることも多く、そうやって出てきた問題点を一つ一つ解決し、目処がついたところでご希望があれば自費の入れ歯を作成するのがうちのやり方です。

fdo964 at 08:21|Permalink│Comments(0)
2021年10月31日
知らない間に
先日投稿した、全体的な治療を完了した患者さんの例を一つ掲載します。
この方の主訴は、入れ歯の具合を改善したいということでした。
最近多いのですが、代表的なわかりやすい例なので、取り上げました。
お口の中を正面から見ると、こんな感じ。

治療完了時は、こうです。

噛み合わせてもらうと、


当然ながら外見も変わり、男前(女性ならば若返る、でしょうか?)になります。
なお、顔写真はプライバシーの問題もあるので掲載しませんが、「娘に顔の感じが変わったね、と言われましたよ」と嬉しそうにおっしゃっていただけたのが嬉しかったですね〜。
特に部分入れ歯の場合、永年の使用ですり減ってしまうこと以外に、入れ歯を固定するための金具(バネ)の設計不備でゆがんでしまうことが多いのですが、ゆっくり変化していくためにご本人はあまり気づかないんですね。
つまり、知らない間にだんだんと不具合が進行していくんです。
こうした不具合は、健診を受けていれば早めに発見でき、早めの発見であれば費用も時間もかからず改善できることが多いんですよ。
この方の主訴は、入れ歯の具合を改善したいということでした。
最近多いのですが、代表的なわかりやすい例なので、取り上げました。
お口の中を正面から見ると、こんな感じ。

治療完了時は、こうです。

噛み合わせてもらうと、


当然ながら外見も変わり、男前(女性ならば若返る、でしょうか?)になります。
なお、顔写真はプライバシーの問題もあるので掲載しませんが、「娘に顔の感じが変わったね、と言われましたよ」と嬉しそうにおっしゃっていただけたのが嬉しかったですね〜。
特に部分入れ歯の場合、永年の使用ですり減ってしまうこと以外に、入れ歯を固定するための金具(バネ)の設計不備でゆがんでしまうことが多いのですが、ゆっくり変化していくためにご本人はあまり気づかないんですね。
つまり、知らない間にだんだんと不具合が進行していくんです。
こうした不具合は、健診を受けていれば早めに発見でき、早めの発見であれば費用も時間もかからず改善できることが多いんですよ。
fdo964 at 07:38|Permalink│Comments(0)
2019年06月04日
就寝時の入れ歯
夜間就寝時に入れ歯はお口の中に入れておくべきか、外すべきか?実は諸説ありますが、私は顎位が安定しない人は入れておくべきと考えています。
顎位が安定しないというのは、上下の奥歯同士の噛み合せが残っていない状態。
一番解り易いのは総入れ歯の方ですね。
顎位が安定しないと嚥下が難しくなり、ひいては誤嚥性肺炎に繋がる恐れがあると考えています。
どうしても「入れ歯は夜に外して洗浄剤に浸けて置く」というイメージが定着しているようですが、ご注意ください。
fdo964 at 08:43|Permalink│Comments(0)
2019年05月16日
皆に理解してもらえるよう
今週末(19日)、内輪の勉強会で講演をすることになっています。3月に歯科衛生士さん向けにお話したのですが、これが思った以上に好評で再度のリクエスト。
その衛生士さんが「聴かせたい!」と思った歯科医師の方がたまたま上京する(九州在住)日程に合わせて(私も空いていたので)急遽決まりました。
で、そんな勉強会ですが今回は歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手と全てのカテゴリーの方が受講します(材料関係や事務関係の人は常駐しませんからね)。
う〜ん、皆に楽しんでもらえる講義ってどうすれば?とも思ったのですが、考えてみれば皆が理解しなければ、普段私がお話している「医院のシステムが上手く回ってこそ臨床」ということが実現しないわけです。
普段、私がエラそうに話していることが周りに伝わるかどうかの試金石かもしれません。
fdo964 at 06:35|Permalink│Comments(0)
2019年05月09日
金属床について その13


入れ歯の話となると、どうしても入れ歯本体に注目し勝ちですが、部分入れ歯の場合、残っている歯の形態も非常に大切です。特に被せ物をしている歯の場合、入れ歯装着を前提としているかどうかで入れ歯の具合は全く変わります。
今日の写真は、上から「歯科技工士さんによる模型上の設計」を「できるだけお口の中で再現し」(2枚目)「お口の中に入れ歯を装着した状態」(3枚目)を載せてみました。
天然歯の場合、入れ歯が安定するように削ることもありますが、実はここは歯医者の腕の見せ所。
私の講演でも、ここの説明は比較的受講者が食いつく(笑)ところです。
fdo964 at 07:50|Permalink│Comments(0)
2019年05月05日
金属床について その12


今日の写真は、同じ患者さんの1つ目の入れ歯と2つ目の入れ歯です。
まったく初めてではなく、以前に下の入れ歯は作ったことはあるけど気持ち悪くて使えなかったというこの患者さん。
残念ながら放置していたために、上の歯も抜かなくてはいけない状況になり、新しく作成しました。
上の写真をよく見るとお解り頂けると思いますが、ゴテゴテと後から足した跡があります。
そして、実はかなりあちこちを削ってあります。
そして、最終的に決まった形が下の写真。
入れ歯に馴染みの無い方にはわかりにくいでしょうが、上顎の口蓋を覆う形は本当に人によって適正な形が様々です。
使ってみて感想を聞かせてもらい、その要望を満たすべく修正を行うというプロセスを経て初めて「具合の良い入れ歯」の形が出来上がるわけです。
fdo964 at 04:49|Permalink│Comments(0)
2019年05月04日
金属床について その11

延々と続いている「金属床について」ですが、そもそも金属床って?という方もいらっしゃるかもしれません。
実は、敢えて今まで書かなかったのですが、これはフレームを金属で作成した入れ歯の総称です。
総入れ歯でも部分入れ歯でもありますが、私は個人的に部分入れ歯は金属床で作成すべきと考えています。
それは、部分入れ歯の具備すべき条件を考えるとこれ以外では十分その条件を満たすことができないからです。
いわゆる「保険の入れ歯」はあくまでも保険で給付できる経済的な要件を満たすための材料で、歯科医学的な要件を満たすことは困難です。
とは言え、自費診療ですから選択は患者さんの価値観によります。
価格をお伝えすると高いと感じられるでしょうが、その価格をうちの保証期間の1食当たりの価格で計算をすると、約55円/食。
作成する手間と技術。
それで得られる快適さと歯を残せる確率を考えていただきたいな〜と思っています。
fdo964 at 07:01|Permalink│Comments(0)
2019年05月03日
金属床について その10

そして、痛みが無い状態が作り出せたら実際に食事もしてもらいます。
食事をすると痛い、噛みにくい、飲み込みにくい、食べかすが残ってしまう、などといった不具合を一つずつ改善していきます。
同時に喋りにくいといった点も。
部分入れ歯は、力学的な設計は模型上でできますが、舌触りや発音、飲み込み易さ(難さ)などは個人の感覚の差が大きいので、実際に使ってもらわないと、こちらもわかりにくいんですね。
なので、調整といっても削るだけで無く、大幅に形を変えたり厚みを変えたりもしていきます。
このプロセスを経ないで「慣れますよ」などということは言えないと思っています。
「慣れ」は大切ですが、「慣れられる形」でなければいけないのです。
fdo964 at 06:17|Permalink│Comments(0)
2019年05月02日
金属床について その9

一つ目の入れ歯の最初の目標は、食事時以外の時間にずっとお口に入れていられるという状態を作り出すことです。
なので、入れているだけで痛いという場合は、できるだけ速やかに来院してもらい、調整します。
うちは完全予約制ですが、入れ歯の調整は当日でも連絡をいただければできるだけ対応します。
実際のところ、そういう場合の調整は、調整時間もそれほどかかりません(ただし、予約優先ですから多少待っていただく場合もありますが)。
そして、1日の痛みであれば、調整後はほとんどの場合痛みが取れますが、3日以上我慢すると、調整しても痛みが取れるのに数日かかってしまいます。
一つ目の入れ歯は、頬の筋肉や舌が慣れるためですから、必ず毎日入れていただきたい。
そのため、「痛くて入れていられない」という状態が何日も続くと、意味のないことになってしまいます。
fdo964 at 08:17|Permalink│Comments(0)
2019年04月25日
金属床について その8
お口の状態を検査し、入れ歯の設計をし、一つ目の入れ歯が出来上がると、最初に使い方の説明をするのですが、おそらくここが私のやり方の特徴的なところかもしれません。まず、新しい入れ歯は、それがないと食事が摂れない/見た目にどうしても必要という場合を除いて最初の1週間は食事時には外してもらうようにお話します。
そして食事時以外の時間にできるだけ入れてもらうようにしてもらいます。
物を食べるという動作は、歯だけでなく、顎の運動を司る筋肉と舌の連携のうえに成り立ちますが、非常に精緻な運動なので(髪の毛1本でも識別できるほどですから)、入れ歯という人工物が使えるかどうかはまず周囲に馴染ませないことにはどうにもなりません。
ほっぺたや舌に「入れ歯の存在」を認めさせ、慣れたうえでないと食事などという動作は覚束ないはずなのです。
多くの方は、新しい入れ歯ですぐに食べようとしますが、その結果あちこちが痛くなったり上手く噛めなかったりと「自分に入れ歯は合わない」という状態に陥りがち。
でも、そんな「新品の靴を購入してすぐに高い山に登る」ようなことが上手くいかないのはご理解いただけると思います。
fdo964 at 05:46|Permalink│Comments(0)