ふじもと歯科診療室BLOG

東京都稲城市の歯科医師の日記 

カテゴリ: 歯科衛生士講演

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しつこく続く講演会関係ネタですが、ちょっと感動したのであえて。

今回の講演の持ち時間は、2時間。
事前の準備では、ラスト10分ほどを質疑応答に充てるつもりだったのですが、会場を目にして急遽予定変更しました。

いわゆる「階段教室」なので、そこで何か質問は?と振ってもなかなか手を挙げにくい構造。
私は、「最後に何か質問は?」と訊いて誰も手を挙げないときのあの「シラ〜っとした雰囲気」が苦手なんですよね。
折角の講演も、ラストで台無しになりそうなので、時間ピッタリに(これが、ビックリするほどピッタリ)終わるようにと意識しました。

まぁ、一人くらいは質問に来てくれるかな?と期待していたところ、次々と来てくれるじゃありませんか。
それも、質問内容が鋭いんですよね。

私の講演内容を踏まえた上での、普段の臨床での悩みなど、真剣に臨床に取り組んでいなければでない内容ばかり。

う〜ん、世の中の歯科衛生士さんは、こんなに熱心なのか!と改めて身が引き締まる思い。
負けられません。

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昨日、無事(?)歯科衛生士校での講演が終わりました。

休日で、しかも私のような無名の講師にもかかわらず予想以上の多くの衛生士さんが出席してくださいました。

講演内容の満足度については、皆さんからのアンケートを見てみないとわかりませんが、自分としては、意外に緊張することもなく時間通りに終えることができ、まずはホッしています。

とても嬉しかったのが、講演終了後に質問の方が何人もいらしゃったということ。

さすが休みの日にまで勉強しようという意欲のある方達ですから、当然と言えば当然かもしれませんが、40分以上も時間がかかるほどでした(おかげで昼食をほとんど食べ損ねましたが)。

うちの診療室の見学もしたいという申し出もあり、こうした「ヤル気」のある衛生士さんの存在に、歯科界の明るい未来を感じます。


とは言っても、反省点も多々あり、今後どこから講演依頼を受けても大丈夫なように、改善点を忘れないよう整理しておく必要もありますね。

また、折角の休日にもかかわらず出席してくれたうちのスタッフ達にも感謝です。

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延々と続いた「歯周病治療のメインテナンス」編ですが、今回で最終回です。

現状維持が目標のメインテナンスですが、体は老化していきますから現状維持というのは、実はなかなか大きな目標です。

ですから、ある意味メインテナンスは歯科治療の集大成。
歯周病学だけでなく、細菌学や口腔衛生学、診断学、心理学などの背景が要求されます。

そんな中で改善という手応えがないので、患者さん/術者ともに継続していくことがお互いに大変な部分がある。

ということが言えると思います。

また、今回は歯周病関連に話を絞りましたが、ウ蝕(ムシバ)や噛み合わせ、補綴物の適否の判断などもメインテナンスでは必要とされます。


しかし、なんと言っても、

メインテナンスの主役は、歯科衛生士さんなんです。





ですから、来院してくださる患者さんに満足してもらえるかは、歯科衛生士さんの日ごろの研鑽とプロ意識にかかっています。

患者さんに頼りにされるような歯科衛生士さんが、一人でも増えてくれることが、歯科界の未来を左右すると言っても過言ではないと思っています。

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今回の一連のお話では、メインテナンスに対する考え方として「分類し整理する」ということをメインにしました。

歯周病治療にメインテナンスは不可欠ですが、「メインテナンス=動的治療が完全終了」という意識で臨むと、あまりにも多くの問題が次々と出てきて、あっという間に壁に突き当たります。

また現状維持を目標にするということで、ともすれば消極的でモチベーションが高めにくい(患者さんも術者も)ところもありますが、問題点を整理するだけでずいぶんと変わるものです。


分類したそれぞれのメインテナンスについて、患者さん来院時の具体的な施術/対応法については省略しましたが、常に忘れてならないのがリスクアセスメント。

一言で言えば、メインテナンスにいらっしゃった方のウィークポイントを把握することです。

そのために、なにより大切なのは過去のデータと現在のデータから未来を予測すること

これが、毎回の施術内容、次回の予約の時期などを決めます。

ですから、BOP の測定結果や、プロービング値の持つ意味を十分理解する必要があります。

また、今回お話した分類は患者さん別ではなく、同じ患者さんでも部位別で考えなければならないこともあります。

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「次は、いつ来れば良いんですか?」

メインテナンスの患者(お客)さんに毎回訊かれることです。
もちろん、事前に解っていらっしゃる方も多いのですが、この次回の予約をどういう根拠で決めていくかは、とても大切ですが、実はとても難しいんですね。

有名な Ramfjord 先生の論文では、3ヶ月に一回。
また、 Lindhe 先生の論文では、2週間に一回。

現実的には、3ヶ月に一回の頻度を基準にして決めていく歯科医院が多いのではないでしょうか?

うちも、一般的にはおおむねこの基準で決めています。

ただ、試行的メインテナンス、妥協的メインテナンスに分類される方々については、2週間に一回という方が数人。
毎月という方が数十人いらっしゃいます。

いろんな文献を漁っても明確な回答はなく、最初は短めに設定し、安定してきたら延長していくというパターンになっていきます。

その安定をどこで判断するか?

もちろん一つだけで決まるものではありませんが、うちでは BOP 率を参考にしていますし、同じようにしているところは多いように感じます。

ちなみにこのBOP 率が20%(16%説もあり)を切ると、ある程度安定したと言えるという論文をその根拠にしています。

ただ、20%を切っていても、数値の上昇が認められる場合はやはり再考しなければなりません。

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予防的メインテナンス、治療後メインテナンス、試行的メインテナンス、妥協的メインテナンス。

今まで延々と綴ってきたこの分類は、あくまで術者側の整理のためのもの。
当たり前ですが、患者さんに対して使う言葉ではありません。

そして、いずれのメインテナンスにおいても、目的はただ一つ「現状維持」。
(もちろん、改善されればなおのこと良いのですが、それは動的治療の目的です。)


なかには、どこまでが動的治療で、どこからがメインテナンスなのかその境界が解りにくい場合もありますが、私の場合、目標が現状維持になったときからがメインテナンスだと思っています(異論はあるでしょうが)。

さて、歯科医院に通院するという、通常苦痛であることが続くのは、「治る」という希望があるから。
それが「現状維持」では、患者さんの通院意欲の継続のために通常の診療以上に様々な工夫が必要です。

オオゲサに言えば、『通院が楽しみになる』くらいにできれば言う事はありません。

どこの歯科医院も様々な取り組みをしているでしょうが、基本は「痛くない」ことと「気持ち良い」ことではないかと思います。

この気持ち良いということには、施術もそうですが、医院全体の対応も含まれます。
誰でも不愉快なところへは行く気がしませんから。

そして、メインテナンスは継続してもらうことが、その成功と言えるのではないかと考えています。

たとえ途中で抜歯するようなことがあっても、歯が残っている限りその歯を少しでも長持ちさせたいという意欲を患者さんに持ち続けてもらえれば、それは通院という行為に現れてくるからです。




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妥協的というネーミングから、前途があまり明るくないイメージですが、患者さんのモチベーション次第で施術時の雰囲気は大きく変わります。

「どうせ、手入れなんかしたって・・・」という気持ちでは、やはりうまくいきません。
病は気からという言葉の通り、患者さんが前向きになることで、こちらの当初の予想を裏切るような結果になることもあります。

ただ、この分類に属する方は、急発(突然腫れたり、痛みがでたりする)が多いので、その度に原因を考え、対処する必要があります。

なぜ、こんな症状が出たのか?
それに対して、どう対処するのか?
そして、その結果をどう予測しているのか?

ひとつひとつ患者さんに理解していただくことが、とても大切。

患者さんの中には「お任せします」という方がいらっしゃいますが、理解のうえで一緒に治療に参加するという姿勢に持っていかなければ、メインテナンスは失敗します。

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ようやく、最後の分類である「妥協的メインテナンス」です。

これは、文字通り妥協。

抜歯の方が望ましいのでは?と迷うケースが多く、歯周病菌は大量に残存、歯周組織の破壊も著しい状態です。

メインテナンスプログラムもフルコースですし、メインテナンス間隔も最も短期間に行われます。

全身的な問題を抱えている患者さんが多く、その影響も考慮しなければなりません。


例えば、糖尿病や腎透析をうけている方など。

また、そういう問題ではなく、心理的なもので抜歯を先延ばしにしている場合などもあります。

さらに、この分類に入る方のメインテナンスは、患者さんのご理解が不可欠です(もちろん、メインテナンスにおいては必要ですが、それでも最もと言う意味で)。
メインテナンスに通ってもらいながらも、いずれ抜歯という事態を避ける事は難しいので、それならばやってもムダ?と思われることもあるからです。

それをムダと感じてもらわないような説明が必要ですし、ムダにならないような施術をし、結果を残すようにしなければなりません。

妥協的だからと言って、決して自分のやる内容を妥協しているわけではありません。
むしろ、抜歯となっても患者さんに納得してもらえるような関係を築き上げなければ、通院は中断されてしまいます。

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昨日、うっかり解説もなくSPTと書いてしまいましたが、これはSupportive periodontal therapy の略。

その名の通り、サポートするわけですね。

つまり、常に見守りが必要で、ことあるごとに対処が必要ということ。
当然ながら、メインテナンス中でも、しょっちゅう動的治療に移行する場合があります。

また、診査も細かく見続ける必要がありますので、項目が増えますし、なおかつ見落としが許されません。
うちでは、毎回おおむね1時間の予約枠で施術しています。

また、ここで大切なのは、口腔内だけを診るのではなく、生活背景にも気を配る事。

患者さん本人のことだけでなく、家族のことなどで意外なストレスがかかり、それが口腔内に影響を及ぼしている事は、多々あります。

以前にも書きましたが「口は全身の鏡」と言う言葉があるくらい。

そして、歯科医師との連携が大切になってきます。


最近は、「患者さんが来院しても歯科衛生士だけが診療」というスタイルの歯科医院が珍しくなくなってきましたので、歯科医師との密な連携がとても重要です(うちでは、私自身が必ずチェックしていますが)。



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歯周病治療において、理想的な治癒と言えば「究極のメインテナンス移行基準」を満たす状態。

しかし、現実にその状態を作り上げることは、すでに歯周病に罹患してしまった人の場合、とても難しいものがあります。

そして、その基準にできるだけ近づけたいのだけれども、それがとっても困難。
だけど、抜歯という程ではない。

試行的メインテナンスの場合、そんな状態の方が中心です。

実際のところ、動的治療とメインテナンスの区別がつきにくいくらい。

歯周外科をすれば良さそうなんだけれども、患者さんが外科処置を望んでいない場合。
また、全身状態により外科処置が不可能な場合。
外科処置をしても、予後が悪そうな場合。
地道なブラッシングとスケーリングだけでも長期的にみればなんとかなりそうな場合。

しかし、放置しておくわけにもいかない。
そして、プラックコントロールのレベルを上げておけば、多少なりとも現状が維持できそう。

そして、細かい問題にマメに対処していく。

SPTの典型とも言えるところではないでしょうか?

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