「リトルバスターズ」の対談記事は変則的です。
ある事情(対談内容とは直接関係ない)から、残響さんと喧嘩になってしまいまして。
それはそれで仕方がないのですが、一向に残響さんが自分のぶんの編集作業を挙げてこないので、
全部feeが編集しました。
そのため、残響さんに任せていたバナー貼りや表、CG貼りなどができず、不格好なところがあるとは思いますがご了承ください。
対談自体は、和やかに録れていると思います。
また、一応『リトルバスターズエクスタシー』版のプレイを行ないましたが、
基本『無印』ヒロインをクリアして、追加ヒロインはお互いの自由に任せていましたので、
結果、無印+笹瀬川佐々美の対談のみ記事化する事となりました。
ご了承ください。
fee
シナリオ 6
キャラ 6
うらやま 1.5
エロ 1・5
残響
シナリオ 7
キャラ 7
うらやま 3
えろ 6.5
fee「おっ、シナリオ高いですね」
残響「feeさんも高い!」
fee「シナリオ以上に、エロの点数6.5が驚きなんですがw」
残響「2つの点が良かったです。1つは、段取りが良かった。いきなり性行為本番に行くのではなく、まず準備段階として最初は手コキorフェラのオーラルSEXからというか。べたべたした男女の仲というよりは、仲間として、でもお互い惹かれ合っていく感じで」
fee「エロシーンというよりは、恋愛描写の点数な気がするんだけど……」
残響「そうですね。1点目は、初々しい恋愛描写から思い切ってエロシーンへ、ジャンプというか冒険するわけですが、この感じが良かったです」
fee「まぁ不自然ではなかったですね」
残響「鍵ゲーのHシーンは不自然なものもたくさんありますからね。葉留佳ルートのHシーンは、性教育じゃないけど、Hってどうやるんだろう?という感じで、探り探り実験的な感じでするのも良かった。陰鬱なシナリオの中で、ちょっとした救いでした。以前、『つよきす』のエリールートで言った事と真逆な事を言っている気がしますがw」
fee「愛が伴わないHシーンが苦手で、相思相愛なら良いんでしょ? 『恋人になる前にHするのは嫌だ』と以前仰っていましたけど、【相思相愛なのがバレバレだけど、まだ恋人にはなっていない男女】のHシーンはそんなに引っかかっていない感じだし。愛とか恋がなくて、肉欲ONLYみたいなのが苦手というか」
残響「そうですそうです」
fee「『まじこい』リュウゼツランの百代と京の3Pシーンも肯定してたし。一応、人間としての情というか、仲の良さがあればいい感じだと思って聞いていますけど」
残響「ですね。ある種のいちゃつき合いを求めるというか」
fee「了解です。これは僕の方にも言える事なんですけど、概念の再設定と表現の仕方が問題にはなりますね。注意深く読まないと、『言っていることがコロコロ変わる』ように見えるけど、実際に言っていることがコロコロ変わっているのか、【本当に苦手なモノが何か】を勘違いしていたのか、はよくよく考えないと解らないし、よくよく聞かないと解らない」
残響「あとは絵師が樋上いたる先生なんですけど、葉留佳が側位になっているシーンに惹かれました」
fee「すみません。僕、このCGあまり好きじゃないんですよ……まぁ叩こうとは思わないですけどw」
残響「なんかおかしいというのはあるんですけどねw でもスレンダーなところが前面に出ていて非常に良いです。肌が綺麗で。腕とか腰のラインとか。ずぶずぶにエロいというよりは、健全なエロさですね。スレンダーでやせっぽちな女の子が好き、というのもありますけども」
fee「Hシーンへの導入、恋愛描写については同意します。でもなぁ……Hシーンの尺が短すぎません?」
残響「なるほどね。Hシーンそのものと言われれば……」
fee「まぁ僕的には、親戚に捕まった葉留佳と佳奈多の【品評会】で、先にイッちゃった方が負け、というHシーンが欲しかったですけどね」
残響「やべー話がキたw」
fee「こっそり佳奈多あたりが葉留佳に媚薬を盛ったりして、楽しい感じのHシーンが……それくらいは魅せてくれないと!」
残響「あの家なら媚薬ぐらい持っていそうです」
fee「もちろん、作中にそんなシーンはありませんけどね。そんなのがあったら、もう少しHシーンの点数は上がったんですけど……。まぁ、Keyのファンに好かれるかどうかはちょっとよくわかりませんがw」
残響「二次創作だと結構ありますけどね」
fee「ファン自体の総数が多いから、多様なファンがいるんでしょうか。まぁ、エロさを追い求めていくタイプの作品でもないので。あまりHシーンをやりすぎると、逆に本来の魅力が失われる可能性もありますし、エロの点数が低いから作品として悪い、というわけでもないです」
☆2
fee「エロはともかくとして、割と似たような点数分布になったのは驚きました。うらやましさの点数が、僕が1・5で残響さんが3点というのも、大体似たような事が言いたいんだと思いますが……」
残響「恐らくw」
fee「このシナリオ、しんどくないっすか? ドギツい。ほんっと、しんどい。今までのKey作品のしんどさとはまたちょっと異質な気がするんですけど」
残響「そうそう」
fee「こんなに人間の悪意を全面に出してくるシナリオは、Key作品の中でも割と異色なような……? まぁ、全作プレイしているわけではないので、解らないところもありますが」
残響「他作に関しては、運命とか宿命とか、そういったものに対するあがき、抵抗の方に寄っていた気がします。人間関係とかお家問題でこんなにキツいのはなかった気がしますね」
fee「強いて言うなら『CLANNAD』で、主人公のお父さんが、主人公を怪我させちゃったりとか。主人公が昇進しそうなときにお父さんがヤンチャしちゃって、足を引っ張るようなシーンはありました。でも、お父さんがわざと主人公に意地悪しているわけじゃないんです」
残響「うん」
fee「でもこのシナリオは、悪役のキチガイ度が高い……」
残響「変なたとえですが、keyという料亭で、出てきたメニューがカレーうどんだった、みたいな」
fee「そうねぇ」
残響「しかもカレーうどんのレベルが低いわけじゃないんですよ」
fee「うん。レベル低くはないですよね、このルート」
残響「低くはない。職人的な巧さもあるんですけど、料亭の和食を食べに来たつもりでカレーうどんを出されても、というのがあって」
fee「まぁ、僕は料亭の和食(=本来のKeyテイスト)にこだわりはないので、カレーうどんが出てきたっていいんですけど。単純に僕は、このたとえで言うカレーうどん(=鬱シナリオ)は好きじゃないんですよねw」
残響「わかります。ぼくも好きじゃないです」
☆3
fee「シナリオを紹介しましょう。トラブルメイカー的な三枝葉留佳ちゃん。風紀委員と仲が悪いんですよね」
残響「ちなみに風紀委員長は二木佳奈多さんです」
fee「そうそう。で、ぶつかっているんですけど、どうやら単にトラブルメイカーVS風紀委員のレベルでぶつかっているんじゃなくて、お互いが憎悪のレベルでぶつかっているんです。葉留佳と佳奈多の家族問題の物語なんですよね」
残響「お家問題と言うのかな」
fee「幼児虐待もありますよ。葉留佳と佳奈多は父親の違う……」
残響「実は双子だったという」
fee「外見でモロばれですけどねw 父親の片方がクズ扱いされているんですが、葉留佳と佳奈多、どちらがクズ親の子なのかはわかりません。で、良い方の子供を跡取りに選びたいから、どちらが優れているのかを競わせてみたところ、どうやら佳奈多の方が優れているということで、佳奈多が跡取りに。葉留佳は落ちこぼれの雑魚扱いで虐待されている、という設定です」
残響「全く救いがない設定ですね」
fee「最後まで救いがないのが、シナリオ点が伸びなかった理由です。最後の方で、お姉ちゃんの佳奈多ちゃんや両親とは仲直りするんです。それで『悪い人はどこにもいなかった』と葉留佳が悟って、終わります」
残響「でも、三枝家がダイナマイトで爆発するわけでもないし……」
fee「一応続きに当たる佳奈多ルートでは少しフォローはありますが……
『悪い人はどこにもいなかった』とか言って綺麗に終わらせてますけど、三枝の実家は普通に悪い奴らでしょ?」
残響「悪い奴らですよ。こいつらこそクズじゃないか、と」
fee「あの話を読んで、『世界に悪い人はいなかった』って言われても……」
残響「それはね……。これから良い方向に進んでいくかも……ぐらいで、ハッピーエンドではないですよね。ここからが始まりだよ、というか」
fee「まぁ、ハッピーエンドにこだわる必要はないんですが、こんなに救いがない話なんだから最後くらいはハッピーエンドにしてほしい、というのが1つ。
もう1つは、『世界に悪い人はいなかった』という葉留佳の台詞で終わるのがちょっと……」
残響「それは飛躍ですよね。佳奈多と和解できて、嬉しさのあまりの飛躍というか」
fee「ちょっとはるちん、ズレすぎてないですか? 僕読んでて笑っちゃったんですけど。ギャグでもないのに」
残響「はははw お姉ちゃんと仲直り出来て彼氏も出来て、親とのことも一区切りついて興奮したんですよ。でもこれまでがこれまでじゃないですか」
fee「しかもこの環境から脱出も出来てないでしょ? ブラック企業で、自分をいじめていた上司と同僚が実はいい奴だった。上からの指示で、自分をいじめて追い出そうとしていたという事実を知って、上司や同僚と仲直りしてハッピーエンド。でもブラック企業の社長や部長はそのままだし、葉留佳自身はこれからもブラック企業で生きていくわけで。なのに『世界に悪い人はいないんだ』で終わっていいのかなって」
残響「なるほどねぇ。三枝の一家は頭を下げろ!って話ではありますね」
fee「これはもう一家惨殺皆殺しされても文句は言えないレベルですよ」
残響「ぼくも同意見です」
fee「はるちんが優しい小心者だったので良かったけど、はるちんがこじらせていたら、今頃三枝の家は火に包まれてます。たまたま最近ミステリを読んでいますけど、精神的に追い詰められて大量殺人に走ってしまうサイコキラーたちよりも、はるちんの環境はずっと酷い」
残響「そうなんですけど、『良かったね』で終わるラストというのは、鍵ゲーらしさはあるかなと」
fee「でも実際全然『良くない』からねぇ……。最後、もう少しどうにかしてほしかったかなぁ」
残響「まぁ、お互いの趣味には合わないタイプの話ですが、シナリオのレベルは決して低くない」
fee「でも、好みは抜きにしても、超良いってわけでもないよ」
残響「超良くもないですね。でも平均は超えているんじゃないですか?」
fee「まぁ、そうかなぁ。中の中~中の上くらいかな。僕は6点をつけましたけど、好き嫌いを除くと7点ぐらいでしょうか。好き嫌いで-1点減点って感じです。一番微妙なところですね。
もし残響さんがこのシナリオをめちゃくちゃ叩き始めたら、『そこまで悪くはないですよ』と擁護すると思いますし、このシナリオをめちゃくちゃ褒め始めたら、『そんなに良いですか?』って叩きに回るような、微妙な位置づけです」
残響「ははははw」
fee「これは相手の出方次第ですよw だって凄く良いとも思っていないし、凄く悪いとも思っていないし。ただ、【リトバスの個別ルートはみんなクソ】という感想は結構見ます。【リフレイン以外はクソ】という」
残響「それは言い過ぎですね」
fee「だからまぁ、クソというほど悪くはないよね、とは思いました」
☆4
fee「『リトルバスターズ』というゲーム全体に言える事なんですが、非常に【ミステリ色が強い】作品だなと感じています」
残響「はい」
fee「犯人捜し、という意味ではなくて、謎を追っていくという意味でですね。『つよきす』とか『まじこい』の時のようにテキトーに読んでいると、話の筋が追えなくなるんですよ。それは不親切でそうなっているんじゃなくて、わざと読者に考えさせているなと感じます」
残響「叙述トリックというか」
fee「そうですね。悪い叙述じゃないです。たとえば
『今日【は】来てくれた。うれしかった。何度誘っても慣れない。断られたらとてもつらい』という文章があって。今日【は】なんだ。【も】じゃないんだ、とかね。こういうのが全部伏線になってるんです。『今日【は】嬉しい。けれど、【来てくれる度】に、邪魔が入る』」
残響「なんか、含みがあるんですよね」
fee「含みというか、これは伏線なんですよ。リフレインに繋がってるんです。こういう、意味の取りづらい文章は」
残響「なるほど。そうなんですねぇ(残響さんはこの時点でリフレイン未プレイで対談)」
fee「一見噛み合っているようで、全く噛み合わない台詞が何度もあって、リフレインを知っていると見えてくる光景が全然違うんです。理樹が考えている事と、佳奈多が前提にしている知識が違うんですよ。佳奈多の知識量と理樹の知識量が全く違う。理樹の知識量はプレイヤーなんですが、佳奈多の知識量は最後まで完全にクリアしたプレイヤーなんです。
そんな、理樹よりも圧倒的に知識量がある人が、相手に全然理解させる気がない感じで、自分本位に喋る。理樹は自分の知識量で佳奈多の台詞の意味を推測して答えるけれど、全然噛み合っていない。コミュニケーション不全がシナリオ全体で起きています」
残響「そうなんですね」
fee「一周目だと佳奈多の言っていることが全然わからないし、二週目にプレイすると理樹が超鈍く見える」
残響「なるほどなるほど」
fee「鈍いのは仕方ないんですよ。知らないんだから。でも、佳奈多の聞いている事に対して、全然受け答えできてねーなこいつ、って思うシーンは多いですね」
残響「【ループもの】ってことですか?」
fee「あぁ、ネタバレにならないように喋ってたつもりだったけど、ネタバレしてしまったか……佳奈多が理樹に【人でなし】って言われた事は1回しかないはずなんですが、【あなたにそう言われるのは慣れたわ。毎度毎度のことだし】という台詞があったり」
残響「そういうふうに読めばいいのか!」
fee「2つの可能性が考えられます。1つは、シーンには書かれていないけれど実際には理樹が何度も佳奈多を罵倒しているという可能性。
もう1つはループもので、佳奈多には記憶があるけど理樹には記憶がない。葉留佳ルートに行くたびに、佳奈多は理樹から【人でなし!】扱いされている。まぁ、この場合は後者だと思います」
残響「この辺はリフレインをやってみてからですね。ひょっとしたらものすごく叩くかもしれないし」
fee「ネタバレしちゃってごめんね」
残響「いや、むしろありがたいです。こういう事は早めにバラシてくれた方が嬉しいんです。ぼく、それだけループものが苦手なものですから、不意にループものだと解ると逆に苦しいかもしれないので。それに、feeさんが直接ネタバレしたわけじゃなくて、自分の頭で気づいたことなのでそれも良かったです」
fee「これぐらいならループに気づかないだろうと思って喋っていたけど、気づかれてしまった。まぁ、残響さんはネタバレを気にしない人だから良かったけど、半分以上の人は気になると思うので、今後違う方と対談する機会があったら、もっと気を付けて喋らないとなぁ……」
☆5
fee「このルート単体で読み取れることは、佳奈多は確実にループを理解しているということです。葉留佳も多分理解している。たとえば『今日【は】来てくれた』というのは、葉留佳ルートに入らないループ世界では、葉留佳が誘ったのに、理樹は来てくれなかったんですよね」
残響「なるほど」
fee「『こんなの覚えてない。どうしたらいいのか、わからない』という葉留佳の台詞もあります」
残響「葉留佳があらゆる事にウンザリして投げやりになっているのかな、と思ったんですが、ループというふうにも確かに読めますね」
fee「『他の子たちとは違って、私はそれ以上求めない』とか」
残響「普通に流して読んでましたw」
fee「いや、普通は流して読みますよ、初回は。だから、初回ではあまり楽しめないんです。初回からループに気づいている人は別ですが」
残響「それはミステリ慣れしている読み巧者ですね……エスパーすぎる……」
fee「だからフルコンプ後にもう1度読む頑張り屋さん以外は、【個別ルートはクソ】で終わってしまう可能性があるんです」
残響「なるほど」
fee「僕も前回プレイした時はもっと点数が低かったと思います。今回読んでみて、こういう挑戦的な伏線をどんどん入れてきているのが面白いなと感じました。リフレインに繋げる壮大な伏線以外で、このルート内で解けるミステリとしては入れ替わりトリックがありますね。
シフォンケーキの」
残響「はいはい」
fee「解くカギは髪の匂い。柑橘系の香りが葉留佳で、ミントの香りが佳奈多だとか。鋏を右手で取ろうとする(佳奈多が変装した)葉留佳とか。本物の葉留佳は左利きなんですよね。そういうミステリ的な描写も、ちょっとわかりやすいけど、堂にいっているなと思います」
残響「左利きというのも、いろんな意味にかけていますよね。インドでは右が聖なる手で、左は不浄の手だとされていますし。左不浄説みたいな」
fee「あーあーそういうのありましたね! 言われるまですっかり忘れてたけど」
残響「そういうヒントとか伏線、多重の意味合いなど、このルートはかなり考えて作ってあるなと感じますね」
☆6
残響「キャラ話に移りたいと思います。葉留佳さんはなんだかんだで愉快な人ですよね」
fee「まぁ良い人ですね」
残響「良い人だし、愉快だし、諦めたくなる事はあってもちゃんと頑張るじゃないですか。理樹君の女房役というか、彼女役というか、そういう意味での羨ましさは少しあるんですよ。まぁルート内容を考えると全然羨ましくないですけど。理由がある事とは言え、佳奈多からグッサグッサグッサグッサいじめられるわけで」
fee「リトバスの中で恐らく一番キツいルートはこれだと思います。僕ははるちんはまぁまぁ好きです。でも……なんか俺に似てるところがあるんですけど」
残響「ははは」
fee「【自分に自信がなくて、道化を演じて、周囲を面白くさせて自分の居場所を確保しよう】、というのは僕が学生時代にやっていた処世術ですからねぇ。今でもそんなに変わってない気もするけど、昔ほど必死な道化ではなくなったかな……」
残響「うーんw」
fee「愉快で変な事ばかり言ってるけど、内心はかなりチキンなのも似ているし。結構似ているところはあるんで、解るな~と思って読んでいました。葉留佳と佳奈多で喧嘩をしているじゃないですか。どちらの肩を持つか、というと、僕はやっぱり葉留佳の肩を持っちゃうんですよ」
残響「少なくともこのルートだけで判断するなら、葉留佳さんの肩を持っちゃいますよね。あまりにも佳奈多さんの良い所が見えないというか。解るんだけど、見えない」
fee「まぁでも最初は葉留佳さんの逆恨みでしょ?」
残響「はい」
fee「勝手に自分に敵対してくる葉留佳がウザくて、佳奈多は『コノヤロー』してるんでしょ?しかも周囲から葉留佳と仲良くするなとか言われてるし。だから、保身を図れる範囲で葉留佳を殺しに行っているように見えます」
残響「ふふふふw」
fee「佳奈多の行動の一番の動機は『保身』だし、葉留佳の一番の行動動機は『ワガママ・奔放』だと思います」
残響「はいはい」
fee「僕はどっちかと言うと『ワガママ』な人間なんで、そんなに葉留佳のワガママさがダメなものだとも思いません。学校が処分しようとしているベンチを、思い入れがあるからって勝手に修理しようとして風紀委員の邪魔をしたりするシーンがありましたよね。
これは【大義】は佳奈多にありますよ。でも、葉留佳の気持ちも解る。生徒一人ひとりの気持ちを考えていたら、学校運営は成り立たないですからね。ただ、目の前でベンチを壊す必要があるのか?と言ったら、これはもう完全に佳奈多の【悪意】としか考えられないし。
いくら【大義】があるからと言って、他人の心を意図的に傷つけようとする人間と、自分のわがままで他人に迷惑をかけちゃった人間なら、僕は後者の方がシンパシーを感じます」
残響「はい」
fee「佳奈多の方にシンパシーを感じる人もいると思いますよ。佳奈多はストイックですからね。泣き言を言わない。はるちんは泣き言を言うんですよ。泣き言を言って、自分の不幸を理樹に慰めてもらっている。でも佳奈多は多分、そういうのは嫌いだと思うんです。隠そうとすると思う。そういう性格の違いはあると思います。
だから、『私だって大変な中、努力して頑張ってるのに、こっちの気持ちも知らない落ちこぼれ人間が逆恨みしている』ように佳奈多からは見えるでしょうし。ただ、ループしているのなら、佳奈多ももうちょっといろんなコミュニケーション手段を取ってみてもいいと思うんですけどね」
残響「話は変わりますが、この学校のモブは、ロクでもないやつばっかりですよね」
fee「そうですねw まともなのは寮長と学食のおばちゃんぐらい」
残響「そんな中でも、リトルバスターズの面々は楽しくやっていたんだなぁと」
fee「リトルバスターズの仲間たちの周囲と、その他の学校のモブたちの空気が全然違いますよね」
残響「初っ端から、鈴は周囲の女子達から嫌われている、という描写から始まりますし。割とドライな感じで」
fee「あの学校はあまり良い学校ではないですね。リトバスメンバー達に混ざりたい気持ちはあっても、この学校全体を好きになれるかと言うと怪しい」
残響「トラブルメイカー的なキャラというのは、がさつなキャラが多いじゃないですか。でもはるちんの場合は、多少がさつではあるけれど、しなやかさも持っていると思うんです。可愛げが非常に強いというか」
fee「愛嬌はありますからね」
残響「このキャラが出てくるだけで何割か画面が面白くなる。彼女のやっていた事は無為ではなかったんだなと。改めて思うと、ぼくは結構この葉留佳さんというキャラが好きだったんだな、と思いました」
fee「話が前後して申し訳ないんですが、自分によく似た部分を見つけたので引用しますw
今日『は』来てくれた。うれしかった。何度誘っても慣れない。断られたらとてもつらい
からだや、あたまがぎしぎし痛んで何も考えられなくなる。
好きなひとからどうでもいいって思われるのは。
構ってもらえないのは、とても苦しかった。
他の子と違って、私は自分に自信がない。
かわいくないという自覚はあったし、それに私は、他人が怖かった。
私は要らない子だったから、誰にとってもそうだったから。
勇気を振り絞って言っても……受け止めてもらえることなんてなかった。
誰かのせいじゃない。私が、こんな子でしかないからだ。
私は、私でいちゃいけないんだ。だからせめて、道化の仮面をかぶっていようと思った。
嫌いな人間にどう思われても、僕は別にいいんです。ただ、好意を持っている人間に嫌われるのは辛い。一般大衆の目はあまり気にしないけど、知り合いの目は気にする、というところはありますね」
残響「なるほどなぁ。『つよきす』のところで仰っていた、線の外と内側の違い、ですか」
fee「そうですね。更に言うなら、『私がこんな子でしかないから』までは同じだけど、『私は私でいちゃいけない』というのは僕は違っていますね。『私は私でいちゃいけない(かもしれないけど)、変身する能力はない』んです。
元々道化的な部分は僕自身が最初から持っていたものなので、道化の仮面を被るというよりは、道化的な側面をなるべく見せていく、という方が近い。はるちんに関しても、作中ではこう書かれていますが、道化的側面は彼女が最初から持っていたものだと思います」
☆7
残響「演出面で感心したのが、このシーンですね(キャプチャを貼ってほしいけど、feeはキャプチャを持っていません)。立ち絵をコピペして横に並べているという。この大事なシーンで、これを持ってくるか、うまいな!と」
fee「なるほどね」
残響「このゲーム、演出に相当気を配っているんだなぁというのは思いました。これは(キャプチャ。同じく)実家のはるちんの部屋ですが、非常に背景が寒々しいんですよ」
fee「確かに」
残響「光の当たり方も寒々しいし、物の置き方がテキトーなのも寒々しい。こういう細部に目を行きわたらせて、スタッフはちゃんとゲームを作っている、と思いました」
fee「ちなみに三枝のママとパパ達についてはどう思いますか?」
残響「どう、と言うと?」
fee「三枝や二木の家が鬼畜すぎるのが問題なのであって、こういう多夫一妻の家があってもいいんじゃないかなと僕は思っちゃうんですが」
残響「あー、はいはい。一夫一婦制を守っていなくても」
fee「児童虐待の方には嫌悪感を覚えましたけどね。三枝の家だけじゃなくて、二木とかいう家も頭がおかしいんですよ」
残響「分家の方ですね。この一族、ほぼみんなおかしいですね」
fee「どうなってるんですかね?」
残響「こんな奴らばかりで、よく三枝の家が持ち直せたなと思いました」
fee「そうですね。そもそも、『リトバス』の舞台はどこなんでしょう。一応生徒数がそれなりにいそうな町なのに、こんなキチガイ一族が黙認されているのはなんなんでしょう。そもそも名家とかいうものが力を持っている、という時点で割と驚きなんですけれども。田舎の地方都市は今でもそういうのがあったりするんでしょうか?」
残響「そう言われればそうですね」
fee「ちなみに中傷ビラを撒いたのはモブですか?」
残響「モブでしょうね」
fee「佳奈多じゃないでしょ?」
残響「【風紀委員の構成員が、三枝家の人】という仮説はどうでしょうか? *葉留佳の裏をかきながら中傷ビラを撒くことはできるんじゃないかなと。佳奈多犯人説はぼくは考えませんでした」
fee「僕は佳奈多犯人説が2割で、モブが8割だと思っています。でも、モブがやったというのはともかくとして、三枝家がやったとは思いづらいんですが……」
残響「まぁ、愉快犯的に、何の関係もないモブがやったという可能性もあるんですけれども」
fee「僕はモブが犯人ならそっちを考えています」
残響「どれだけこの学校のモブはクソなんですかw」
fee「しかも結構気合入れてビラ撒いてますからね」
残響「頑張りすぎですよw」
fee「でも【世界に悪い人はいませんよ】」
残響「悪い人ばっかりじゃないですかw」
fee「そうですよ。だから最後の台詞と物語が合っていないんです。最後の台詞と物語テーマが合っていないからシナリオ点がそこまで伸びないんです……ってさっきも言った気がするな、これ」
残響「なるほどね」
fee「【世界に悪い人はいないんだ】なんて、能天気な事で大丈夫なんですか? まぁそれぐらい能天気な方が生きやすいかもしれませんが……」
残響「うーん」
fee「この作品の解りづらさを助長しているのは、『リフレイン』関係とは別に、理樹がナルコレプシーな事ですよね。個別ルートに入った途端に日付がなくなって、シーンの繋がりもなくなってしまう」
残響「ですね」
fee「不思議な事が起こっても、本当に不思議な事が起こっているのか、理樹がおかしいだけなのかが解りづらい」
残響「現実と幻想の境目を泳いでいるような感覚ですよね。それこそ村上春樹みたいなところがあるんです。これは現実以上の現実なのか、夢なのか、現実なのかみたいな」
fee「だいぶ違うかもしれないけど、*2カフカとかですか?」
残響「そうそう」
fee「なんか、ふわふわしていますよね」
残響「ふわふわしてますね」
fee「『昨日』とかそういう文章もなくて。『ある授業中』みたいに、唐突にシーンが始まるんです。
そうだ、何を言いたかったのか思い出した。なぜ佳奈多犯人説を考えたかと言いますと、リフレイン関係の話なんですよ。
拠り所を全てなくせば元に戻る。
という佳奈多の台詞がありまして。はるちんから全てを奪ってしまうと、はるちんが自殺してしまうのではなく、ループが戻るのだと思うんです。葉留佳ルートに行くと、佳奈多は面倒くさい事ばかりに巻き込まれるので全然嬉しくない。だから葉留佳と理樹が仲良くなろうとすると『あんな奴と一緒にいると内申点が悪くなるからやめなさい』とか佳奈多がお節介を言いに来るんですが、あれはもちろん本気でそんな事を言っているんじゃなくて。
理樹とはるちんがくっつくと、まーた不愉快な葉留佳ルートに行って、理樹に【人でなし】扱いされるし。もうこっちくんな! お前は他の女の子とイチャイチャしてろ、と。他の女の子のルートなら佳奈多本人は酷い目に遭わずに済むから。
だから、佳奈多は葉留佳ルートから即刻退場したくて、全ての行動を取っているのかなと思いました。はるちんに対してめちゃくちゃ攻撃的なのは、嫌いな部分もあるんでしょうけど、本当の現実世界だったら、あそこまで言わないと思うんですよ。はるちんが自殺しちゃうくらいの事や、包丁で刺しに来るかもしれないような事を平気で言っているじゃないですか。それでも大丈夫だ、って佳奈多は踏んでるんです。どうせ戻るだけだしって。
もしそうだとするなら、葉留佳をトコトン追いつめてルートを最初に戻すために、ビラを撒く可能性もある、というふうに読んだんですけど」
残響「なるほどなぁって感じです」
fee「このゲーム、個別ルートは全部出題編で、リフレインが回答編みたいな感じなんですよね。個別ルートのわけわからない部分も、リフレインで答えが出る。推理したい人はリフレインをプレイする直前で推理する、という意味で、本当に正しくミステリな作品だと思います」
*1アニメ版『リトバス』ではこの解釈を取っていました。ただ、身内の恥をわざわざ晒すような真似を三枝家がするとは僕的には思えないので、説得力に欠けているような気がします。
*2 フィリップ・K・ディックもそういう作風ですよね。後はより寓話的なテイストですがジョン・アーヴィングとか、カート・ヴォネガットとかもかな?
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