ワインを飲みながら映画を観ていた時に、思わず寝落ちをしてしまった。その時に夢の中に出てきた二人の男女の話を述べる。
 夢の中に出てきた男女は、都内にある商業ビルの中で買い物をしていた。そんな時に、たまたま目についた子供服を取り扱っているお店に、その男女は訪れた。女性の方は「結婚して子どもが出来たら、こういう感じのおしゃれな子供服を着せたいなぁ」と語ったが、男性の方はそれ程乗り気ではなかった。
 では何故それ程乗り気ではなかったのかというと、その二人の男女は同じ下請けの中小企業に勤めながらも、40歳手前でもらえる給与が30万円前後である事と、現在の月の給与が20万円程しかないからである。それに加えて会社自体が人手不足であり、常に忙しい。その男性は小学校から大学までを私立の学校に通っていた事もあり、受験のための塾や予備校の費用や学校の学費を考えたうえで乗り気ではなかった。それにお互いが共働きだとしても、40歳手前で夫婦合わせて月に60万円前後にしかならない。それにお互いが仕事で忙しく、普段は夜の8時から10時の間に帰宅するという多忙なスケジュールも気にしていた。
 だがしかし女性の方はどうかというと、東北出身であり、小学校から高校までを公立の学校で過ごした。そして高校卒業後は専門学校に進学した。だからこそ、東京の物価と家賃の水準と教育意識を知らない。だからこそ能天気に「結婚して子どもが出来たら、こういう感じのおしゃれな子供服を着せたいなぁ」と言えるのだろう。
 その男性は、相手がそんな気分でいている事にも気が付いている。
だけれども受け身だから、相手に気を使ってしまう。それにその男性は過去の事で強い後悔を抱いていた。



 続編に続く