マネジメント寺子屋「日新塾」

《おかげさまです思考(生命論パラダイム)に基づく「ドラッカーマネジメント」》



                ■ マネジメントとは、「組織をして生産的ならしめるもの」である。
                ■ 組織とは、「特定の目的・ミッションを共有した集合体」。       



カテゴリ : すべては顧客を理解することから始まる

・企業の目的は顧客とともに企業の外にある。企業が何であり、何を生み出すかを規定し、企業が成功するか否かを左右するものは、顧客である。


■ドラッカーの経営思想の原点

「顧客に主導権がある」などと言うことは、理論としては当然に思われる。これほど基本的なことはない。ところが現実には、あらゆる組織が内部のことに忙しく、顧客のいる外部の世界に焦点を合わせることが出来ないでいる

とくに企業であれば、いっそう気をつけなければならない。技術と人をめぐる静かな革命が、顧客にリモコンを渡してしまった。顧客まわりではあらゆるものが変化しつつある。しかも世界中が相手になった。価値観が多様化した。

 顧客は自動車のハンドルを手にしただけではない。自分でガソリンを入れ、オイルを交換し、交通整理まで行っている。

 ・いまや顧客の心の内に入り込むことが、全事業の様相を一変させることを知らなければならない

顧客と一体化することから未来は始まる

 ・メドトロニック社のミッションは「患者の苦痛を和らげ、健康を回復し、生命をながらえさせることにある」としている。同社は医師をパートナーとして、開発すべき機器の決定を行っている。「わが社の主要機器の99%以上が、現場の医師たちの助言によって開発されたものだ」という。

■顧客についてのドラッカーの四つの問い

 ・ドラッカーは、クライアントに顧客との関係を考えさせるために四つの問いを用意していた。実に70年間、この問いを問い続けてきた。

 (ⅰ)顧客は誰か

 (ⅱ)顧客にとっての価値は何か

 これら二つの問いに答えさせたあと、必ず次の二つの問いを投げかけた。

(ⅲ)それでは、あなたは何を成果とするか

 (ⅳ)あなたの顧客戦略は何か

                『P・F・ドラッカー(理想企業を目指して)』より

 
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(ⅰ)顧客は誰か

「顧客は誰か」との問いへの答えほど簡単なものはないかに思われる。だが、そのようなことはない。この複雑かつ組合せ自在な世界では、顧客を明らかにすることはそれほど容易ではない。なぜならば、顧客は、必ずしも支払いをする者とは限らないからであるそれは実質的に、買うことを決定する者だからである。したがって、マーケティング分析にしても、まず顧客を明らかにするところから手をつけなければならない。今日の顧客は、製品の設計や改善にまで口を出す


■誰を顧客とするべきか

 ・このあらゆるものが結びつく世界では、顧客一人ひとりの背後に大勢の関係者がいる使う人、買う人、買うことに影響を与える人がいる。そして、他の買う人にまで影響を与えている。彼らを理解するだけでは十分ではない。密接にかかわりをもたなければならないそして、彼らが「どのようなつながりをもちたがっているか」を知らなければならない。このようなことは、全く新しい事態である。

 ・顧客が単独であることはほとんどない。買い物の後ろには複数の人間がいる。製品をランク付けするウェブサイトをはじめ、無数の関係者がいる。本人が意識していなくても、彼らの意思決定はそれらの人たちの影響を受けている


■顧客か競争相手か

 ・この組み合わせ自在の世界では、顧客が競争相手に変身することさえ頻繁にある。自社の製品が他社の製品に組み込まれてしまうこともある。この場合は、売上は増えるが、ブランドは失われる。

 ・敵か味方かを見分けることが難しくなった。企業間の関係は多面的かつ多層的たらざるをえなくなる。いずれが顧客かは取引ごとに変わる「顧客がいつ競争相手になるか」、これこそ常に意識すべきこととなる。


■顧客ならざるもの(ノンカスタマー)

 ・ドラッカーは「ならざるもの」についてよく聞いた。「別の角度から考えなさい」といった。

 ・「ノンカスタマーを明らかにする」ということは、既存の顧客のうちで顧客にしてはならないものを明らかにすることを含む。

 ・「一つだけなら適切なことを行うのは易しい。だから、あちらこちらに手を出してはいけない」

 ・「誰が顧客でないか」を考えることによって、選択と集中が実現される顧客を明確に識別することによって、外の世界を中心にアウトサイド・インにものを考えることができる顧客の現実、ニーズ、価値体系に共鳴することができる


顧客にするべきノンカスタマー 


 (インテルはノンカスタマーを顧客に取り組むことによって成長してきた。
1990年代の初め、インテルはある重要なノンカスタマーの存在に気がついた。携帯電話だった。そこでモトローラやノキアと連携した。インテルは新興国や途上国において、これまでのノンカスタマーを顧客にしようとしている。PCそのものに進出する。インド向けPC、メキシコ向けPCを売り出す。世界中の教員を顧客にしようともしている。)

             『P・F・ドラッカー(理想企業を目指して)』より

 
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(ⅱ)顧客にとっての価値は何か

・企業の存在価値は、企業が顧客に提供するものによって定まる。それが何か」が最大の問題である。しかし、これを真剣に検討している企業は意外なほどに少ない。

 
 ・静かな革命のもとにあって、顧客が価値ありとするものと、その価値に影響を与えるものが劇的に変化しつつある企業がどう考えようとも、ボスは顧客である。先進国においては、顧客の多くはマズローのいう生存段階を越え、モノの獲得よりもサービスの獲得と心の充足を重視するようになっている。


 ・時間の価値があがるに従い、顧客は利便性を重視するようになったさらには、顧客の発言力が増大するに従い、顧客が価値ありとするものが変わった重要なのは、これら顧客の価値観の変化である

 
 ・顧客に主導権が渡ったからといって、企業が困った状況になるわけではない。顧客をボスにすることによって、双方にとって良い状況をつくりあげることができる顧客の身になり、顧客が価値ありとするものを理解すればよい

 
 ・「顧客にとっての価値とわが社にとっての価値は一致しているか

 
 ・顧客の心の内は、調査報告書では分からない。直接会って話を聞かなければわからない顧客にとっての価値は、顧客の側から見なければわからないこの仕事を委譲するわけにはいかない。いかにデータが溢れたご時勢になろうとも、重要なのは、顧客の心の内についての直接的な情報である

 顧客分析をマーケティング会社やスタッフ部門に任せることはできても、顧客との接触は自ら体験しなければならない


■顧客にとっての価値は、何から影響を受けやすいか

 ・顧客にとっての価値は製品だけでは決まらない。企業との関係や製品への発言力が大きな意味を持つ。このことは、対面取引からeコマースへと変わった後も変わることはない。

 
 ・一般論として、これまでも顧客との関係の重要性は認識されてきた。その為、顧客のもとに担当者あるいは担当チームを常駐させる企業も多かった。しかしこの種の関係は、いまだ不十分といわざるをえない。自社の戦略を他者に知られることを嫌う企業さえある。

 
 ・顧客のニーズを総体的に捉えることから、多様なマーケティング戦略は展開される


(携帯端末メーカーのモトローラーは、若いお母さんにとって、携帯とおむつでは購入の仕方に大きな違いがないことを知った。そこで同社は、ウォルマートのおむつ売り場の近くでキャンペーンを張った。)


■進行するバンドリング(抱き合わせ販売)

 ・顧客のニーズを総体的に捉えることから、製品やサービスのバンドリング(抱き合わせ販売)が進行する。その親分格がビル・ゲイツである。

 

(マイクロソフトは、OSのウィンドウズに諸々のサービスをバンドリングすることを基本戦略としている。インターネット・エクスプレス、ウィンドウズ・メディア・プレーヤー、アウトルック・エクスプレス、ウィンドウズ・メッセンジャーが続々とバンドリングされている。顧客にとっては、バンドリングに価値がある経済的かつ時間的なメリットが大きい。)


■顧客の満たされていない価値は何か

 ・マネジメントたる者は、顧客の満たされていない価値が何であり、自分たちが満たすべき価値が何であるかを考えなければならない。これらの問いを考え、顧客を大切にする文化を育てることによってのみ、「顧客の購買を左右するものが何であるか」を知ることが出来る。そのような文化があってはじめて、不合理に見える顧客の行動も理解することが出来る。


 (アップルでは、顧客の満たされていない価値を探るために、チームを編成してチャットルームを精査している。アイポッドに自動車用のバッテリー・チャージャーが必要なことを知ったのも、チャットルームからの情報によるものだった。)

                 『P・F・ドラッカー(理想企業を目指して)』より
 

 
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(ⅲ)何を成果とするか

・ドラッカーは、最も重要なものは顧客にとっての成果だとしていた。彼はクライアントに対し、自らが期待する成果を書きとめておき、半年後に実際の成果と見比べることを要求した成果を測定し、理解し、評価せよといった。


 ・利益は、明日のための投資に必要とされるものである。しかし、そのようなものとしての利益でさえ、顧客を満足させたあとに得るべきものである。ドラッカーは、「靴を買う者は、靴屋に利益を与えるために支払いをするのではない」と繰り返し言った。履き心地がよく、格好がいい靴を手に入れるために支払いをするのである


 ・企業の目的とは、顧客に価値あるものを提供することである

それは、縁もゆかりもない者が、自分の持つ購買力と交換してくれる何かを提供することである。利益とは、そのような成果を反映して得るべきものである。


■成果をいかに評価するか

 ・成果を評価する上で、いかなる情報が必要か。その情報を得るためには、いかなる仕掛けが必要か。最も適切な尺度は何か 

 
 (ある広告代理店の取締役会で誰かがこういったという。「うちは金融サービス業なのだろうか。報告を聞いていると、クリエイティブな会社というよりも金融機関に聞こえる」。以降同社は、広告効果、広告寿命、クライアントのリピート率を重視するなど、成果にかかわる評価を大幅に変更したという。

  2001年、コルゲートは、店舗政策を即刻納品から品切れなしに変更しただけで、売上高を3%伸ばした。即刻納品は、あくまでも小売店に対する姿勢のあり方に過ぎなかった。これに対し、品切れなしは顧客満足を目指していた。コルゲートとしては、成果を定量化し、顧客志向を徹底することが必要だった)

 

■顧客は成果をいかに評価しているか

 ・企業についての情報は、それぞれの企業のホームページからよりも、ポータルサイトからのほうがより多く入手できるようになった。ドラッカーが指摘していた顧客とその友人、家族からなる顧客チームも、膨大な電子メディアを含むものとなったブログ、電子掲示板、チャットルームには、企業が提供する価値についての説明、感想、レイティング(顧客評価)が豊富にあるこれらのサイトは、今日では友人や家族よりも大きな影響を持つ。したがって、有利なインターネット環境をつくることが不可欠である。当然そのためには、常時それらのサイトをチェックしていかなければならない。

 
 ・インターネットは、財サービスの販売促進に有効なだけではない。「自社の提供するものが、どのように見られ、使われ、求められ、評価されているか」を知るための情報を与えてくれる。こうして、「顧客にどのように見られ使われているか」を知ることが、顧客志向のアウトサイド・インにつながる


■成果にかかわる情報をフルに利用しているか

 ・目標と現実の乖離がどこに生じており、その原因は何か。成果を知るために使った尺度は何か。その尺度は何を教えるか。例えば、年率30%の成長率は見事に見える。しかし直接の競争相手は年率40%の成長を実現している。ならば輝きも失せる。機会を十分生かしていなかったことになりかねない。逆に、業績が順調であっても、市場が縮小しつつあるのであれば、「このまま進め」ではなく、「見直そう」が正しい考え方であろう。


■責任を持って成果を明らかにしているか

 ・企業は、倫理的な領域にも取り組まなければならない。エンロンをはじめとする諸々の不正行為が明らかにしたように、社会的責任に反することは、企業そのものの存続を不可能にする。ところが企業のほとんどが、それらの教訓を真剣に受け止めていない。

 
 ・企業たるものは、経営環境の変化を
46時中モニターしていくことが必要である外の世界の地形の変化を掌握しなければならない。したがって、外から内を見るアウトサイド・インの姿勢が、ここでも必要とされる。ドラッカーは、外部の市場を中心に、あらゆる機会を精査して資源を投入すべきことを教えた。あらゆる組織が拠り所とすべき場所は市場である。役員会議室ではない。この姿勢が、目指すべき方向と全体の戦略を規定する。このアウトサイド・インの姿勢は、外部の情報を収集し解釈する能力があって、はじめて可能となる。

                  『P・F・ドラッカー(理想企業を目指して)』より

 
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(ⅳ)あなたの顧客戦略は何か

・今日、新たな顧客戦略として個別戦略が登場した。それは大量の顧客に働きかける共通戦略に代わるものである。アウトサイド・インの姿勢と相互信頼から、顧客との間に長期的かつ建設的な絆がもたらされるこの個別戦略は、「差別化した価値」が「個々の顧客」に届けられるとき、戦略として大きな成果をあげるしかも静かな革命のおかげで、今日では自ら顧客の一部となって、顧客のためにコラボレーションすることが容易になった。その結果、顧客との密着度が顧客戦略の重要な要因となった


P&G物語


  ・(「官僚主義というものは、なぜか内部志向になるようだ。P&Gも、外の世界で起こっていることよりも、官僚制度そのものの動きに幻惑されていた」

  「わが社にとって最大の機会は、ドラッカーのいうアウトサイド・インの姿勢、わが社の言葉でいえば外への焦点にある。私は今も、外の世界の大切さを説き続けている。それが顧客であり、競争相手であり、イノベーションである。業界の外で起きていることであり、経済や政治の世界で起きていることである

「私は今でも、わが社の顧客やわが社に影響のあることで何か重要なことを見逃しているのではないかと心配している。あまりに簡単なことで信じられないかもしれないが、私たちが最初に行ったことは、消費者をボスにすることだった。もちろんそのためには、まず彼らを理解しなければならなかった」。この戦略は消費財メーカーとしてのP&Gの文化と強みにそうものだった。これによって社員は自信を取り戻した。

  今日P&Gは、消費者への情報伝達について多様なシステムを構築中である。すでに双方向のコミュニケーションを強化するために、世界中で、妊娠中、子育て中の女性向けのサイト、パンパース.comを立ち上げた。そこでは、アウトサイド・インの考えが、専門家たちにとっては気に入らない結果をもたらした。お母さん方はテープ型よりもパンツ型のオムツを好むことが明らかになった。

途上国という成長市場へアクセスするには、顧客の定義を拡大し、それまでの価格では顧客となり得なかった低所得者を顧客としなければならなかった。考え方を根本から変える必要があった。「この国でグローバル商品を売るにはどうしたらよいか」ではなく、「この国の消費者はいくらなら買えるか」を考えなければならなかった。まさにアウトサイド・インの考え方で事業を組み立てなければならなかった。つまり、製品を必要不可欠な機能に絞り、流通を見直し、不動のものとしていた利益幅を変え、現地のサプライヤーを使うということだった。)


■結論

 ・顧客が主導権を握ったからには、彼らを知り、彼らとコラボレーションしなければならない彼らの特性、価値観、彼らにとっての成果、彼らとの一体化を考えなければならない

 (ⅰ)顧客とは、もはや受け取るだけの存在ではない。パートナーである。彼らとの関係は単純ではない。背後のコミュニティとも関係を持たなければならない

 (ⅱ)顧客とのかかわり方によって価値が変化する彼ら以上に、彼らのニーズと要求を理解しなければならない。そのためには開放性真摯さが求められる。そのためのカギは、個としての顧客に対峙することである。もはや顧客一般なるものは存在しない。今日、垂直統合されたブランドが、ネットワーク化したバリュー・チェーンにとってかわられつつある。

 (ⅲ)成果は顧客ごとに発生する。しかも顧客は直ちに成果を理解する。

 (ⅳ)顧客戦略の成果は、提供する財サービスだけでなく、顧客との密着度によって左右される。もちろん顧客戦略は自らの強みを結集したものでなければならない

 ・この組み合わせ自在の世界では、「事業とは顧客に始まり顧客に終わる」と理解すべきである。ドラッカーに、「マネジメントは顧客に対して何をすべきか」を聞いたところ、答えは、今日どの顧客にあったか何を学んだかを毎日考えなさいだった。顧客にいかなる価値を提供できるか」は、あなた自身が「何を聞き、どう解釈し、いかにイノベーションをするか」にかかっている

 ・企業が顧客の期待を変え、顧客が想像だにしなかった財サービスを提供し、その結果として真のイノベーションに成功するには、アウトサイド・インの考え方が不可欠である。

          『P・F・ドラッカー(理想企業を目指して)』より

 

 

 

 
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