マネジメント寺子屋「日新塾」

《おかげさまです思考(生命論パラダイム)に基づく「ドラッカーマネジメント」》



                ■ マネジメントとは、「組織をして生産的ならしめるもの」である。
                ■ 組織とは、「特定の目的・ミッションを共有した集合体」。       



カテゴリ : 事業成長のマネジメント(P・ドラッカー)

《1》成長の必要性 

 あらゆる企業が、成長をマネジメントしなければならない。そのためには、成長のための戦略を必要とする。

 1950年代と60年代には、「あらゆるものが成長することになっており、しかもその成長には限界がない」と考えられた。ところが70年代なると、「成長は永遠に終わった」と信ずることが流行りだした。いずれも間違いである。

 何物も永遠に主張することはできない。指数関数的に成長し続けることなどもちろんできない。しかるに18世紀の初頭以降、先進国は、ほぼ50年ごとに、成長こそすべてであり、かつ永遠に続くと信じた「成長の10年」を経験してきた。 

  
 (その最初のものが、サウス・シー・バブルやジョン・ローのルイジアナ計画が現われた
1710年代前後だった。次の「成長の10年」が、1770年代から80年代にかけてだった。

  1830年前後にも「成長の10年」があり、1870年前後にもあった。

  1910年ごろに始まった「成長の10年」は、ヨーロッパでは第1次大戦で中断されたが、アメリカでは実に1929年まで続いた。

  そして再び1960年代から70年代にかけて、「成長の10年」があった。) 


 そしてそれらの「成長の
10年」が終わるたびに、深刻な反作用が襲った。誰もが、「成長は永遠に終わった」と考えた。しかし、終わったのではなかった。今も「終わった」と信ずべき理由はない。 


 しかし、成長の基盤は変化する

 企業にとっては、自らの強みを発揮できる成長分野を探し出し、もはや成果を期待できない分野から資源を引き揚げ、機会のあるところに移すことが必要となる

 乱気流の時代においては、陳腐化が急速に進行する。したがって昨日を組織的に切り捨てるとともに、資源を体系的に集中することが、成長のための戦略の基本となる

 また、「市場において限界的存在とならないためには、どれだけの成長が必要か」を検討することが不可欠となる

 市場が成長しているときには、組織も成長していかなければならない。「限界的存在になる」ということは、「やがて消えてなくなる」ということである 


  (何もしなかった例が、クライスラーである。

  1960年ごろ、クライスラーは、事実上、成長しないことに決めた。そもそも成長に必要な資源を持ち合わせていなかった。したがって、成長のためにハ、合併、おそらくヨーロッパのメーカーとの合併が必要だった。

  しかしクライスラーは、現状維持を選び、自動車産業の「リーダー」たるよりも、単なる「一員」たることを選んだ。

  これがやがて悲惨な誤りとなった。市場は急速に成長し、クライスラーは、1975年には限界的な存在となってしまった。政府による膨大な支援をもってしても、存続自体が疑わしくなった。

  1960年ごろ、フォルクスワーゲンは、財務、製品、エンジニアリング、マネジメントのいずれにおいても、クライスラーよりもはるかに劣っていた。しかし、フォルクスワーゲンは、市場に合わせて成長することに決めた。

  「成長市場はどこか」を問い、四つの市場、大陸ヨーロッパ、ブラジル、メキシコ、アメリカに集中した。それらの市場においてリーダーシップを得ようとした。

  これに対しクライスラーは、平均的存在であろうとして、結局、限界的存在になった。) 


 限界的な組織というものは、経済が下降期に入ると、つねにそれよりも速い速度で縮小していく経済が上昇期に入っても、それより遅い速度で成長していくだけとなるこうして景気循環の節目ごとに、体力を弱めていく

 ひとたび限界的存在となるや、これを逆転させることは難しい。事実上、ほとんど不可能である

 いかなる規模が限界的であるかは、それぞれの産業の構造によって異なる。化学産業とホテル業では、その意味するところが全く異なる。しかも、それぞれの産業の構造自体が変わっていく。

 たとえば30年前の家電産業の場合、国内市場において2位であることに問題はなかった。アメリカのウェスチングハウスやドイツのAEGは、それぞれ自国の国内市場で2位の地位にあって、何ら問題がなかった。

 しかし今日、この産業では、国内市場を超えたグローバル市場において、数少ないリーダー企業の一員でなければ存続が難しくなっている 

 
 (恐らく家電メーカーの経営者のうち、このことを理解していたのは、イギリスのアーノルド・ワインストックだけだったと思われる。

  彼は、1960年代から70年代にかけて、一方で無数の弱小企業を統合し、他方でリーダーシップを取れない分野はすべて切り捨てることによって、今日のブリティッシュ・ゼネラルエレクトリックをつくり上げ、活力ある企業へと成長させた。

  しかし、ワインストックがこの会社を創設した当時には、はるかに大きくはるかに強力だった企業、たとえばアメリカのウェスチングハウスは、低迷を続け、収益力と競争力を失っていった。)

                  『乱気流時代の経営(P・ドラッカー)』より

 
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《2》健全な成長と病的な成長

 最低限の成長は、企業存続のための条件である。市場が成長しているとき、あるいは産業構造が変化しているとき、成長は、企業存続のための条件である

 しかし企業は、健全な成長病的な成長、筋肉と脂肪と癌細胞の違いを知らなければならない


 その見分け方は、いたって簡単である。資源の生産性を全体として高める成長は、すべて健全な成長である。十分な栄養を与え、支援しなければならない。

 これに対し、量だけ増えて全体の生産性が向上しない成長は、脂肪太りである。もちろん、脂肪も、ある程度は必要かもしれない。しかし、脂肪が少ないために困る企業はほとんどない。


 したがって、全体の生産性を高めるに至らない量的増加は、汗を流して絞る必要がある


 さらにまた、創業当初の短い期間は例外として、生産性の低下を招くような量的な増加は、前癌症状ではないにしても、腫瘍である思い切った手術で、直ちに切除しなければならない

                 『乱気流時代の経営(P・ドラッカー)』より

 
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