14]組織構造・・・正しい構造が成果を約束してくれるわけではない。しかし、間違った構造は成果を生まず、最高の努力を無駄にする。


①組織構造は業績の前提条件

 組織構造が優れていれば、優れた業績がもたらされるわけではない。憲法が優れていれば偉大な大統領がもたらされるわけでなく、法律が優れていれば道徳的な社会がもたらされるわけではない。しかし、組織構造が間違っていれば、マネジメントがいかに有能であっても、優れた業績はもたらされない。


②組織の基本活動を中心に据えよ

 組織構造の設計は「組織の目的を達成するには、いかなる分野において卓越性が必要か。」との問いに答えることから始まる。関心を向けるべきは、組織の目的と戦略の成功に欠くことのできない基本活動である。この基本活動こそ、まず識別し、規定し、組織し、中心に据えなければならない。


③構造は戦略に従う

 構造は戦略に従う。組織構造は目的を達成するための手段である。組織構造に取り組むには、目的と戦略から入らなければならない。これこそ組織構造についての実りある洞察である。組織づくりの最悪の間違いは、理想モデルや万能モデルを生きた組織に機械的に当てはめるときに生じる。


④戦略の変更が新たな分析を始める

 戦略を変えれば、組織構造を分析しなおさなければならない。市場や技術の変化、多角化、目標変更のいずれの理由であっても、戦略を変えれば、基本活動についての新しい分析と、それら基本活動に対応する組織構造の採用が不可欠となる。


⑤組織が守るべき原則

 組織には、守るべきいくつかの原則がある。透明でなければならない。誰もが構造を知り、理解できなければならない。最終的な意思決定者がいなければならない。危機にあってはその者が指揮をとる。権限には責任が伴なければならない。誰にとっても上司は一人でなければならない。階層の数は少なくしなければならない。


⑥働く者が仕事を理解しやすいか

 組織構造は、あらゆる者が組織全体の仕事を理解できるものでなければならない。「自らの仕事が組織全体のどこに位置し、全体の仕事が自らの仕事、貢献、努力にとって何を意味しているか」を理解できなければならない。


⑦組織を動かす時間は少ないか

 優れた組織構造とは、誰もが自分自身をマネジメントし、動機付けることのできる構造である。即ちマネジメント、組織構造、管理、コミュニケーション、人事など、組織体を動かすことに時間を取られないほどよい。


⑧階層が一つ増えると雑音は倍になる

 マネジメントの階層が増えるごとに、組織は硬直性を増す。階層の一つ一つが意思決定を遅らせる。情報理論の法則によれば、情報量は、情報の中継点つまり階層の数が一つ増えることに半減し、雑音は倍となる。


⑨今こそミドルを減量せよ

 今こそミドルの減量を開始すべき時である。一つの方法は不補充である。ポストが定年退職、死亡、辞職によって空席になっても、自動的に埋めてはならない。検討すらしてはならない。六カ月から八カ月、空席にして静観すべきである。強い要求がなければ、そのままポストを廃止する。


⑩解決すべき年齢構造の偏り

 高年者ばかりのマネジメントの問題は、かなり早く自然消滅する。企業自体が高年者と共に死滅でもしない限り、問題は解決される。だが、若年者ばかりのマネジメントでは、その次の世代の若年者には、いつまでも昇進の機会がない。重要なポストは、すべて今後二十年も先がある人たちによって占められている。


⑪組織構造それぞれの強みと弱み

 組織構造の種類に応じた強みと弱みを知っておかなければならない。「どのような仕事にはどのような組織構造が適しているか、仕事の変化に応じていつ組織構造を変えるべきか」を知っておかなければならない。


⑫組織の目的は均整さではない

 唯一絶対の答えがあるに違いないとの考えは、捨てなければならない。組織の中の人間が成果を上げ、貢献できるようにする組織構造は、すべて正しい答えである。人のエネルギーの解放とその動員が組織の目的であって、均整さや調和が組織の目的ではない。


⑬組織改革を手軽に行う危険

 組織改革を手軽に行ってはならない。それは手術である。小さなものでも危険が伴う。たびたびの組織改革は避けなければならない。元々完全無欠の組織はない。ある程度の摩擦、不調和、混乱は覚悟しておかなければならない。

                     『経営の哲学(P・ドラッカー)』より

 
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